「歌謡新詩壇」紹介ブログ

歌謡詩の全国同人誌「歌謡新詩壇」の紹介

「歌謡新詩壇」最終号その2

2017年10月02日 | 歌謡詩
 秋たけなわとなりました。「加茂の河原に 秋長けて…」(旅の夜風:西条八十)我が家は田舎ですので、夜ともなるとコオロギ始め秋の虫たちが大合唱です。秋の夜長を演出しています。私はといいますと、足が痛いものですから散歩はままならず、もっぱら家庭菜園での種蒔きやら害虫駆除やらに汗を流しています。一夏中日本列島の何処かに災害をもたらしていた異常気象も少し落ち着いてきたようですので、ほっとしていますが、未だ被災された方々は大変な思いをされていることを思うと胸が痛みます。
 さて、「歌謡新詩壇」は182号で最終号を迎えたのですが、今回は最終号その2としまして、主宰の三宅先生のお手伝いをされていた、寺本ひろみさんの作品を紹介します。

                         カサブランカ哀歌

                                        作詞 寺本 ひろみ(特別同人)

                         あなたの好きな カサブランカを
                         飾ればあなた 来るかしら
                         ひとりぼっちは せつないよ
                         ましてや雨の ふる夜は
                         理由(わけ)も言わずに 背中をむけて
                         どこへ消えたのよ
                         捨てられたのね ただ泣くばかり

                         男は蝶ちょ カサブランカの
                         香りをもとめ 舞うという
                         蝶にやさしく ささやかれ
                         許した花が 泣いている
                         あなたがいなけりゃ 生きられないわ
                         抱いてもう一度
                         まくらが固い ベッドが寒い

                         こんやも待つの カサブランカは
                         階段のぼる 靴音を
                         どうぞ教えて なおします
                         いけないとこが あるのなら
                         ノックなしでも 靴音したら
                         とんで迎えます
                         お帰りなさい そう声かけて

 寺本さんは日本作詩大賞で優秀新人賞を受賞されたことのある実力者です。男性ですが女心を歌った詩がお得意です。この詩もいいですねえ。脱帽です。長い間三宅先生のお手伝いありがとうございました。