「歌謡新詩壇」紹介ブログ

歌謡詩の全国同人誌「歌謡新詩壇」の紹介

「歌謡新詩壇」第154号

2015年02月01日 | 歌謡詩
 1月もあっという間に過ぎました。この冬は12月はじめから大寒のような寒さが続いていたので、寒だからといって寒さに驚いてはいません。ただ、毎日のように吹きすさぶ空っ風には閉口しています。いくら上州名物とは言え、少しは遠慮しろよと言いたくなります。こちらが強風と言うことは、越後は大雪と言うことで新潟の皆さんには申し訳ないのですが…。
 歌謡詩の全国同人誌「歌謡新詩壇」154号は、平成21年12月に発行されました。この頃は同人数も多く、紙面が賑わっていました。近年、同人の高齢化が進み若者の演歌離れもあって作詞、作曲の世代も高齢化が進んでいるように感じます。しかし、若い人の中にも演歌の好きな人もたくさんいますから、希望は捨てずに進むしかありません。このブログをご覧になって作詞に興味を持ってくれる人が一人でもあればと願っています。
 
 第154号からは、「くに」さんの作品を紹介します。

            餘部鉄橋の女

                      作詞 くに 多樹夫(特別同人)

             小高い駅から 見下ろす海は
             雪を呑み込み 悶えてる
             歓(よろこ)びと 哀(かな)しみの 架け橋が
             もうすぐ消える わたしも消える
             愛するあなたの 背中には
             妻と言う字が 停車中
             ふるさとよ… 餘部鉄橋 さようなら

             山陰本線 やぐらの橋に
             まといついてる はぐれ恋
             上りでも下りでも 構わない
             あてない旅が わたしを誘う
             七重の噂に 泣かされて
             但馬海岸 八重の波
             見納めね… 餘部鉄橋 さようなら

             橋桁(はしげた)揺する 夜明けの風に
             線路が泣いてる 凍えてる
             襟を合わせる 無人駅
             ふるさとよ… 餘部鉄橋 さようなら

 タイトルと1節目の「餘部鉄橋」には「あまるべてっきょう」とルビが振ってありましたが、あまりにも有名な鉄橋ですので都合により割愛させていただきました。「くに」さんにはお詫び申し上げます。
 「くに」さんは以前にも紹介させていただきましたが、実力者のお一人です。この作品も完成度の高い作品ではないでしょうか?私などとはレベルが違いますから、もしかしたら、ご不満な点もあるかも知れませんが。