「歌謡新詩壇」紹介ブログ

歌謡詩の全国同人誌「歌謡新詩壇」の紹介

「歌謡新詩壇」第130号

2012年12月02日 | 歌謡詩
 「歌謡新詩壇」は広島在住の作詞家、三宅立美先生が主宰する歌謡詩の全国同人誌です。私も、前身の「新歌謡界」から入会させていただき同人歴も長くなりました。しかし、才能もなくずぼらな性格も災いして、ろくに勉強もしないものですから、これといった作品もなく趣味の域を出ることが出来ないでいます。まあそのうちなんて言っているようでは駄目なことは解っているのですが。
 上州では、赤城颪の吹く日が多くなりました。我が家の枯れ木には雀やら椋鳥やら鈴なりで合唱しています。この季節の我が家の風物詩です。
 さて、「歌謡新詩壇」130号は平成17年6月に発行されました。130号からは、三宅先生の片腕として編集委員をされている寺本ひろみさんの作品を紹介します。

       いいかしら

                    作詩 寺本 ひろみ(特別同人)

      日付変われば 常連さんも
      ひとりふたりと 席を立つ
      みんな帰って さびしいけれど
      これであなたと 二人きり
      ねえ となりに座って いいかしら

      お客さんには 惚れたらだめよ
      言って聞かせて きたわたし
      そんなわたしが いつしか崩れ
      いまはあなたに すがりたい
      ねえ 身の上語って いいかしら

      なにも言わない 無口な人は
      なにか言えない 理由(わけ)がある
      いいのいい女(ひと) あなたにいても
      でもねわたしも 女(おんな)です
      ねえ こんやは酔っても いいかしら

 寺本さんは、三宅先生の作詩教室の生徒さんと伺っています。今や「歌謡新詩壇」には無くてはならない存在とも言えます。実力も確かで、日本作詩大賞の優秀新人賞を受賞されたこともあります。私も数年前に三宅先生の記念祝賀会でお会いしましたが、てっきり女性かと思いましたら、作務衣を着こなす男性でした。女性の心理を掴んだ作品類といいお名前といい、まさか男性とは思いませんでした。
 この詩も女性が主人公ですが、もしかしたら女性にも書けない詩かも知れません。もし、寺本さんがこのブログを覗かれたら、私は叱られるかも知れませんね。