ペトロとカタリナの旅を重ねて

あの日、あの時、あの場所で
カタリナと歩いた街、優しい人たちとの折々の出会い・・・
それは、想い出という名の心の糧 

モネ(2)‐ ナショナル・ギャラリー(30)

2014年07月28日 |  ∟イギリスの美術館

 印象派の巨匠クロード・モネ(1840-1926/フランス)。
 前号の連作作品、「睡蓮の池」に続いて今回の絵は、「ラ・グルヌイエールの水浴」。

 パリ近郊ブージヴァルに程近く、セーヌ河畔の新興行楽地であった水上カフェのある水浴場、ラ・グルヌイエール。
 本作は、1869年の夏、友人であるルノワール(1841-1919/フランス/印象派)とともにそこに赴き、画架を並べ描いた作品としても広く知られている。

 B_2厄介? なことに、巨匠、このモチーフでも三点描いてい、その一枚が、「ラ・グルヌイエール」(YN・メトロポリタン美術館蔵)で、もう一枚はブレーメン美術館が所蔵する。

 そのYN版、<オルセー美術館>(12/05/07)でルノワールの「ラ・グルヌイエールにて」と並べているので、印象派の巨匠ふたりの対象の捉え方など、同稿の「ひなげし」とともに是非見比べてほしい。

 ちなみに、この絵、巨匠が友人に宛てた手紙に拠れば、“ 数点の出来の悪いポシャドを描いただけ ” だったとか。

 巨匠がここで着手した試みはポシャド。
 屋外でモチーフを前に素早く描くポシャドと、スケッチにもとづきアトリエで念入りに仕上げるタブロー、その区別を表向きは取り除いてしまい、“ 後期における作画の萌芽となった ” と解説書にある。

 巨匠が連作として描いた、「睡蓮」や「積みわら」や「ルーアン大聖堂」などには、季節や朝方とか夕暮れとかの時間軸があって、その試みや意図が理解(わか)るような気もしないでもない。
 が、ポシャドとかタブローとなると、もうただ黙って頷いているしかないのである。
 Peter & Catherine’s Travel. Tour No.840

 ※ ロンドン・ナショナル・ギャラリーの旅(29)へは(コチラ)から入れます。

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