ペトロとカタリナの旅を重ねて

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それは、想い出という名の心の糧 

レンブラント(7)「織物商組合の見本調査官たち」

2018年02月22日 |  ∟ベネルクスの美術館

 ※ オランダ ‐ アムステルダム/ライクスミュージアム編(12)‐ ベネルクス美術館絵画名作選(20)

 泰西名画に<世界三大集団肖像画>というカテゴリーがある、らしい。
 エル・グレコ(1541-1614)の「オルガス伯の埋葬」(1586-88年)、ベラスケス(1599-1660)の「ラス・メニーナス」(1656-57年)、そしてレンブラント・ファン・レイン(1606-1669)の「夜警」(1642年)の三点とされている。

 肖像画を集団で描くスタイルで、当時のオランダ画壇に一躍名を轟かせたのがレンブラントの「<テュルプ博士の解剖学講義>」(1632年)、彼がこの分野の草分け的存在の一人であることが判る。

 そして、最後の注文による集団肖像画が「織物商組合の見本調査官たち」(1661年/191×279cm)である。

 本作は、「テュルプ博士の解剖学講義」が外科会館に架けられたのと同じように、完成後はスタール通りの織物商組合のホールに架けられることが決まっていたので、見上げる視点で遠近法を用いて描かれている。

 ただ本作は、「テュルプ博士の解剖学講義」に登場する博士と七名の弟子たちが、解剖講義という一つの意志に統一されているのに対し、五人の見本調査官たちと無帽の秘書が会議中に、作品を観る者と瞬間的に視線を交わし合わせているかのように描かれている。

 会議という単調な主題から、今にも動き出しそうな立ち姿の調査官やテーブルクロスの深い赤を描くことによって、場面に躍動感を与えている。
 それらが、晩年期においても集団肖像画家としての名声を聊かも失っていなかったことを示すものとして、高く評価されている。
 Peter & Catherine’s Travel. Tour No.1515


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