ペトロとカタリナの旅を重ねて

あの日、あの時、あの場所で
カタリナと歩いた街、優しい人たちとの折々の出会い・・・
それは、想い出という名の心の糧 

ライバル ‐ フィレンツェ

2011年03月23日 | イタリア

 万能の天才<レオナルド・ダ・ヴィンチ>のことを書いた。

 さすれば、ミケランジェロ・ブオナローティも、となるのが成り行きというもの。
 何しろこのふたり、盛期ルネッサンスのみならず、芸術史上最大のライバルなのだから。

 David_3ということで、ウフィツイ美術館からひとまず離れ、再びフィレンツェの街を歩く。
 <サン・マルコ修道院>からアカデミア美術館へ向かったものの、そこは長蛇の列だったということは、<ウフィツィ美術館>で書いた。                                                                                      

 その日の午後も遅く、改めてアカデミア美術館を訪ねた。
 途中の<サン・ロレンツォ教会>辺りの広場や通り、朝方は開いてなかったのだが、多くの露天が店を開き、買い物客やら観光客やらでごった返している。

 午前中、あれほど長い列だったこの美術館、待つこともなく入ることができた。
 ところでこの美術館、勝手口?みたいな所(写真下左)から入り、狭い廊下を進み展示室に入るのだが、どう考えてみても 「出口の方が立派?、首を傾げる誰かに 「館長が変わり者なんじゃない?誰かさんと同じで」と心外なことを言う。

 <ボッティチェリ>同様、豪華王ロレンツオにその天才振り?を認められ、メディチ家の屋敷を工房・アトリエにして石を刻んだミケランジェロ。
 この街に彼の彫刻が、ちりばめられた所以でもある。

 カタリナ は、「彼は素晴らしい絵も残しているが、本質は、本人も言っているように彫刻家だと、あらためて思った」と言う。
 そういうことで、この街に彼の油彩は 「聖家族」(ウフィツイ美術館蔵)の一点のみ。
 そのミケランジェロの不滅の傑作、ルネサンス芸術を象徴する 「ダビデ」(写真上)がここにある。

1_4Photo_3 旧約聖書のサムエル記にある、青年ダビデとゴリアテが対決するシーンを巨大な大理石に彫った。

 青年ダビデは、正面ホールの真ん中(写真下右)で、想像をはるかに超えるスケールで屹立。
 作家の芝木好子さんは掌編 「<ルーアンの木陰>」で、ダビデの若き顔を、“ 未来を信じている顔だ “ と作中人物に語らせている。

 また、バロック期の彫刻家ベルニーニも 「<ダビデ>」を刻んでいるが、同じ対象でも表現が異なり面白い。

 ヴァチカンのサン・ピエトロ大聖堂の彼の傑作 「<ピエタ>」。
 あの打ちひしがれた美しくも深い悲しみ、そして、湛えた愛からは想像もつかない、まさに圧倒する力強さで、彼方のゴリアテを睨み据えている。 (続く)
 Peter & Catherine’s Travel Tour No.301

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