万能の天才<レオナルド・ダ・ヴィンチ>のことを書いた。
さすれば、ミケランジェロ・ブオナローティも、となるのが成り行きというもの。
何しろこのふたり、盛期ルネッサンスのみならず、芸術史上最大のライバルなのだから。
ということで、ウフィツイ美術館からひとまず離れ、再びフィレンツェの街を歩く。
<サン・マルコ修道院>からアカデミア美術館へ向かったものの、そこは長蛇の列だったということは、<ウフィツィ美術館>で書いた。
その日の午後も遅く、改めてアカデミア美術館を訪ねた。
途中の<サン・ロレンツォ教会>辺りの広場や通り、朝方は開いてなかったのだが、多くの露天が店を開き、買い物客やら観光客やらでごった返している。
午前中、あれほど長い列だったこの美術館、待つこともなく入ることができた。
ところでこの美術館、勝手口?みたいな所(写真下左)から入り、狭い廊下を進み展示室に入るのだが、どう考えてみても 「出口の方が立派?」、首を傾げる誰かに 「館長が変わり者なんじゃない?誰かさんと同じで」と心外なことを言う。
<ボッティチェリ>同様、豪華王ロレンツオにその天才振り?を認められ、メディチ家の屋敷を工房・アトリエにして石を刻んだミケランジェロ。
この街に彼の彫刻が、ちりばめられた所以でもある。
カタリナ は、「彼は素晴らしい絵も残しているが、本質は、本人も言っているように彫刻家だと、あらためて思った」と言う。
そういうことで、この街に彼の油彩は 「聖家族」(ウフィツイ美術館蔵)の一点のみ。
そのミケランジェロの不滅の傑作、ルネサンス芸術を象徴する 「ダビデ」(写真上)がここにある。
旧約聖書のサムエル記にある、青年ダビデとゴリアテが対決するシーンを巨大な大理石に彫った。
青年ダビデは、正面ホールの真ん中(写真下右)で、想像をはるかに超えるスケールで屹立。
作家の芝木好子さんは掌編 「<ルーアンの木陰>」で、ダビデの若き顔を、“ 未来を信じている顔だ “ と作中人物に語らせている。
また、バロック期の彫刻家ベルニーニも 「<ダビデ>」を刻んでいるが、同じ対象でも表現が異なり面白い。
ヴァチカンのサン・ピエトロ大聖堂の彼の傑作 「<ピエタ>」。
あの打ちひしがれた美しくも深い悲しみ、そして、湛えた愛からは想像もつかない、まさに圧倒する力強さで、彼方のゴリアテを睨み据えている。 (続く)
Peter & Catherine’s Travel Tour No.301
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