Mars&Jupiter

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ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェンの交響曲第9番ニ短調「合唱」作品125を聴き、横浜から新山下まで

2009-01-01 11:58:00 | ベートーヴェンの交響曲・管弦楽曲
明けましておめでとうございます、おおくぼっちです。
正月にあわせてテンプレートを3日間だけ変えました。
今年もウォーキングの話とクラシックの話を中心に
ブログを書いて行こうと思っています。
交響曲のドイツ編の補足に入る前に、
今はベートーヴェンの交響曲全曲を聴いています。
昨日はベートーヴェンの交響曲第9番を聴きながら、
横浜駅から新山下まで歩きました。
交響曲第9番ニ短調作品125「合唱」は、1824年に作曲された。
1817年頃に新しい交響曲の委嘱を受けていたようなので、
作曲にあてた期間は長期にわたっているようである。
高校時代によく聴いていたレコードは、
フルトヴェングラー指揮によるバイロイト盤であるが、
今回はミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団を、
チェリビダッケが指揮したライヴ録音のCDを聴いてみた。

弦楽器のトレモロによる神秘的な序奏から始まる第一楽章は、
アレグロ・マ・ノン・トロッポ-ウン・ポコ・マエストーソで、
この序奏の部分で使われる音型が主部の第一主題に使われる。
このあたりの手法は熟練した作曲技法を感じさせる。
悲劇的な感じのニ短調で始まる第一主題と、
平和的な感じの長調の第二主題の対比も素晴らしい。
チェリビダッケの指揮はゆったりとしたテンポで進め、
曲のディテールをはっきり浮かび上がらせようとしている。
楽団に睨みをきかせながら指揮をしているような
そんな情景を何となく想像できるようでいて面白い。
最後のコーダはいつ聴いても素晴らしい音楽だ。
チェリビダッケの指揮によるCDは堂々としていいが、
最後の一音だけ静かに消えるようなところがユニークだ。
第ニ楽章モルト・ヴィヴァーチェは、スケルツォ楽章である。
冒頭でのチェリビダッケの採るテンポはかなり遅めである。
だから普段は気づかない各楽器の動きがよく分かったりもする。
このようなやり方もありかなと納得したりもする。
それとは対照的に中間部トリオのファゴットなど木管楽器の
演奏で始まる部分は異様に早く、即興的でもある。
再びそのあと冒頭の主題に戻るがこの闘争的な音楽は、
ある意味でこのようなスケルツォ楽章に従来見られない
特異な感じのする音楽であるが、そこが素晴らしくもある。

第三楽章アダージョ・モルト・エ・カンタービレは、
木管楽器のソロの受け渡しから始まり弦楽器につながり、
二つの主題が奏され、この主題に基づいて変奏形式により、
展開されていく平和な感じを思わせる緩徐楽章である。
美しいオアシスのような牧歌的なこの楽章においては、
管楽器が活躍するだけでなく、弦楽器同士のかけあいが、
交響曲第7番の第4楽章を感じさせるくらいに充実している。
ファンファーレ的な音楽が2回ほど鳴り響いた後も、
幸福な感じの音楽が続き、次の終楽章に続いていく。
プレストから始まる第四楽章は、演奏のしかたによっては、
陳腐で低俗な音楽に聴かせてしまう危険性をはらんでいるが、
(それがまたいいという人もいるだろうが、)
チェリビダッケ指揮による演奏は、そうならないところがいい。
すべての合唱の主題等が再現され回想されたあと
アレグロ・アッサイに入り、「歓喜の歌」の主題が奏される。
冒頭の部分が登場し、独唱が入るとそのあとは、
独唱者と合唱により「歓喜の歌」が歌われる。
合唱の勢いに少し管楽器奏者が押されているように、
テンポの微妙なズレのところから感じるが、
それはライヴ盤ゆえ、しかたないことであろう。
それにしても人々を元気つける作品である。
合唱という部分が入ることでそうなるのだろうか、
そういう意味では交響曲に合唱が入るというアイデアも、
素晴らしい発想ではあるのだが、この曲には推進力がある。
明日に向かって生きていこうとする前向きな姿勢があるのだ。
そこが、この交響曲が名曲とされている理由であろうし、
昨年は暗いニュースが多かったのではあるが、
前向きに生きるということが必要なのだろう。
ベートーヴェン自身も苦悩を克服しなければいけなかった。
だからこそ、このような前向きな音楽を作曲できたのだろう。
チェリビダッケ盤を聴いて歩きながら、そんなことを感じた。
今年も、自分にとって前向きに取り組める一年にしたいものである。
それとともにハーバーフェルトトライベンに関して、
読んでいない文献・史料を読もうと決心する今日だった。

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