大橋社労士の気まま日記

仕事上のエピソードや日常の出来事、日頃興味を持ったことなどを随時ご紹介していきます。

新入社員の定着率を上げるためには?(後編)

2008-02-26 17:27:19 | Weblog
今回は、前回(2月2日)の内容を踏まえて、入社後の育成方法や人材の活かし方について述べてみたいと思います。

◎配属後の的確なフォロー
新しく入社した方が定着しない主な理由は、①仕事そのものが合わない、②職場の人間関係がうまくいかない、③現実とのギャップに苦しみ目標や夢を見失う、ということではないでしょうか。

①については、面接などの際に前回お話ししたようなことができていて、適材適所に配属をすればある程度防げます。②については、配属予定部署の方々とご本人との人間的“相性”をよく見極めなくてはなりませんね。

③が会社側の対策としては一番難しいと思われます。あらかじめ仕事に対するイメージはつかんでいたとしても、やはり自分でその仕事を体験してみないと分からないものですし、各職場のやり方次第では自分の仕事に意義を見いだせなくなってしまいます。

「こんなはずではなかった・・」などと思われてしまう前に的確にフォローしてあげることが必要です。
今から行う仕事は何のためにやるのか、なぜ君に任せるのか、どういう形で会社のあるいは社会のためになるのかなどということをきちんと説明した上で仕事をしてもらうようにするのがいいと思います。

これが、次に述べる「育成」ということに関わってきます。
 

◎「育成」なくして「指導」なし
入社後には一定期間の「社員研修」を行うのを前提として、重要なのは実際の配属後の教育の仕方です。どんな職場にも“教えたがり”がいれば“何も教えようとしない”人もいます。個人的な方針はさておき、やみくもにやたらと教えまくっても、本人は混乱するばかりで意味がありません。

「指導」の前には「育成」をする必要があります。つまり、何かを教える前に本人が自然とやる気なるような自立型姿勢を身につけてもらわなければいけません。人はやる気になってはじめて他人の話を聞き、教えられたことを行動に移すようになるのです。「育成」がきちんとできていないと、どんな「指導」も無駄になってしまいます。

さて、その育成の方法ですが、一番効果的なのは「自ら実践して見せる」ことです。子供が親の背中を見て育つのと同じ理論です。

まずは、教える側が日々輝いて仕事を楽しんでいる姿を見せていかなければなりません。「このような先輩や上司になれたらいいな」と思わなければ、自主的に仕事には励みませんし、何を教えても意味がありません。

よく「今年の新人は出来が悪い」とか「ウチの部下は全く言うことを聞かない」などと言っている人を見かけますが、それは自分自身の育成・指導力のなさを公言しているのと同じで、とても恥ずかしいことだと思いますがいかがでしょうか。


私はよく「人財」という言葉を使います。人は単なる人材ではなく「会社にとっての宝」だという意味です。人が人を育て、人が会社を育て、真に社会に貢献できる会社となっていくのだと思います。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする