のら猫の三文小説

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新しい子猫たち No.935

2016-10-16 00:00:25 | 新しい子猫たち 






香奈オフィスの奨学金の始まりは実はそんなに大変なものではなかった









香奈オフィスには家族手当はなかった。奥さんがいようと子供がいようと、本来の仕事に何の関係もない、子供がいる、奥さん、旦那がいるで報酬が違うのはそもそもオカシイと云う考えだった









ただ香奈は子供がいるとゼニがかかる、高い私立の名門に行くのも大変と聞いて、香奈オフィスとしての奨学金を作る事にしたのだった。









はじめは 社内の人たちが対象だった。社員本人ではなく、子供そのものに対して奨学金を渡す報酬ではない貸付では当然ない、給付型の奨学金だった。









ただ香奈オフィスが儲けだすにしたがって、支給対象は必ずしも 社員の子弟ではなくなっていた









瑠璃の時代に この奨学金制度は一段と大がかりになった。









瑠璃は、自分の経験から、自分の好きな道を究めようとする時に、親の資産関係なしにそれを応援するのは大切と思っていた。これはあくまで表向きの理由









瑠璃はデートクラブを組織して、ごっそりと学生時代儲けていた。ただ評判を呼び、売春斡旋の疑いとか言われだして、それまで使っていた事務所も閉めて、使用していたパソコンもドリルで破壊した。ハードディクスは粉々にした。パソコンで消去と云うのは、単に書き換え不可能を書き換え可能にするだけで、データそのものは消えていない。書き換えされるかどうかは実は判らないものだった。データそのものを消すにはハードディクスそのものを破壊しないといけないのだった。 














幹部たちとも道であっても挨拶もしないようにしようと話あった。幹部たちもそれに従った。









ただ末端で、いい目を忘れなかった奴らが依然としてデートクラブまがいの事をしていた。このままでは危ないと瑠璃は危機感を覚えて、国外逃亡するために東大も退学してイギリスのある有名大学院にもぐりこんだ。









瑠璃は頭は切れたし、たまたま知り合ったその大学の有名教授にも 瑠璃の才能は見込まれて、大学卒業と同等の資格があるとされた









ただ香奈は詳しい事情はその当時は知らなかった。東大3年だったからとりあえず休学にしたらどうなのとか瑠璃には言った。









香奈の家は学歴には拘らない家系でもあったのに、瑠璃は早くしないといけないと焦っていたのに香奈を説得するのに時間が掛かった。有名大学の大学院の月謝は高かった。折角貯めた金は飛行機代とかなんとかでアラカタ消えていた。









香奈は恵ルートで詳しい事情を知ったのは 瑠璃がイギリスに行った後の事だった。









その時の瑠璃の思いが 奨学金制度を拡充しようと思った 本当の理由だった。