のら猫の三文小説

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新しい子猫たち No.923

2016-10-04 00:00:39 | 新しい子猫たち 




ビジネス部門 総括になったコイツは、各地域の実情にあわせて、講習会、地域での連絡会議、他業者も入れて地域開発に協力すると云う 至極真っ当な計画を立てさせた。大体現地ではその辺りの事はよく知っていた。





こんな事すればいいのにと思ってはいても それが直接的な利益増にならないから黙っていた。そんな計画を、目の前の利益はいいから、地域が伸びないと大体儲かる筈がなかろうと コイツはリーダーたちを口説いていた





目の前の利益は一時的に減っても、大局的にみればいいとは リーダーたちも思っていた。コイツがそういうから一応 やってみるかと 各地域は動き出した





確かに一時的に利益は減ったが 年間でみると利益は増えた。何よりも各地域内での信用度は確実に上がっていた。





コイツは 安いよの営業担当副社長だった奴の手法に関心した事があった。





安いよの店が大きくなっていった時に、格安 バッタ品を安値でたたき売っているだけでは 伸びない。ある程度の店になると 売るのは その店の信用なのだ、地域の名品を探してきたり、隠れた老舗の商品を並べて販売したりしていた。





安いよ の 叩き売りはそれでもゲリラ的にはしてはいたが、安いよはそれぞれの地域では 小売業界の核になる店舗に育っていた。





コイツの考えは大成功した。種子ビジネスで元々遺伝子分析センターの占める比率は 小売りの世界での安いよの比率よりは遥かに高かった。それだけに この企画は成功したのだった。何よりも 遺伝子分析センターは世界の食糧事情の改善に努めている組織との評判を得た。