のら猫の三文小説

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新しい子猫たち No.922

2016-10-03 00:00:03 | 新しい子猫たち 




香奈には会ってみた。香奈の儲けすぎ批判 は 遺伝子分析センターは 遺伝子の研究を行い、遺伝的疾患でこの世に生まれてくる事が出来ない子供たちに 手助けできないかとの思いで作った研究施設であって、決して儲けて、利益を出すために作ったものではないと云う事を忘れてもらってはいけないと云う趣旨だった





種子ビジネスも世界の食糧事情安定のためにしたのであって 種子ビジネスで儲けるためではない。本来の建前は大切なのだ、儲けのためにしていると錯覚しているのではないか と云うのが香奈の趣旨のようだった





コイツは 種子ビジネスも少し知っていた、南米の羽郎やアジアの辺朗もしているのは知っていた。ただビジネスの天才ともいえた羽郎にしても苦労していた。優れた技術があり優秀な研究陣があるとはいえ、遺伝子分析センターのビジネス部門の大局観 組織づくり、なにがそこに必要なのか どういう種子がその地方に必要なのか等々の感覚は優れていた。



それがあるから大儲けしているのだと確信していた。しかも 利益があるといってもビジネスが大きいだけに油断するとすぐに利益は減る、維持しようとしている結果 利益は増えていた。ぼっくたりのように儲けているワケではないとの ビジネス部門の言い分もわかった





しかも彼らの危機感の前提には 香奈の存在が大きかった。儲けなくてもいい 本来の目的が出来ればいい遺伝子分析センター は ジブトラストの利益の中で維持していく とは 香奈の口癖だったが、そんな事を言える経営者は多分いない、理想家の神太郎にしてもそれは多分言わないだろう。



今のセンターの維持費用は莫大なので、天下のジブトラストと云えども 香奈以外の経営者ではそれはいわないだろう。



香奈 亡き後もセンターを維持していくには利益の蓄積が必要なのだと云うのがビジネス部門の考え方の根底にあった。



コイツもそれには同感していた。



香奈のような経営者はまあいない、だからこそ ジブトラストがこんなに大きくなった。香奈が信じられない程長生きして、支えたので ジブトラストが こんなに大きくなった。他の人では出来ない。