仁左衛門日記

The Diary of Nizaemon

少年メリケンサック

2014年07月10日 | 映画サークル
ましけ映画サークル6月例会(2014年6月10日)は、昨年から何となく参加していた長○氏の初企画『少年メリケンサック』(2009年/宮藤官九郎監督)だった。
物語は、「栗田かんな(宮崎あおい)は、臨時社員ながら新人バンド発掘担当として某レコード会社で働いていた。ある日、インターネットの動画サイトで"少年メリケンサック"という4人組パンクバンドを発見し、早速契約せよという時田英世(ユースケ・サンタマリア)社長の肝いりで、意気揚々と出掛けたのだが、連絡された場所にいたのは昼間から焼酎を浴びるように飲んでくだを巻く作並秋夫(佐藤浩市)という落ちぶれた五十がらみの男だった。かんなが見つけた動画はなんと25年前の解散ライブのものだったのだ。しかし、すでに立ち上げたオフィシャルサイトは大人気になってしまっていて・・・」という内容。
インターネット上の情報というのは、日付が入っていなければいつの物なのかマッタク分からないということもありがちで、「実は25年前だった」というのも実際にありそうな話で面白い。
それなりのビデオカメラさえ持っていれば、今は誰でもハイビジョン撮影が出来る世の中だから、もしかしたら100年後のリアル社会で2014年に撮影された映像がマッタク違和感無しに見られているかもしれないなぁ等と思いながら見ていた。
(^_^)
パンクロックという音楽が理解出来ずにいたかんなが、バンドのツアーに帯同しているうちに同棲中の恋人・マサル(勝地涼)が歌う曲をいつの間にかつまらなく感じていって、自分自身がすっかりパンクのような思考になっていくのも面白い。
人の趣味嗜好というものはどんどん変わって行くものなのだ。
(^。^)
バンドの他のメンバー、作並春夫(秋夫の弟/木村祐一)、清水(ジミー/田口トモロヲ)、岡本(ヤング/三宅弘城)も解散ライブのビデオとはすっかり変わり果てた姿になっていたが、25年の時間とはそういうものなのだろう。
移動中の車内の様子が一番面白いのは、パーソナルエリアを確保できない空間に居続けると本音がどんどんと飛び出してくるという人間の本質を、監督・脚本がしっかり押さえているからなのかもしれない。
なかなか面白かった。