仁左衛門日記

The Diary of Nizaemon

ナチュラル

2019年01月14日 | ムービー
『ナチュラル(原題The Natural)』(1984年/バリー・レヴィンソン監督/アメリカ)を見た。
物語は、「1939年。メジャー・リーグのナショナル・リーグに所属しているニューヨーク・ナイツに35歳のルーキー、ロイ・ハブス(ロバート・レッドフォード)が入団してきた。彼は16年前、サム・シンプソン(ジョン・フィネガン)にスカウトされ、シカゴ・カブスの入団テストを受けるはずだったのだが、謎の女ハリエット・バード(バーバラ・ハーシー)の銃弾に倒れ、メジャーリーグで活躍する夢を叶えられずにいたのだった。ナイツの株主でもある無能な監督ポップ・フィッシャー (ウィルフォード・ブリムリー)のせいもあって、ナイツは常に下位を低迷している弱小チーム。資金繰りのため、所有株式の一割を判事(ロバート・プロスキー)に売却したことから、判事が筆頭株主となっていたが、チームが優勝すれば株を買い戻し、それ以外の時は監督が解雇という契約になっていた。監督は、判事がロイを送り込んだと思い込み、ゲームへの出場どころか練習すら一切させなかったのだが・・・」という内容。
ロイがその素晴らしい才能と実力を発揮できるチャンスを得て、ナイツは連戦連勝するようになったのだが、自身を疫病神と称するポップと同様に姪のメモ・パリス(キム・ベイシンガー)も男の運を下げる疫病神のようだった。
伯父が自分の姪をそう言ってしまうのだからどうしようもない。
(^_^;)
野球選手としては超一流のロイの弱点は、そこだったのだろう。
かつてプロポーズしたアイリス・ゲインズ(グレン・クローズ)と疎遠になって、すっかり女性運が尽きたようなのだ。
そうでなければ、16年前にハリエットなどという犯罪者と知り合うこともなく、メジャーデビューを果たせていたはずだし、ナイツ連戦連勝後のスランプとも無縁だったはずだ。
「人込みがあるとあなたがいそうで、いつも捜したの」という再会時のアイリスの台詞と表情は切なかった。
呪いということではなく、"ワンダーボーイ"ではあったものの、天はそこを許さなかったのかもしれない。
しかも、マックス・マーシー(ロバート・デュヴァル)やガス・サンズ(ダーレン・マクギャヴィン)などという質の悪い新聞記者につきまとわれてしまったのも良い兆候ではなかった。
プロスポーツを題材にしてはいたが、何だか神秘的な展開で面白い作品だった。

獣たちの熱い眠り

2016年10月07日 | 映画サークル
ましけ映画サークル10月例会は、仁左衛門企画『獣たちの熱い眠り』(1981年/村川透監督)だった。
物語は、「日本プロテニス界の花形プレーヤー三村浩司(三浦友和)は、親友の中田明夫(宮内洋)が新設したテニスクラブのコート開きに招かれ、長崎にいた。その夜、何軒か飲み歩き、中田が贔屓にしている鳥飼陽子(宇佐美恵子)のクラブ・トパーズでは泥酔。ベッドで気がつくと、そこはトパーズのホステス、ジューン(ダーレン)の部屋だったようで、三村はジューンと夜を明かした。東京の自宅へ戻ると、同居している妹の真紀(なつきれい)が、訪ねてきた岸井節男(石橋蓮司)という男が図々しく上がり込んで帰りを待っていると怒っている。その面識のない突然の来訪者の話は、"三村とジューンの情事の写真を3,000万円で買い取ってください"とのことだった。翌日、指定された場所に行った三村は、岸井の腕を折るなどぶちのめし、100万円の小切手を置いて帰ってきたのだが・・・」という内容。
いわゆる"ハニートラップ"に引っ掛かってしまった男の話なのだが、三村はとことん抵抗を続け、要求された3,000万円を支払わなかったものだから、翌週には早速、週刊誌に強姦のスクープ記事として掲載されてしまう。
次に、残りの2,900万円を支払うことで、「名誉毀損で記者会見を開いてくれれば、ダーレンを警察に出頭させて強姦の報道が虚偽であることを告白させ、この件に幕を引く」という取引条件を持ち掛けられるものの、三村はそれも拒否して、恐喝犯人の黒幕を見つけ出し自ら事件を解決しようとするのだが、割りを食うのが仕事仲間の白木(峰岸徹)であったり、組織の窓口になっている岸井だったりする。
三村と会うたびに痛め付けられる岸井は、クルマにはねられもするのだが、警察に訴えることはできないし、組織は三村に対して治療費を上乗せすることもない。
まったくのやられ損だ。
(^_^;)
そして、妹の真紀。
かつてあこがれていた清水孝子(風吹ジュン)には陥れられるし、兄の意地とか無謀な正義感の犠牲者になってしまう彼女が一番可哀想だった。
阿藤海(鈴木役)、安岡力也(桜井役)、中尾彬(丸山刑事役)、成田三樹夫(野々山役)といった、いかにも悪顔のメイクが似合う俳優さん達がたくさん出演していて、なかなかにハードボイルドタッチの面白い作品だった。
(^_^)

仁左衛門賞 / 2010年

2010年12月28日 | 映画サークル
9月の仁左衛門初骨折&初手術が影響し、随分と例会の開催が流れてしまった2010年の"ましけ映画サークル"だったが、今年の予定は12月1日の例会&忘年会をもってすべて終了した。
そして本日は、おまちかね(?)恒例の【仁左衛門賞/2010年】の発表なのである。
(^_^)
今年の例会で取り上げた映画は、
【1月/仁左衛門企画】『鬼平犯科帳/劇場版』(1995年/小野田嘉幹監督)
【2月/長○見企画】『ビリィ・ザ・キッドの新しい夜明け』(1986年/山川直人監督)
【3月/小○企画】『画家と庭師とカンパーニュ(原題Dialogue avec mon jardinier)』(2007年/ジャン・ベッケル監督/フランス)
【4月/守○企画】『グラン・トリノ(原題Gran Torino)』(2008年/クリント・イーストウッド監督/アメリカ)
【5月/忠○企画】『レスラー(原題The Wrestler)』(2008年/ダーレン・アロノフスキー監督/アメリカ)
【6月/仁左衛門企画】『ニュースの天才(原題Shattered Glass)』(2003年/ビリー・レイ監督/アメリカ)
【7月/小○企画】『ターミネーター4(原題Terminator Salvation)』(2009年/マックG監督/アメリカ)
【8月/中止】
【9月/中止】
【10月/中止】
【11月/長○見企画】『偽造(原題FALLING THROUGH)』(1999年/コリン・バックシー監督/アメリカ)
【12月/守○企画】『サブウェイ123 激突(原題The Taking of Pelham123)』(2009年/トニー・スコット監督/アメリカ)
の9作品。
第1次選考の結果、同賞へのノミネート作品は『画家と庭師とカンパーニュ』(小○企画)、『グラン・トリノ』(守○企画)、『レスラー』(忠○企画)の3作品となった。
そして、この中から、小○企画の『画家と庭師とカンパーニュ(原題Dialogue avec mon jardinier)』(2007年/ジャン・ベッケル監督/フランス)に、栄えある(!?)【ましけ映画サークル・仁左衛門賞/2010年】の"灰色のモアイ像"を贈呈するものである。
おめでとう!!ジャン・ベッケル監督!!
これからも心にしみる大人の映画を撮り続けてほしい。
(^_^)
ちなみに、これまでの【ましけ映画サークル仁左衛門賞】受賞作品は、
2005年】『デイ・アフター・トゥモロー』(2004年/ローランド・エメリッヒ監督/アメリカ)=守○企画、
2006年】『ショーシャンクの空に』(1994年/フランク・ダラボン監督/アメリカ)=守○企画、
2007年】『トム・ヤム・クン!』(2005年/プラッチャヤ・ピンゲーオ監督/タイ)=小○企画、
2008年】『地獄のモーテル』(1980年/ケヴィン・コナー監督/アメリカ)=忠○企画、
2009年】『アイアンマン』(2008年/ジョン・ファヴロー監督/アメリカ)=長○見企画
となり、"仁左衛門企画"は未だに受賞がないのである・・・。
(^_^;)

レスラー

2010年05月14日 | 映画サークル
ましけ映画サークル5月例会は、忠○企画の『レスラー(原題The Wrestler)』(2008年/ダーレン・アロノフスキー監督/アメリカ)だった。
物語は、「1980年代に必殺技"ラム・ジャム"で大人気を博したプロレスラー、ランディ"ザ・ラム"ロビンソン(ミッキー・ローク)。引退の時期を逃してしまい、50歳を過ぎてもまだアルバイトをしながらドサまわりでプロレスを続けていた。家族は無く経済状況も厳しいラムの楽しみは好意を寄せるストリッパーのキャシディ(マリサ・トメイ)に会うことくらいだったが、長年に亘って筋肉増強剤や鎮痛剤を多用してきたこともあって、彼の身体は・・・」という内容。
ミッキー・ロークなんて名前は久しぶりに聞いたが、主人公のザ・ラム同様に1980年代の栄光からどん底まで落ち込んでいたらしい。
それ故なのか、スター性を微塵も感じさせないその容姿は配役にぴったりとハマっていたように思えるのだった。
(^_^;)
町外れの公衆電話を使う場面等は、画面全体から悲壮感が伝わってくる良い演技だ。
公式ウェブページによれば、ダーレン・アロノフスキー監督は会社から要求された主演俳優の差し替えを断ったことから製作費を大幅に削減されたのだそうだが、あくまでもミッキー・ローク主演にこだわったらしい。
その甲斐あってか、【第65回ヴェネツィア国際映画祭金獅子賞(最高賞)】【第66回ゴールデングローブ賞主演男優賞(ドラマ部門)】等を受賞したようだ。
さて、不思議なもので、人間というのはツキの無い時ほど次から次へと難題を突き付けられるものらしい。
苦しみながらも別の人生を歩き続けようとしたその矢先に、あの"ポテトサラダの老人"等が現れてしまったのは何ともタイミングが悪かった・・・。
あまり楽しい内容ではなかったが、ラストシーンには充分納得できる面白い作品だった。