仁左衛門日記

The Diary of Nizaemon

ターミネーター:新起動/ジェニシス

2017年10月18日 | ムービー
シリーズ第5作目の『ターミネーター:新起動/ジェニシス(原題Terminator Genisys)』(2015年/アラン・テイラー監督/アメリカ)を見た。
物語は、「スカイネットが起動した1997年8月29日、いわゆる"審判の日"から続いていた人類と機械との戦いは、2029年になってついに人類が勝利した。戦闘の終了直前、窮地に陥っていたスカイネットは、人類側リーダーのジョン・コナー(ジェイソン・クラーク)の母であるサラ(エミリア・クラーク)を殺害することで彼の存在自体を抹消しようと、タイムマシーンでターミネーターT-800を1984年に送り込む。スカイネットの基地を制圧した人類側はカイル・リース(ジェイ・コートニー)をその時代に送り出すが、カイルはタイムトラベルの直前、ジョンが何者かに襲われるのを目撃した。無事1984年に到着したカイルだったが、その時代には存在しないはずの液体金属ターミネーターT-1000(イ・ビョンホン)に襲われ・・・」という内容。
タイムマシーンで1984年に移動する"ターミネーターT-800"は、『ターミネーター(原題The Terminator)』(1984年/ジェームズ・キャメロン監督/アメリカ)でアーノルド・シュワルツェネッガーが演じた人造人間だが、本作では当時の彼の姿をCG映像で再現して登場させているらしい。
そして、サラに"おじさん"と呼ばれているもう一体の"ターミネーターT-800"は、本作撮影時のアーノルド・シュワルツェネッガー本人(撮影時67歳!?)で、タイムマシーンによって1970年代に送り込まれたT-800。
機械なので中身は劣化しないけれど、身体を覆う皮膚組織は老化していくとのことだ。
子供の時に両親が死に、その"おじさん"によって育てられたサラは"戦士"となっていて、第1作の時とはすっかり歴史が変わってしまっている。
以前、『ターミネーター4(原題Terminator Salvation)』(2009年/マックG監督/アメリカ)を見た時に、(第5作、第6作と続くと)「これまでの物語との整合性も考慮しなければならないだろうから、どんどんこじんまりとした物語になっていく」というような予想をしていたのだが、"過去の物語を変える"、"整合性を取らない"という方法でシリーズを継続させるとは、さすがハリウッド。
それによって作品内容の可能性が広がるし、何より、そこそこ安定して儲け続けることができるのだから、やはりたいしたものだ。
(^。^)

タイタニック

2017年06月06日 | ムービー
『タイタニック(原題Titanic)』(1997年/ジェームズ・キャメロン監督)を見た。
物語は、「1996年。トレジャーハンターのブロック・ロベット(ビル・パクストン)は、相棒のルイス・ボーディーン(ルイス・アバナシー)らと共に、ロシアの新型無人潜水艇等を使い、1912年に沈没した豪華客船タイタニック号の船内に眠っているはずの"碧洋(へきょう)のハート"を探し出そうとしていた。ブルボン朝ルイ16世が所有していたブルーダイヤモンドをハート形にしたネックレスだ。タイタニック号の探索をテレビ番組で知ったローズ・カルバート(グロリア・スチュアート)は、"碧洋のハート"を知っている唯一の生存者としてロベットの探索に協力するため、探索船を訪れたのだが・・・」という内容。
かつて、イギリスのホワイト・スター・ライン社が北大西洋航路に投入した豪華客船タイタニック号は、1912年4月10日にサウサンプトン港にある専用埠頭オーシャンドックからニューヨークへと向けて初めての航海に出たが、その航海中に氷山と接触し、4月15日午前2時30分に沈没し、大西洋の水深3,821mの海底に沈んでいる。
この史実を基に創作されたのが本作なわけだが、物語は101歳だというローズの回想で展開する。
1等客室のローズ・デウィット・ブケイター(ケイト・ウィンスレット)は、大富豪の御曹司キャルドン・ホックリー(ビリー・ゼイン)の婚約者。
家が破産寸前のため、母ルース(フランシス・フィッシャー)に言われるがままに政略結婚を強要され、決められた人生に絶望していた。
一方、資金を稼ぎながら世界中を旅している画家志望の若者ジャック・ドーソン(レオナルド・ディカプリオ)は、同船の出港5分前に、ポーカーで乗船切符を手に入れ、3等客室に乗り込んだ。
ジャックが投身自殺を図ろうとしたローズを助けるという運命的な出会いをした2人だったのだが、急速に親密さを増していく姿を目にして、たまったものじゃないのが婚約者のホックリー。
執事のスパイサー・ラブジョイ(デビッド・ワーナー)を使って、2人を引き離そうとする姿が何とも哀れだ。
中盤からはまるでパニック映画のような様相になるのだが、序盤、全財産をかけたポーカーの場面での「これで誰かの運命が変わるぞ」と「俺たちは世界一ツイてる」というジャックの台詞がとても印象に残ったのだった。
人生、一寸先は闇なのだ。

バトルランナー

2017年03月10日 | ムービー
『バトルランナー(原題The Running Man)』(1987年/ポール・マイケル・グレイザー監督/アメリカ)を見た。
物語は、「世界経済は崩壊し、食料と資源は底をついた2017年。警察国家が世を支配し、テレビ画面では"ランニングマン"という残酷な番組が史上最高の視聴率を獲得していた。芸術とマスコミは厳重に統制され、体制批判は許されない。ある日、非武装の一般市民による食料を求めての暴動が起きた。発砲指令を出した警察本部に対し、"無抵抗の人間は撃てない"と拒否した警官ベン・リチャーズ(アーノルド・シュワルツェネッガー)は、その交信を記録した映像が改ざんされ、60人を殺害した"ベーカーズフィールドの殺人鬼"として強制労働所へ収容されてしまうのだが、反政府組織所属のウィリアム・ラウリン(ヤフェット・コットー)、ハロルド・ヴァイス(マーヴィン・J・マッキンタイア)らと共に脱獄した。彼らの仲間と接触し、爆薬が内蔵された首輪を取り外してもらった翌日に、弟エドワードを訪ねたベンだったが、彼はすでに"再教育"のために拘束され、部屋にはアンバー・メンデス(マリア・コンチータ・アロンゾ)というテレビ局勤務の女性が住んでおり・・・」という内容。
これまで何度か吹替版を見たことはあったが、字幕版は(たぶん)初めて。
「I'll be back」という台詞は、『ターミネーター』(1984年/ジェームズ・キャメロン監督/アメリカ)以降、シュワちゃん演じる主人公の台詞としていろいろな作品で使われているのだが、この作品内でもベンの台詞として使われていて、その台詞を聞くとどうしてもニヤニヤしてしまうのだった。
また、驚いたのは、作品の時代設定が"2017年"になっていたこと。
なんと、今年じゃないか!!
(^。^)
1970~1980年代に言われていた「石油資源はあと数十年で枯渇する」という話は嘘っぱちだったし、今のところ食料枯渇という情報もないので、その点は安心なのだが、アメリカ大統領はとんでもない人間になってしまったようで、世界経済がどうなるのかは心配だ。
(-_-;)
司法省が全面的に協力している大人気番組"ランニングマン"は、まるでローマ時代の"グラディアトル"(Gladiator/グラディエイター)であり、スタジオ観覧者はたくさんの景品を手にできることもあって、相当に盛り上がるのだが、その采配はすべてデーモン・キリアン(リチャード・ドーソン)にゆだねられている。
ランニングマンの選考についても大統領への電話一本で無理を通すほど強気だ。
ただ、自分の足をモップで濡らした掃除夫の名前をニコニコ顔で巧妙に聞き出し、姿が見えなくなるとすぐに「あのウスノロはクビにしろ」と言うような酷い男でもある。
番組の視聴率アップが彼の仕事のすべてのように描かれていたが、数字だけにとらわれると、他に何も見えなくなるという典型だろう。
これはなかなかに面白い作品だ。

アバター

2010年10月30日 | ムービー
すっかり忘れていたが、(確か)ユナイテッドシネマ札幌で『アバター(原題Avatar)』(2009年/ジェームズ・キャメロン監督/アメリカ)を見たんだった。
あれはまだ雪が降っていた頃で、上映開始時刻から少し遅れたものだから、場内はすでに真っ暗。
(全席指定なことから)自分達の席が何処なのかさっぱり判らず、一度通路に出て、係の人に席まで誘導してもらったことを思い出す。
(^_^)
さて、3D映像が最大の話題だったこの映画は、「2154年。地球人は太陽系から遥か離れた惑星ポリフェマスの衛星パンドラに降り立ち、地球へ送る希少鉱物資源を採掘していた。パンドラは、ナヴィという人類をはじめ、様々な生物が生息している未開の星。この星の大気は地球の大気と成分が違うことから、地球人はマスクを着用して活動を余儀なくされたものの、ナヴィとの遺伝子を組み合わせて作った"アバター"と呼ばれる肉体を精神的にコントロールして活動する方法もとられていた。元海兵隊員のジェイク・サリー(サム・ワーシントン)は、急死した兄の代理としてアバターをコントロールていたのだが、遭難した際、ナヴィの女性ネイティリ(ゾーイ・サルダナ)に助けられ・・・」という物語。
全編にわたって3D映像だったが、「おーっ!!」と驚いたのは1~2回だったか。
画面奥から手前方向に勢いよく転がってくる大きな岩には迫力があったが、あとは平面が幾つか重なっているだけ。
当然ながら、それぞれが個別に"立体"に見えるわけではない。
「ネイティリって神田うのに似てるな」
一番気になったのはそこだったような・・・。
(^_^;)

ターミネーター4

2010年08月21日 | 映画サークル
ましけ映画サークル7月例会は、小〇企画『ターミネーター4(原題Terminator Salvation)』(2009年/マックG監督/アメリカ)だった。
物語は、「2003年、死刑囚マーカス・ライト(サム・ワーシントン)は、サイバーダイン社への献体の書類にサインした。以前の記憶を無くしたマーカスが再び現れたのは、2018年。ケイト(ブライス・ダラス・ハワード)と共に審判の日を生き延びたジョン・コナー(クリスチャン・ベール)が、スカイネット抵抗軍の一員としてターミネーターと戦っていた時代だった。この頃、スカイネット軍は、潜入型ターミネーター開発に必要な生体細胞を得るために人間を無作為に捕獲していたが、その中に偶然、殺戮リスト上位のカイル・リース(アントン・イェルチン)が含まれていた。カイルが存在することの重要性を知らない抵抗軍司令部は、スカイネット総攻撃の計画を立てたが・・・」という内容。
これはアーノルド・シュワルツェネッガー主演『ターミネーター(原題The Terminator)』(1984年/ジェームズ・キャメロン監督/アメリカ)から続く物語だが、前3作品が"審判の日"以前なのに対し、この『T4』はそれ以降のスカイネット対人間の戦いを描いている。
序盤から激しい戦闘シーンが続くのだが、誰が誰だか判らない。
(^_^;)
しかし、幾分話が落ち着いてからは、元々が単純な構図ということもあってか、「これなら幾らでも続編が作れるなぁ」等と余計なことばかり考えて見ていたのだった。
シリーズ化させてしまうと、これまでの物語との整合性も考慮しなければならないだろうから、どんどんこじんまりとした物語になっていく。
今後『T5』や『T6』が作られたとしても、きっとこの『T4』すら超えられないのは間違いないだろう。
そう考えるとちょっと残念。

ネバーランド

2008年09月09日 | ムービー
『ネバーランド(原題Finding Neverland)』(2004年/マーク・フォスター監督/アメリカ・イギリス)を見た。
物語は、「1903年のイギリス。劇作家のジェームズ・バリ(ジョニー・デップ)は、執筆中の公園でデイヴィズ一家と出会う。夫に先立たれたシルヴィア・デイヴィズ(ケイト・ウィンスレット)と4人の子供達はジェームズとまるで家族のように過ごすが、父親の死にショックを受けていた三男のピーター(フレディ・ハイモア)だけは、遊びの輪に積極的に加わらなかった。そんな彼を幼い頃の自分と重ねて見てしまうジェームズは、かねてからイメージしていたもののシルヴィア以外には(妻にも)話したことが無かった"ネバーランド"を舞台とする新作【ピーターパン】を完成させる」という内容。
1903年といえば日本でいうと明治36年。
「夏目漱石がイギリスに留学したのが(前年の)1902(明治35)年」と、(これを書こうとした時に)ラジオ番組で優香が話していたのだが、元号に置き替えたり、同時代の日本の偉人を引き合いに出されると、「あぁそんなに昔の話なのか」と気がつく。
そう考えると、元号もナカナカ便利だ。
(^_^)
興行主を演じていたのがダスティン・ホフマンだということにはすぐに気付いたが、「ほくろが無いしマドンナじゃないよな・・・」と思いながら見ていたシルヴィア役の女優を、『タイタニック(原題Titanic)』(1997年/ジェームズ・キャメロン監督/アメリカ)でローズ・カルバートを演じた女優だと気がつくまでにはしばらく時間がかかったのだった。
彼女はジュリー・クリスティ(デュ・モーリエ夫人役)のような上手な演技は出来なかったが、家族で『ピーターパン』を見るシーンでは涙を誘った。
名作『ピーターパン』の影にこんな切ない話があったとは・・・。
これは、なかなかに良い作品だった。

SOSタイタニック 忘れえぬ夜

2006年04月01日 | ムービー
『SOSタイタニック 忘れえぬ夜(原題A Night to Remember)』(1958年/ロイ・ウォード・ベイカー監督/イギリス)を見た。
この映画の原作本『タイタニック号の最期』(ウォルター・ロード著/ちくま文庫)には、「多くの資料と生存者の談話をもとに、その伝説の真相にせまった優れた記録文学」(細野晴臣)との解説があるようだし、映画では「生存者の方々の協力に感謝します」とのコメントがあったので、この映画はかなり真実に近い内容が描かれているのではないかと思った。
作品の時間は1時間58分だが、これにレオナルド・ディカプリオケイト・ウィンスレットのエピソードを加えると、『タイタニック』(1997年/ジェームズ・キャメロン監督/アメリカ)の長さ(3時間14分)になるのか。
(^_^;)
あの映画では一番近い距離に"カルパチア号"がいたとされていたと思ったが、この映画では、わずか15kmほどの距離に"キャリフォルニア号"がいたものの、見張りと通信士がタイタニック号の遭難信号に気付かなかったとされていた。
両作品ともドキュメント作品ではないのだが、生存者の談話を基にした原作本を基本としている本作のほうに信憑性が感じられるのだった。
物語は、「"タイタニック号"は処女航海中の1912(明治45)年4月14日深夜に北大西洋上で氷山に接触、翌日未明にかけて沈没したという20世紀初頭に建造されたイギリスの豪華客船。犠牲者数は(諸説あるらしいが)乗員乗客合わせて1,513人を数える当時世界最悪の海難事故だった」という事実を踏まえた内容だが、リズ・ルーカス夫人(オナー・ブラックマン)をはじめとする登場人物の多くはおそらく架空の登場人物なのだろう。
結構引き込まれて見てしまったが、当然ながらこの映画は沈没までの約2時間半の様々な人たちを詳しく描こうとしているため、主人公のライトラー航海士(ケネス・モア)についてそれほど深く描かれていなかったような感じもした。
物語自体が悲劇なのだから、彼をヒーローとして描くのには限界があったということか。
また、タイタニック号の出航シーンには、どうやら一部実際の記録フィルムが使われていたようで、隅のほうにそこそこ大きそうな帆船が映っていたのだが、1912年といえば日本でいうと明治45年のこと。
当時最新だっただろう技術と、ふんだんにお金を使った贅沢な装飾を施した巨大な鉄の塊を浮かべたことに慢心して、乗員には緊張感の欠如もあったのだろう。
実際の事故に関して少し調べてみたのだが、氷山情報を提供してくれる他船の電信に対し、客の私信の発信を優先し、「あとにしろ」と打電していたという事実があるらしい。
氷山の情報についてマッタク知らなかったということではなかったようだが、氷山の南下ぐあいを甘く見ていたらしい。
まさに悲劇だ。