仁左衛門日記

The Diary of Nizaemon

チャーリー・モルデカイ 華麗なる名画の秘密

2017年01月08日 | ムービー
『チャーリー・モルデカイ 華麗なる名画の秘密(原題Mortdecai)』(2015年/デヴィッド・コープ監督/アメリカ)を見た。
物語は、「インチキ美術商という裏の顔を持っている貴族チャーリー・モルデカイ・シルヴァーデール卿(ジョニー・デップ)は、学生時代に知り合った妻ジョアンナ(グウィネス・パルトロー)とロンドン郊外の大邸宅に住んでいるが、政府に対して800万ポンドの負債を抱えていて破産寸前という危機的状況に瀕していた。ある日、絵画修復士のブロンウェン・フェルワージー(ノーマ・アタラー)が何者かに殺害され、修復中のゴヤの名画が盗まれるという事件が発生した。世界中のテロに関与しているとされる国際テロリストのエミル・ストラーゴ(ジョニー・パスボルスキー)が容疑者となり、MI5(軍情報部第5課)が捜査することになったが、モルデカイ夫妻と大学の同窓で、昔からジョアンナに気があるアラステア・マートランド警部補(ユアン・マクレガー)は、チャーリーに盗まれた絵画の捜索を依頼する」という内容。
モルデカイ家に仕える忠実な従者ジョック・ストラップ(ポール・ベタニー)は、チャーリーの間抜けな振る舞いに振り回されたりもするものの、"絶倫"と称される彼はそれなりに人生を楽しんでいるようで、チャーリーの相談相手になっているのが面白い。
何とも屈強な見た目のジョックではあるが、キッチンの戸棚からブルーチーズを取り出した時の弱弱しい声には笑ってしまった。
ただ、マートランドが言う"細菌兵器"の強烈さがあったのかもしれないものの、ジョックが食べていたフィッシュ&チップス(?)をチャーリーが吐き出してしまったりもしたので、良いコンビとはいえ、こういった描写で階級差による生活の違いが描かれているような気もしたのだった。
捜査を始めてすぐに、"イギリス一下品で口が悪い男"として有名なグレアム・アーチャー卿(マイケル・カルキン)に"カネの匂い"を嗅ぎつけられてしまったチャーリーは、早速ロシアマフィアに狙われるはめになるし、容疑者ストラーゴからも執拗に追い掛けられるのだが、ひょうひょうとピンチを切り抜けていく様子がまた面白い。
ただ、それはジョックの献身的な仕事ぶりがあってこその話なのだが、彼がそれをどれだけ理解しているかは不明だ。
(^。^)
これは、なかなかに楽しいコメディー作品だった。

ショコラ

2010年08月28日 | ムービー
『ショコラ(原題Chocolat)』(2000年/ラッセ・ハルストレム監督/アメリカ)を見た。
物語は、「1959年、フランス。北風と共に小さな田舎町にやって来たヴィアンヌ(ジュリエット・ビノシュ)とアヌーク(ヴィクトワール・ティヴィソル)の親子。厳格に宗教の教義を守ろうとする村長レノ伯爵(アルフレッド・モリーナ)の妨害を受けながらも、チョコレート・ショップを営業するヴィアンヌだが・・・」という内容。
舞台はとんでもない田舎らしく、どのくらい田舎かというのは、「見てはいけないものを見てしまった時は、見て見ぬふりをすることです」というナレーションから推測できる。
大都会と超田舎は、ある意味通じる所があるのだ。
(^_^;)
仁左衛門的には、自分の意見を発言してこその人生だろうと思うのだが、「まず周囲の様子を覗き見て、次に疑問を言葉に出して賛同を得られるか確かめ、そして、誰か実際にそれをやっている身近な人の姿を確かめてから自分も後に続く」という人間を少なからず目にしているので、リアル日本の"田舎"と表現される場所もそんなものだよなぁと幾分納得してこれを見始めたのだった。
また、この映画に登場する村長は村の平穏を守るため、"大きな見せしめ"を必要とした。
大きな問題を見つけ、それを解決すれば、問題意識を共有できた村民達の気持ちはひとつになるし、解決した自分への評価も上がるというわけだ。
何とも迷惑な指導者だが、おそらくこういった人間も現実社会に多く存在することだろう。
ヒロインの相手としてジョニー・デップ(ルー役)が出演していたが、これは美味しい役どころだ。
(^_^)

シザーハンズ

2010年08月04日 | ムービー
『シザーハンズ(原題Edward Scissorhands)』(1990年/ティム・バートン監督/アメリカ)を見た。
物語は、「人造人間エドワード(ジョニー・デップ)は、彼を造り出した発明家が死んでしまったことから、両手がハサミのままという未完成な状態で過ごしていた。ある日、偶然に屋敷を訪ねた化粧品のセールスレディ、ペグ(ダイアン・ウィースト)は、一人ぼっちの彼を不憫に思い、家に招待して一緒に生活を始めるのだった。突然現れた風変わりな来客に興味を持った隣人達は・・・」という内容。
"フランケンシュタイン"を彷彿させる物語であり、基本的には人間社会に受け入れられないモンスターの話なのだが、実は、エドワードが思いを寄せるキム(ウィノナ・ライダー)が要所要所で間違った判断をしたために、その都度どんどん追い詰められていくという本当に救いの無い展開になっている。
(^_^;)
幻想的な設定の基にエドワードの純粋な心が描かれていることから、彼に関わる人間達のドロドロした思いが強烈、かつ、妙に現実的に感じられるのだった。

チャーリーとチョコレート工場

2009年09月13日 | ムービー
『チャーリーとチョコレート工場(原題Charlie and the Chocolate Factory)』(2005年/ティム・バートン監督/アメリカ)を見た。
物語は、「世界中で販売されているウィリー・ウォンカ(ジョニー・デップ)のチョコレートは大人気。ある時、たった5枚のチョコレートにだけ入れられたゴールデンチケットを手にしたチャーリー・バケット(フレディー・ハイモア)、オーガスタス・グループ、バイオレット・ボーレガード、ベルーカ・ソルト、マイク・ティービーは、世界最大規模のチョコレート工場を見学するためにそれぞれの保護者と共にやって来たのだが・・・」という内容。
何が凄いって、主人公チャーリーが住んでいる家が凄い。
傾き加減もひどいが、穴とは言い難い大穴はまるでガラスが入っている洒落た天窓に見間違ったほどだ。
(^。^)
それほどまでに貧乏なバケット家ゆえ、チャーリーはこのゴールデンチケットを高値で買い取ってくれる人に譲ろうと考える。
しかし、祖父は、「お金は毎日印刷されて世界中に出回っているが、ゴールデンチケットは世界に5枚しかない。それをあっさり金に換えるのはトンマだ」と、せっかく手にできた物を自ら手放そうとするチャーリーに助言する。
いつもは皮肉なことばかりだが、なかなか気の効いたことを言う、イイ爺さんだったというわけだ。
(^_^)
序盤、「人間以外はほとんどがCGだな」と思いながら見ていたら、なんとウンパ・ルンパは全員が同じ顔。
人間にもCGが使われていたわけだ・・・。
(^_^;)

ネバーランド

2008年09月09日 | ムービー
『ネバーランド(原題Finding Neverland)』(2004年/マーク・フォスター監督/アメリカ・イギリス)を見た。
物語は、「1903年のイギリス。劇作家のジェームズ・バリ(ジョニー・デップ)は、執筆中の公園でデイヴィズ一家と出会う。夫に先立たれたシルヴィア・デイヴィズ(ケイト・ウィンスレット)と4人の子供達はジェームズとまるで家族のように過ごすが、父親の死にショックを受けていた三男のピーター(フレディ・ハイモア)だけは、遊びの輪に積極的に加わらなかった。そんな彼を幼い頃の自分と重ねて見てしまうジェームズは、かねてからイメージしていたもののシルヴィア以外には(妻にも)話したことが無かった"ネバーランド"を舞台とする新作【ピーターパン】を完成させる」という内容。
1903年といえば日本でいうと明治36年。
「夏目漱石がイギリスに留学したのが(前年の)1902(明治35)年」と、(これを書こうとした時に)ラジオ番組で優香が話していたのだが、元号に置き替えたり、同時代の日本の偉人を引き合いに出されると、「あぁそんなに昔の話なのか」と気がつく。
そう考えると、元号もナカナカ便利だ。
(^_^)
興行主を演じていたのがダスティン・ホフマンだということにはすぐに気付いたが、「ほくろが無いしマドンナじゃないよな・・・」と思いながら見ていたシルヴィア役の女優を、『タイタニック(原題Titanic)』(1997年/ジェームズ・キャメロン監督/アメリカ)でローズ・カルバートを演じた女優だと気がつくまでにはしばらく時間がかかったのだった。
彼女はジュリー・クリスティ(デュ・モーリエ夫人役)のような上手な演技は出来なかったが、家族で『ピーターパン』を見るシーンでは涙を誘った。
名作『ピーターパン』の影にこんな切ない話があったとは・・・。
これは、なかなかに良い作品だった。