二草庵摘録

本のレビューと散歩写真を中心に掲載しています。二草庵とは、わが茅屋のこと。最近は詩(ポエム)もアップしています。

「永遠への触手」としての音楽

2012年10月19日 | 音楽(クラシック関連)
ブルックナーは、複雑怪奇な人物である。「ああ、あの人はこういう人です」とはいえない。奇人変人としての資格を十分有している一方、途轍もなくスケールの大きな天才が、そこに同居している。つぎの一冊は、わたしのブルックナー理解に、決定的な影響を与えた本。■「アントン・ブルックナー 魂の山嶺」田代 櫂(春秋社)2,800円+税※この本の下に置いたのは、このごろどこへいくにも持ち歩いている「新編 名曲名盤300」(音楽之友社)以前県立図書館で借りてきて卒読し、ずいぶんといろいろなことを教えていただいた評伝文学の逸品である。いや“文学臭”はさほど感じられず、うまくエピソードをつないで、ある一人の人間の生涯を、過不足なく、客観的にあぶり出しているところが逸品たるゆえんといってもいいだろう。 . . . 本文を読む
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