二草庵摘録

本のレビューと散歩写真を中心に掲載しています。二草庵とは、わが茅屋のこと。最近は詩(ポエム)もアップしています。

一木一草(ポエムNO.71)

2012年06月08日 | 俳句・短歌・詩集
大渡橋が川霧にかすんでいる。 その霧の向こうへ 柴犬をつれた初老の男が消えてゆく。 スーパーのレジ袋をさげた髪の長い女も。 カラスが二羽 朔太郎の詩碑にとまって糞をする。 ぼくはシャッターを押すのをあきらめて このごろよくしびれる左足をひきずりながら 左岸へともどってくる。 リモコンはどこへいったろう。 ぼく自身を操作するための。 かつて もう思い出せないくらい昔だが ぼくはそんなリモコンをもっていたような・・・気がする。 だから ときにそれをさがしてみるのだが見つからない。 ことばの精霊たちが ぼくの体をトンネルのように通りすぎる。 . . . 本文を読む
コメント