ネコオヤジのゆらりゆらゆら生活

これから数ヶ月のテーマは「ゆらりゆらゆら生活」です。私が興味を持っているもののまわりをゆらりゆらゆらして書いてみます。

「アッコちゃんの時代」読みましたその3 バブル時代の記録としての価値 

2005-09-19 17:47:39 | 読書
「アッコちゃん」にはモデルがいるわけだが、ストーリーがどの程度事実なのかは別として、その回りはバブル時代を語る事実で固められており、あの時代の記録としての価値は大きいと思って、この面でもすごく楽しめた。数多くの有名人が実名で登場し、あるいは匿名であってもあの時代を生きた人なら容易にだれだかわかる。このフジテレビの女子アナというのは今あの人の奥さんになってる彼女のことだな、って具合だ。あの時代を彩った数々の有名店が登場するが、読んでいて3冊の本を思い出した。田中康夫の「なんとなくクリスタル」、ホイチョイの「見栄講座」、「東京いい店やれる店」(だったかな?)である。それぞれ具体的にバブリーな店が一杯出てきて、今読むとまさにあの時代の証言者として貴重な本である。ホイチョイのこの2冊なんか、このバブル回顧ブームに乗って、復刻したら売れるんじゃないですか?新潮社は大変IQの高い出版社であらせられるのでこんなミーハーな企画には乗ってくれないかも知れないが、ぜひこの小説に出てくる店やブランドの現在と未来を特集してもらえませんでしょうか?もう跡形もないもの、まだ健在なもの、コンセプトや形を変えて残っているもの、多分いろいろだろうが、すごく興味をそそられる。考えてみると、バブルの時代というのは、国民全員が思いっきり見栄を張った時代かも知れないね。個人的には自分も大変な見栄っ張りだが、全く形のない空虚な見栄は空しいが、見栄を張って、それに実体を近づけようとがんばる、というメカニズムも自分の中にはあるので、一概に見栄は悪だ、とは思わない。金に不自由しない男がいい女を横におこうなんて、こんなわかりやすい見栄はないもんなあ。結論、自己顕示欲をうまく自己実現に結びつけるようがんばりましょう。形のない自己顕示欲は詐欺師の世界だと思う。

「アッコちゃんの時代」読みましたその2 男の性(さが)

2005-09-16 15:31:45 | 読書
この小説を読んで思う、男の性(さが)。男全員とは言わないが、生きるためには充分すぎるだけの金を持った男はいい女に向かう。古今東西に当てはまる真理らしい。英雄色を好むともいう。中国の皇帝が国家事業として中国全土からいい女を集めたといった例から、この小説にでてくる地上げ屋氏まで、根っこは全く一緒だ。古今東西あらゆる時代の「勝ち組」男が、それぞれが可能な規模で好みの様態で、その勲章を求めるかのようにいい女に向かう。そしてそういう勝ち組に寄り添う、選びぬかれた女たちの存在。勝ち組になれるのもごく少数なら、その勝ち組に選ばれる女たちもごく少数。それぞれの時代のほんの一握りの男と女が作り出す、一般人には縁のない世界だ。アッコちゃんも、あのバブルの時代に、どの程度本人の意思だったかは別にして、その類まれなる魅力をもった選ばれた存在としてそういう男の性が作り出す世界の渦の中を駆け抜けて行ったんだね。あの小説に中に出てくるバブルの時代の人々は「兵どもが夢のあと」って感じで甘美な幻のようだが、考えてみると、男の性は今も何も変わらず、勝ち組男は今日も同じようなことを彼らの身の丈と好みに合ったやり方でしているのだろうし、その回りで現代のアッコちゃんたちが何人も妍を競っているのだろう。男って、懲りないもんなんだなー、という感慨。幸か不幸か私はそういう勝ち組じゃないので、自分では体験できないが、宝くじでも当たったら私もそっちに走るだろうか?「贅沢は素敵だ」っていう言葉がもつ背徳的な響きには少し共感するが。

「アッコちゃんの時代」読みましたその1  ユーミン

2005-09-14 14:39:22 | 読書
林真理子女史の「アッコちゃんの時代」読み終わったので、何回かに分けて書きます。今日はその1、中で登場するユーミンのこと。確かにユーミン、出てきました。一瞬ですが「せりふ」も一応あります、読んでない人に悪いので余り具体的には書きませんが。この小説の読み方は人によっていろいろだと思います、バブルを実体験した人とそうでない人とでまず大きく分かれるだろうし。私の場合は、ここに描かれているバブルの時代を通じて、小説のできとしてどうかとかいうより、あの頃の自分と再会し対話していたという感じで、とても楽しかったです。私も所有しているユーミンのDelight Slight Light KISSが出てきて、このCDには個人的な思い出もいろいろあるもんだから、そうかこれってあのバルブの頃の作品だったのか・・・と感無量でした。ただ、このCDの中では当時も「リフレインが呼んでいる」と「Home Townへようこそ」しか余り好きにならなかったので、最近買ったMP3の中にもこの2曲だけ入れてました。前にも書いたように、ドラマ化の話が真理子女史のところには来ているようで、まだ近すぎると断っているとのことでしたが、今結構バブル期が脚光を浴びる傾向を見せているので、女史のスタンスも変わるかも知れませんね。そうすると当然ユーミン役が登場しますよね。この間も配役を勝手に予想しましたが、もしユーミン本人に出演の話を持っていったら快諾したりして。アライヤのスーツ着て登場すんの。それくらいはやってほしいよね。アルバムのプロモーションも兼ねて話題づくりにはいいかも。これも前にも書いたけど、バブルがはじけて、地上げ屋もにわか成金もバブルを享受した人全員退場って感じがあるのに、ユーミンはそれにもメゲずというかそんなこと関係なしに、現在も第一線で活躍し続けているが、これはやっぱりすごいことだなと思う。そういえばちょっと前にTBSの再放送で賀来千賀子が冬彦さんこと佐野史郎や野際陽子と競演するドラマで、例の冬彦さんで当てて二匹のドジョウを狙ったのをやっていて(タイトルは「誰も知らない」だったかな?)そのテーマ曲がユーミンでしたね。仕事がすごく忙しかったのか、なぜかこのドラマを見るのは初めてだったが。これもバブルの頃だったかなあ。ついでに言うと、一世を風靡したこの3人トリオの「ずっとあなたが好きだった」は今でも好きなドラマの一つで、テーマ曲のサザンの「涙のキッス」を聞くたびドラマのシーンがいろいろよみがえってくる。佐野史郎と野際陽子のその後の人生をいい方に大きく変えたドラマだったと思う。賀来千賀子はそこそこブレーク、大きくブレークするかと一瞬見えた布施博は続かなかったね。では、「アッコちゃんの時代」の話をもう少し続けます。