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「武器製造業者」「イシャーの武器店」

2006年01月04日 07時41分45秒 | 読書とか

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 不死者ロバート・ヘドロックはイシャー初代皇帝でもあり、武器店創設者でもある。

 ここ7000年後の地球においては独裁者が支配し、それに対抗する勢力として武器店があった。その両方を創ったヘドロックは、その勢力の均衡をとるために暗躍しているのだった。
 彼はその類まれな知能と、長く生きた経験と、蓄えた装備と設備資本を使って、迫り来る危機を次々と回避していく。

「武器製造業者」

ヴァン・ヴォークト

創元推理文庫

1967年発行 1947年

THE WEAPON MAKERS

 不死人ロバート・ヘドロックは、武器店を憎む女帝イネルダ32歳独身に、スパイ容疑をかけられ死刑を宣告される。
 武器店によりそこから救出されたと思ったところ、武器店からも不審人物として命を狙われる。
 ヘドロックは新発明の恒星間宇宙船を見つけるが、イネルダの兵に囲まれ脱出艇で宇宙へ逃亡。なんと、その脱出艇も恒星間飛行ができ、気が付いた星域で異星人に捕まる。
 異星人の目的は人間心理の調査。用済み後はヘドロックを殺すはずであったが、そこは主人公だから乗り切って、この異星人が最後のハッピーエンドを演出する。
 取り敢えず地球へ戻ったヘドロック。(いまさらだけど、ヘッドロックじゃないよ)
 イネルダと結婚し子供を作り、奢った武器庫の幹部を騙して押さえつける。
 両方に正体のばれたヘドロック、暫く姿を隠すこととなる。


「イシャーの武器店」

ヴァン・ヴォークト

創元推理文庫

1966年発行 1951年

THE WEAPON SHOPS OF ISHER

 「武器製造業者」の数年前の設定である。

 不死者ロバート・ヘドロックの作った世界イシャー帝国。
 軍・官僚のみならず、社会全体が堕落、腐敗していた。
 イシャー第180代女帝イネルダ25歳処女ヒステリーは、それを全て武器店の所為だと思い込んでいる。

 主人公はひねくれ者の田舎の若造ケイル・クラーク。
 武器庫の若いかわいこちゃんルーシー・ラルに恋心を抱き、都会へ付いて来ちゃったは良いが、旅の途中から田舎者丸出しのトラブル続きで騙され続ける。
 実はこのケイル、天才策略家の素養があり、ルーシーは武器店の部長であるヘドロックから連れ出すように指示されていたのだ。さすが田舎者、簡単に引っかかったのである。
 なんだかんだで騙されて火星のタコ部屋まで連れてこられたケイルだが、そこはそれ、主人公だし元々才能があったわけで、女帝を担ぎ出し時間旅行実験を利用して、過去の自分を助け更に財産まで稼いだのだった。

 おまけで、気の毒なケイルの田舎の両親は、毛嫌いしていた武器店によって救われたのだった。

 もう一つおまけ、女帝イネルダの新型エネルギー兵器による武器店への攻撃により、20世紀に武器店が移送され新聞記者マカリスターが紛れ込む。
 マカリスターは時間エネルギーをその身体に溜め込み続けながら、時間振り子として過去と未来をさまよう。
 やがて、膨大な時間エネルギーを溜め込み、はるかなる過去で彼は始まりとなる。

 両作品は登場人物は重複し、同じ世界の設定であるが、まるっきり別の作品と考えた方が良い。

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