本棚の整理をしていて見つけた文具系文庫本の第三弾、中公文庫編集部編『文房具の研究(2)』、1996年11月に発行された中公文庫ビジュアル版シリーズ中の1冊です。「夢を創る小道具たち」というようなこちょびたい(*1)副題がついており、先の「万年筆と鉛筆」編(*2)に続き、それ以外の文房具を扱っています。
構成は次のとおり。目次はページの順序ではなく、どういう意図なのかよくわかりません。たぶん、こういう柱だてなのだろうと推測して;
編集された時代が1996年ということで、パソコン関係ではすでに Windows95 が爆発的に普及していた頃です。前著『文房具の研究~万年筆と鉛筆』ではほとんど登場しなかったパソコン等の機器が、本書では東理夫さんの書斎に PC9821 とキャノンのインクジェット・プリンター、イメージスキャナなどが写真になっています。でも、本文中には全く言及なし。このあたりが、つまりパソコンが文房具の範疇に入ってきていないあたりが、時代の制約なのでしょう。
いや、違うな。いろいろな雑誌等に掲載されていた文章を集めて編集・発行されたのが1996年というだけで、ほとんどの文章は1995年以前なのでしょう。実際、初出・発表が1980年代というものが多いようです。
今ならば、パソコンを中核として、それを助ける様々な文房具の世界をどのように展開するかが眼目のような気がしますが、相変わらず「手書きか印刷か」みたいな視点が主流だったのでしょうか。
(*1):訳注「こそばゆい」の山形弁(^o^)/
(*2):中公文庫編集部編『文房具の研究~万年筆と鉛筆』を読む~「電網郊外散歩道」2014年8月
構成は次のとおり。目次はページの順序ではなく、どういう意図なのかよくわかりません。たぶん、こういう柱だてなのだろうと推測して;
1 小さな脇役が夢を支える
■作家の机上風景~坂口安吾、林芙美子、宇野千代、串田孫一、太田治子
■すぐれものの構造を探る~机上空間を工房に変える道具~ハサミ、ハサミの魔術師によって紙は鼓動をし始める~ペーパーアーティスト
■W3のケシゴムとユニホルダー
■アメリカ文具で育った僕にとって、三穴バインダーは分類の王様だ~東理夫さん
■光を抱いて輝くガラスペン~人の手で作られた道具には人の手の温もりがある~佐瀬勇さん
■すぐれものの構造を探る2~ペンケースの中の偉大なる凡庸~ボールペン
■銀座の一角で文化の一端を担いつづけた伊東屋の92年
■ちょっとペンケースを拝見
2 選りすぐりカタログ
切る・削る、束ねる、貼る、アイデア満載おもしろグッズ
■付帯コラム
オルファ・カッター物語、マックス・ホッチキス物語、3M・ポストイット物語
編集された時代が1996年ということで、パソコン関係ではすでに Windows95 が爆発的に普及していた頃です。前著『文房具の研究~万年筆と鉛筆』ではほとんど登場しなかったパソコン等の機器が、本書では東理夫さんの書斎に PC9821 とキャノンのインクジェット・プリンター、イメージスキャナなどが写真になっています。でも、本文中には全く言及なし。このあたりが、つまりパソコンが文房具の範疇に入ってきていないあたりが、時代の制約なのでしょう。
いや、違うな。いろいろな雑誌等に掲載されていた文章を集めて編集・発行されたのが1996年というだけで、ほとんどの文章は1995年以前なのでしょう。実際、初出・発表が1980年代というものが多いようです。
今ならば、パソコンを中核として、それを助ける様々な文房具の世界をどのように展開するかが眼目のような気がしますが、相変わらず「手書きか印刷か」みたいな視点が主流だったのでしょうか。
(*1):訳注「こそばゆい」の山形弁(^o^)/
(*2):中公文庫編集部編『文房具の研究~万年筆と鉛筆』を読む~「電網郊外散歩道」2014年8月
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます