電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

ブルックナー「交響曲第7番」を聞く

2006年06月12日 21時20分27秒 | -オーケストラ
最近、ブルックナーを聞いております。正直に言って、若い頃にはブルックナーにあまり魅力を感じませんでした。理由は単純で、当時のラジオ(NHK-FM)の音ではブルックナーの音楽の魅力を感じとるまでにはいかなかったことと、高価な二枚組のレギュラー盤LPなど買えなかったということでしょうか。
CDの時代になり、たまたまブロムシュテット指揮ドレスデン・シュターツカペレの演奏が発売されました。LPが2枚組5000円なのにCDが1枚で3800円だというので、LPをひっくり返す手間もいらず、それでは聞いてみようかと思った、という情けない理由が、実は真相です。当時、LD/CDコンパチブル・プレーヤー1号機を購入し、ビデオディスクや音楽CDを楽しめるようになっていましたので、そんなことを考えたのだと思います。
そしてそれが大当たり!LPをひっくり返す手間もいらず、迫力ある金管楽器群、なめらかな弦楽器の音色、そして全休止は全くの静寂。この演奏・録音にすっかりほれ込んでしまいました。私のブルックナー開眼でした。

今になって調べてみると、38C37-7286というこの初出CDは、1980年6月30日~7月3日、東ドイツ、ドレスデン、ルカ教会でデジタル録音されたものです。当時のデンオンがドイツ・シャルプラッテンと共同制作し、B&K社製のマイクロフォンを利用しています。

第1楽章、アレグロ・モデラート(21'03")。第2楽章、アダージョ、非常に荘厳に、かつ非常にゆっくりと(24'30")。第3楽章、スケルツォ、非常に速く、トリオ、やや遅く(9'36")。第4楽章、フィナーレ、快速に、しかし速すぎずに(12'23")。
total=67'47"

その後、ジョージ・セルのブルックナー演奏はどんなふうだろうとかいう具合に、色々なCDを購入しては聞いて楽しんでいますが、衝撃的なセルの8番の録音とともに、やっぱりこのCDが私のブルックナーの原点のようです。

写真は、初夏のカエデの紅葉です。若葉と対比する赤い色がとっても鮮やかです。
コメント (4)    この記事についてブログを書く
« 宮城谷昌光『奇貨居くべし』... | トップ | チャイコフスキー「弦楽セレ... »

4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
私もこれです (よし)
2006-06-13 16:29:19
7番は最初にLPでワルターのを聴きましたが当時はマーラーに夢中でほとんど聴かず、CDになってからこの演奏を手に入れました。まことに美さの限りと言えるものですがそのため却って聴くのがためらわれるようになりました。最上のものは最高のコンディションで聴きたいものです。4番、8番などはいろいろな演奏で聴くのですが7番はブロムシュテット命ですね。
返信する
よしさん、 (narkejp)
2006-06-13 20:28:07
コメントをありがとうございます。1981年頃にこの録音(LP)が出たときは、反響も大きかったようですね。コロムビアのOB-7375~6という型番の二枚組で、ブロムシュテットという名前もこのとき強く印象を持ちました。実際に聞いたのは少し後でしたけれど。

返信する
情けない理由で買ったCD (mozart1889)
2006-06-14 05:10:41
おはようございます。

「LPが2枚組5000円なのにCDが1枚で3800円だというので、LPをひっくり返す手間もいらず、それでは聞いてみようかと思った、という情けない理由」・・・これ、全くの同感でして、ボクは同じDENONの「わが祖国」を買いました。スメターチェク指揮の3800円盤です。あの頃はわが祖国もLP2枚組でした。



ところで、ブロムシュテットの7番はホンマに素晴らしい演奏ですね。録音も最高、オケも最高、そしてブロムシュテットの指揮がまた自然であざとくなく、煽りもせずに息が深く最高でした。
返信する
mozart1889さん、 (narkejp)
2006-06-14 19:31:55
同じような情けない理由で購入した仲間がいて、嬉しい限りです(^_^;)/

ブロムシュテットの演奏は、N響アワーでもしばしば聞きますし、以後ずいぶんと親しんできた指揮者の一人になりました。

返信する

コメントを投稿

-オーケストラ」カテゴリの最新記事