電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

コダーイの「ハーリ・ヤーノシュ」組曲等を聞く

2005年12月04日 20時34分52秒 | -オーケストラ
今日は、日中は晴天に恵まれて小春日和の一日となった。リンゴの収穫をしようかと考えているところに娘夫婦が訪ねてきて、老父の見舞いに病院に行くが、子どもを連れて行ったものかどうかと相談された。孫はまだ六ヶ月。自前の免疫を持たず、母乳を通じた免疫もそろそろ切れかかる頃だろう。院内感染を防ぐためにおいていきなさい、とアドバイスした。で、その間に孫の子守りと昼寝。
ハンガリーの作曲家、ゾルターン・コダーイの「ハーリ・ヤーノシュ」組曲等を聞く。演奏は、ジョージ・セル指揮クリーヴランド管弦楽団。1969年1月、クリーヴランド、セヴェランス・ホールでのアナログ録音である。
「ハーリ・ヤーノシュ」は、同名の代表的なオペラの音楽の中から組曲としたものだそうで、1927年12月15日に、メンゲルベルクの指揮するニューヨーク・フィルの定期演奏会で初演されたという。曲は、次のような構成になっている。
第1曲、序曲「お伽話が始まる」 (3'38")
第2曲、ウィーンの音楽時計 (2'14")
第3曲、歌 (5'23")
第4曲、合戦とナポレオンの敗北 (4'02")
第5曲、間奏曲 (4'45")
第6曲、皇帝と廷臣の入場 (3'04")
作曲年代からは想像できないほど、親しみやすい表情を持った音楽だ。特に、第2曲でのど自慢の鐘(チューブラー・ベルか?)とともに軽快な音楽が奏されるところや、第3曲で独奏ヴィオラと民族楽器のツィンバロンの音色、第5曲の生き生きとしたリズミカルな音楽など、魅力的なところが次々に出てくる。なお、この演奏でのツィンバロン(*)奏者はトニー・コヴェス・シュタイナーという人。音色からはハープのような楽器かと想像したが、バチで奏するチェンバロのようなものなのですね。

なお、長く楽しんできたLPは、CBS-SONY の 13AC-803 で、プロコフィエフの交響組曲「キージェ中尉」が併録されており、これもたいへんに魅力的な演奏。CDはソニークラシカルの SRCR-2557 で、通勤カーステレオ用に購入したが、「キージェ中尉」のほかにボロディンの歌劇「イーゴリ公」から「ダッタン人の踊り」とリムスキー・コルサコフの「スペイン奇想曲」、リャードフの「魔法にかけられた湖」が併録されていた。全般に録音も充分に鮮明で楽しめ、おすすめの一枚である。

(*): ツィンバロンという楽器はこんな姿
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4 コメント

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コダーイ (shinsaqu)
2005-12-04 21:49:33
コダーイの音楽は愉快で魅力的ですよね。私が持っているCDには他にコダーイの舞曲が入っていますが、どれも素敵な曲です。ハンガリー人=フン族はアジアの血脈だから、馴染みの良い旋律なんでしょうね。
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ハンガリー人はアジア系 (narkejp)
2005-12-04 22:26:39
コメントをありがとうございます。

ツィンバロンという楽器、音色といいバチでたたくところといい、思わず「女子十二楽坊」に出てくる中国奥地の楽器を連想してしまいました。もしかすると、シルクロードでつながっていたのかな?

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コダーイ・ゾルターン (リベルテ)
2005-12-05 14:54:54
コダーイの音楽は学生時代合唱を経験した人は必ずと言って良い程、お世話になりますね。ハンガリーではアジア風に氏名の純に記入しますよね。バルトークもバルトーク・ベラと母国では記入されていますね。フンガトロンのCDでは現地式の記述されています。それだけでも親近感を感じています。ハンガリーはまた名指揮者の宝庫ですね。セル、オーマンディ、ショルティ、フリッチャイなど、しかも皆オーケストラを統率する技量では定評のある人ばかりですね。ハーリ・ヤーノシュは流石お国柄あげた全員が素晴らしい録音を残しています。個人的にはセルの他フリッチャイが晩年に残した演奏が好きです。

セルもこの録音をした後、大阪の万博で来日して間もなくしてなくなったのですね。来日時のモーツァルトの40番をテレビで観て感動した記憶があります。



お父様が快方に向かわれて良かったですね。私の所は母が事故に遭って長期入院中です。

身内に病人を抱えるのは本当に大変ですね。

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氏名の順 (narkejp)
2005-12-05 20:17:52
>ハンガリーではアジア風に氏名の純に記入しますよね。

>バルトークもバルトーク・ベラと母国では記入されていますね。

ああ、そうでした。このへんもアジア的なのかな。



昔プログラミングをしていた頃、変数名の字数節約で、母音を省略して子音だけにすることがありましたが、これを「ハンガリー表記法」などと称していました。これも、初期のハンガリー系有名プログラマの流儀が一般化したもののようでした。ハンガリーの影響も、色々なところにあるようですね。



>身内に病人を抱えるのは本当に大変ですね。

ほんとにそのとおりです。一日も早い回復をお祈りいたします。

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