電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

ヴェルディ歌劇「ルイザ・ミラー」第1幕を聞く

2005年10月23日 12時41分52秒 | -オペラ・声楽
ここ1週間、通勤の音楽として聞いていたヴェルディの歌劇「ルイザ・ミラー」、二枚組のうち1枚目はようやく聞きなじんできた。(ハンドルを握りながら、鼻歌が出るレベルをこう言う)。連日往復の車中でループで再生していれば、自然と耳に残ります。ましてや、ヴェルディ中期の音楽ですもの。

17世紀のチロル地方の普通の市民の物語、原作はシラーの「たくらみと恋」。序曲は不安をかきたてるように始まり、緊迫感のある音楽となって高揚する。
第1幕「愛」、ミラー家の屋外で、ルイザの誕生日を祝う村人たちの合唱がのどかに響き、ルイザは恋人カルロとの出会いを「あの人を見たとたん」と歌う。カルロが登場し、愛の二重唱。皆で教会へ行く途中、悪役ヴルムはルイザの父ミラーにルイザとの結婚の約束を迫るが、父は娘の自由と答える。ヴルムはカルロが領主ヴァルター伯爵の息子ロドルフォであることを暴露する。
ヴァルター伯爵は、息子ロドルフォにフェデリカとの結婚を命じるが、ロドルフォはフェデリカに他に愛する女性がいることを告げる。
狩人たちの合唱に続いて、父ミラーは娘にカルロの正体と彼が結婚することを告げるが、ロドルフォはルイザに変わらぬ心を打ち明ける。ヴァルター伯爵はミラー父娘を兵士に連行させる。怒る父と嘆く娘の真情。息子ロドルフォに、過去の悪行を暴くと脅され、父ヴァルターはやむなくルイザだけを釈放する、という筋立てだ。

音楽としては、娘ルイザ・ミラーの可憐さが印象に残る。激しく叫ぶような役柄ではないため、なおいっそう来るべき悲劇が予感される。

ヴェルディの伝記的な事項については、Wikipedia(*1) でヴェルディを引けば簡潔な記述がある。また、作品年表がWEB上に公開(*2)されており、参考になる。

パヴァロッティ(ロドルフォ)、ルイザ(モンセラート・カバリエ)、アンナ・レイノルズ(フェデリカ)、シェリル・ミルンズ(ミラー)、ヴァン・アレン(ヴルム)などの配役で、ペーター・マーク指揮フィルハーモニア管弦楽団の演奏。

このCD(Decca 473 365-2)、録音年月日などのデータは記載されておらず、デッカのCDにしては不備だな、と思う。また、Enhanced CD ということで、Windows95OSR2 以降のパソコンで台本を表示しながら再生できるとされている。推奨環境としては Pentium(R)Processor, 100MHz, 64MB, CD-ROM 24x, High Color 16bit display, mouse とのこと。音楽CDとしてみるとたかだか数年前のことなのに、コンピュータ環境として見るとき、思わず時代を感じてしまうが、はたしてオペラCDに Enhanced CD というアイデアは成功したといえるのだろうか。

(*1): Wikipediaに記載されたヴェルディのページ
(*2): ジュゼッペ・ヴェルディ作品年表
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4 コメント

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ルイザ・ミラー ()
2005-10-24 21:00:40
narkeipさん、はじめまして。

TBした「モーツアルトと独り旅」にコメントいただき、有難うございます。

銀山温泉は聞いたことがある程度で、行ったことはありませんが、なかなか立派なホームページを見せていただき、訪ねてみたくなります。

「ルイザ・ミラー」、なんとなく見覚えあると思ってヴェルディ序曲集(アバード/ロンドン響)を見たら入っていました。LPですが、音もよくてすごく痛快・快演の感じがします。
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「ルイザ・ミラー」序曲 (narkejp)
2005-10-24 21:38:36
丘 さん、こんにちは。

アバドとロンドン響のロッシーニ序曲集だと手元にありますが、ヴェルディ序曲集はありませんでした。「ルイザ・ミラー」序曲は、不安な心理をかきたてるようなところがあり、ドラマをよく表していますね。

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オペラの覚え方 (神木)
2005-10-24 22:04:51
narkejpさん

TBありがとうございました。

私も知らないオペラを覚えるときは、何か違うことをしているときに、意識せずにCDを流しておきます。このやり方で「なじんだ」ころに、改めて聴き直すと、そのオペラの良さがよくわかりますよね。
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オペラの覚え方 (narkejp)
2005-10-25 19:25:01
神木 さん、こんにちは。コメントとトラックバックをありがとうございます。

知らないオペラを覚えるには、最初はビデオなど映像つきで触れるのがわかりやすいのだと思いますが、あまりポピュラーでない演目の場合、なかなか入手が難しいことが多く、やはりCDに頼らざるをえませんね。どうぞ、またおいでください。

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