波風立男氏の生活と意見

老人暮らしのトキドキ絵日記

工藤直子詩『冬の祭り』

2018年12月19日 | 日記・エッセイ・コラム

一夜にして塗り変わった雪景色にわけもなく興奮した子ども時代の朝。ずうっと「冬が一番好き」だった。それが、鉛色の空や兎跳ぶ白波に目が行き、重苦しく悲しく感じ始めた30代半ば。メランコリックな気分は、地球の自転と公転のせい、太陽の光がだんだん弱くなる生物的な影響だと知った。いくら自然支配が進んでも、人はこういうことから逃れられないんだね。心の強さ弱さでなく、敏と鈍の違い。波風氏は暮らしに影響を及ぼさなかったが、周りでは少なくない人達が苦しんでいた。素敵な人たちが。

       

画像『冬の祭り』は、詩集『あ・い・た・く・て』(工藤直子・詩、佐野洋子・絵:大日本図書)から。すっかり葉の落ちた木々をこんなふうに感じられるなら、気分の落ち込みも救われる。ナナカマドの赤い実を見たくて、少し離れた坂道まで滑って転ばないように冬道散歩用の靴も買い、摺り足で散歩するけれど、「枝先に春夏秋があつまって出番をまって遊んでいる」とは思わなかったなあ。

                       

『あいたくて』をこのブログ(「工藤直子詩『あいたくて』)に書いて2年経った。ほぼ毎日、それが読まれている不思議。昨日も10人(驚)。忙しい暮らしの中でも、「そうだ、そうなんだよ」と立ち止まらせる何かがあるのだろう。
枯れているように見える枝先に「遊んでいる」を見る詩人から、ずうっと忘れていなかった健気な自分を発見させてもらい安堵するのかもしれない。やわらかな光の射す春まで待たなくとも、冬の枝先の「はればれとした笑い」を感じたい。


『海街diary』のことを書いたら昨日、DVD『海街diary』と『さいはてにて』を珈琲教室をしてくれた教え子が送ってくれた。ありがとう。何だかとても会いたくなった 『19年度版波風カレンダー』を作れないと告知したら「残念だ」と言われた。波風氏も残念だ

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