波風立男氏の生活と意見

老人暮らしのトキドキ絵日記

WILD FOX №3/おねだり

2020年09月29日 | 【協力】Wild foxギャラリ

生後約2ヶ月にして、自ら勝ちとった安住の地。

すっかり家族の一員になりました。(このシリーズ終)

コメント

言葉のケイコ【その五拾参】

2020年09月29日 | 【保管】言葉のケイコ

女心に恋愛小説

普段ミステリーばかり読むケイコが、半年に一度くらいのペースで急に恋愛小説を読んで思い切り泣きたくなるときがある。まさに今がそう。図書館で借りてきた7冊のうち6冊が恋愛系の小説。わざわざネットで調べてから借りた。とはいえ、「いやぁこういうのじゃないんだよなぁ」と思う本の方が多かったりする。いざ読むとすぐに飽きることもあるし、ケイコの女心も秋の空と同様に変わりやすい。その中でこれはと思ったのが、有川浩さんの『植物図鑑』。映画化もされたしタイトルはずっと知っていたけれど読むのは初めて。家の前で行き倒れの青年を拾うという、現実ではまずあり得ない設定で始まるため、なかなか読む気になれなかった。なのに今回読んでみて、気持ちよく泣かされた。そのタイトルの通り、主人公の二人の関係を深めるのは植物。その植物というのも、私たちが普段雑草として認識している、身近なものだ。例えばつくしやタンポポ、そういった植物を二人は一緒に摘んできて、料理をして食べる。丹念な下処理が必要で、だからこそ命をいただくという意味も身体で感じることができる。二人の恋を追いながら、大切なものをたくさん知ることができる。そんな一冊。

それにして、イケメンは得だ。行き倒れていて素性がわからなくても拾ってもらえる。若い頃のケイコも、空からイケメン降ってこないかなぁだなんて夢見たこともあった。でももうオバサンになったから簡単には拾わないぞ!……たぶんね。


【波風氏談】2日前の読書交流会(=「ほんのおつきあい」)で、参加者2名が『不倫』扱った小説紹介。その後、「運命の人が現れたら不倫はありえるか」を意見交流(笑)、読書世界と現実世界の間で自由に話ができるのでとても楽しかった。

コメント

第21回『ほんのおつきあい』全記録

2020年09月25日 | 読書

先月末の読書会記録。ちょっと前のことだと思っていたら明後日が今月の読書会。

KK(女) 『私の消滅』(中村文則著:文藝春秋)、殺人の根底に愛のある呪術的なトリック。私とは何かという哲学的な要素、読み慣れていないと難しい★3。『放課後に死者は戻る』(秋吉理香子著:双葉社)、高校生の生き辛さが丁寧に描かれ、ファンタジックさがある。伏線の散らばり方やトリックで最後になって「なるほど」となる★4。『サイレンス』(秋吉理香子著:文藝春秋)、新潟からフェリーで2時間の島(人口300人以下)に帰省する主人公、婚約者の失踪が起きて、この小さな世界でどう生きていくか。自分が離島の閉塞的な生活体験をもあり読ませる★4。

ママヨ  『殺人出産』(村田沙耶香著:講談社)、作者の描く世界を読めば読むほど知りたくなくなった(笑)、今の時代の特徴の一つだが、人と人との関係が肯定されず負の部分を見つめさせる★3。友だちが貸してくれた『孤舟』(渡辺淳一著:集英社)、主人公は仕事一筋でやってきて何もすることが無い60歳定年男性、奥さんが家を出ると理解に向かうので無く若い子との交際に向かう・・・・男の人の悩み方が勉強になった(笑)★3。『版画のはらのうた1』(工藤直子・保手浜孝作:童話屋)、自然や動物に名前を付けた詩集、この詩人は前から好きだが版画も良い。2と3も読む予定★5。

 

MS(女) 『ポジティブの教科書』(武田双雲著:主婦の友社)、自分はネガティブだけど、コロナ禍で大学生活送る息子はもっとネガティブ。著者の言う、短所を逆に捉えて長所と思えば勝ちに共感★5。

SN(女) 『凶悪 -ある死刑囚の告発-』(「新潮45」編集部著)、死刑者の告発「他にも殺している、警察は知らない、首謀者はシャバにいる」という告白を取材した雑誌記者、この一冊の本が警察を動かした星★5。『殺人者はそこにいる -逃げ切れない狂気、非情の13事件-』(「新潮45」編集部著)、タクシー運転手が女性客を襲う連続殺人など、隣人が殺人鬼なって起きた事件を取材したノンフィクション集★4.5。写真集『BON JOVI』、歌が大好きだから札幌ドームのS席予約し一人で聞きに行った14年前、今まで行ったコンサートで最高、貧困層へ直接出向いて炊き出しするなどボランティアも凄い★5。

 

波風 『ほんとうのリーダーのみつけかた』(梨木香歩著:岩波書店)★5、『ミナを来て旅に出よう』(皆川明著:文春文庫)★5。 ※本ブログで触れているので紹介略。

 


【こんな意見交流しました】

■ミステリー小説、読む?読まない?
■「村田沙耶香」を「どう読むか?
■あなたはネガティブ?ポジティブ?
■誰の紹介本を読んでみたい?(1人2冊として)
・私の消滅 2人
・殺人者はそこにいる 1人
・ほんとうのリーダーのみつけかた 2人
・のはらうた 1人
・ミナを着て旅に出よう 1人
・サイレンス 1人
・凶悪 1人


今月の読書交流会『ほんのおつきあい』を、9月27日(日)14:00~波風食堂か波風宅で開催します。交流は3冊まで、参加費200円(100円は珈琲代+100円は子ども食堂支援)。準備の都合もあり参加希望の方は前日までにご連絡ください(→ namikazetateo@gmail.com) 。

コメント

「新しい人間らしさ」との出会い

2020年09月23日 | 日記・エッセイ・コラム

不幸な人間に対して注意深くあり、・・・・どこかお苦しいのですか?と問いかける力を持つかどうかに、人間らしい資質がかかっていると、大江健三郎が評論的エッセイを集めた「定義集」で書いていた。息子の光さんが歩道で転んだ時の女子高生の態度に惹かれたと。この本を前から探していて今日偶然に見つけパラパラと再読。傍線引いたここが最初に目に飛び込んできた。全く忘れていた。

 

文はこんな風に続く。不幸な人間への好奇心だけ盛んな社会で、あの少女の注意深くかつ節度ある振る舞いに、生活になじんだ新しい人間らしさを見いだす気がします。好奇心は誰にでもありますが、注意深い目がそれを純化するのです、と。祈りとはその人のことだけに注意を集中すること(神とは無縁)、勉強するのは祈るための集中に役立つ、小説『燃え上がる緑の樹』にあった言葉を思い出す。

 

熱心とはいえないが大江健三郎を読み続けるのは、生き方の根本なのに言葉にしずらい疑問を言葉にしてくれるからだ。連休の車が行き交う幹線道路、その歩道の端で腰曲げた老人が若い人に背中をさすってもらっている情景を鮮明にイメージできる。今度は忘れちゃあ駄目だよって。

コメント

言葉のケイコ【その五拾弐】

2020年09月22日 | 【保管】言葉のケイコ

 

大学生ケイコ

波風大学に参加させていただいた。『隠すマスコミ 煽るマスコミ』というタイトルの、メディアリテラシー講座。改めて、テレビを含めたメディアの危険性を考える良い機会となった。私自身は、テレビは全てエンターテインメントの世界だと思っていたこともあり、そこまで信じていないつもりだった。けれど、参加してみると自分のあまりの凡人さと俗物さが浮き彫りになったように思う。信じない、気にしない、ということを言い訳にして深く考えることをしない。新しい総理大臣がどのような政策を掲げているかより、今日買おうと思っているキャベツの値段の方が気になる。お気に入りのアイドルのCMのチョコを買ってしまう。ダイエットの文字が出るとつい観てしまう。立派にテレビに踊らされている。正しい情報が欲しいと言いながらも、その情報を得るだけの努力をしない。いい大人なのに、本当に恥ずかしい。それでも何かを劇的に変えるだけの気持ちにもなれずにいる。波風大学に参加してからずっと私は靄の中にいるような感覚だ。久しぶりに私は自分に向き合っている。かなり真剣に。

 

これこそが、大学生になった意義なのかもしれない。普段考えないことを考え、様々な人の意見をきく。考え方を知る。疑問をもつ。凡人で俗物の私が参加することで、もしかしたら参加者の思考の幅を広げることに役立つのかも。そうプラスに考えると、次の開催がとても待ち遠しい。


【波風氏談】波風氏も先日開催(試行)の「波風大学」は立ち止まって考える機会だった。なんだよ『情報』、だけど『情報』をあらためて実感。普段考えることも無い事柄で、「素朴な質問」をその筋の専門家に安心してできるユルく学べるのが波風大学。正式には「波風食堂立ユルユル大学」(略称:ナミユル大)なんていうのがいいかもなあ(笑)いつ開校かもはっきりしないし  裏ブログを「おにぎり『飲み込んで』で死亡」で更新しました。

コメント