普通のおっさんの溜め息

戦前派から若い世代の人たちへの申し送りです。政治、社会、教育など批判だけでなく、「前向きの提案」も聞いて下さい。

小麦値上げをビジネス・チャンスに

2007-12-20 12:29:07 | 地方分権と再生

[小麦価格の高騰]
  19日の読売新聞は4月から小麦30%程度値上げ、国際価格高騰で 
で概要次のように報じている。
 農林水産省は19日、政府が製粉会社に売り渡す輸入小麦の価格を来年4月から、大幅に引き上げる見通しを明らかにした。
 小麦の国際価格が高値で推移しているためで、値上げ幅は少なくとも30%程度になるとみられる。パンやめん類などの小売価格のさらなる値上げにつながる可能性がある。来年4月からの売り渡し価格は、今年6月~来年1月の取引価格の動向を反映して決められる。
 農水省によると、6~10月に政府が購入した輸入小麦の価格に、農家への補助金分などを上乗せすると、10月からの売り渡し価格を30%近く上回っている。小麦価格は11月以降さらに上昇しており、値上げ幅が拡大する公算が大きい。
 小麦の売り渡し価格は今年10月に10%値上げされたばかりで、これに伴い、山崎製パンが12月1日出荷分から食パンや洋菓子などの希望小売価格を平均8%値上げしたほか、日清食品が「カップヌードル」など即席めんを来年1月から7~11%値上げすると発表している。
 日本は小麦需要量の約9割を輸入小麦に依存している。輸入小麦は商社を通じて政府が全量を買い取り、国内農家への補助金の財源分などを上乗せして、製粉会社に売り渡す仕組みになっている。

 この小麦価格の上昇については「アイビータイムズ」は干ばつで世界的に小麦価格が上昇で次のように説明している。
 世界の大部分の主要小麦生産国における異常気象の影響で小麦の世界的供給量に不足が生じ、ヨーロッパやインドからの高まる需要に対して供給し切れない状態になっている。さらに、現在エタノール燃料生産業者からのトウモロコシの需要が増加しているため、家畜用の飼料としてトウモロコシの代替に小麦が使用される傾向にあり、ますます小麦の需要は増えている模様。
 このような高まる穀物需要を背景に、市場では穀物に対する投資が急増しており、穀物の値段を上昇させている。

[小麦価格の高騰をビジネス・チャンスに]
 これから読み取れることは、
小麦の価格は今年の10月から1.1×1.3 = 1.43、詰まり約40%近くも上がった
・地球温暖化の傾向が止まらない限り異常気象は続く
 この干ばつなどの異常気象は主な輸入相手国である、アメリカ合衆国 (55.9%)、オーストラリア (22.2%)、カナダ (21.2%)のような大陸性気候の場所で起こりやすい
小麦の需要は高まる一方だ。
  上記のレポートにはないが、Wikipediaによれば、最大の生産国であり輸入国の中国もそのの民度の向上と共にその需要がますことも容易に想像される。
・エタノール用のトウモロコシの需要拡大→飼料不足→小麦を飼料に使用
・世界的な金余り→石油と同様に値上がり確実な小麦投資→金余り減少は余程の情勢の変化の無い限り半永久的に続く。
のために
・それと日本の食生活の変化で小麦の需要の定着

 以上並べて見るとただでさえ石油値上げに伴う物価の上昇に悩む日本に取って暗いニュースと言わざるを得ない。

然しこれを生産者から見ると、好条件ばかりだ。
・日本の小麦の価格は一気に50%近くまで上がった
・そしてこの需要増大に対しての供給減少→価格高騰の流れは変わらない
 ・四面海に囲まれた日本は異常気象の影響は少ない
 表面上からだけて見るとこんな旨い話はない。

 一方農村では休耕田などの耕作放棄地の増大、人手不足と米に偏った補助金制度による一毛作で多く田んぼが半年近く遊んでいる。
 然も農村の生産性の向上は、村の過疎化、地域格差の改善にも繋がる。

 然し勿論問題はある。
・小麦の値段が50%近く上がったとしても、日本の生産価格がこれで見合うものになるかどうか判らない。(正確に言えば私は知らない。)
・それと今までの米問題の時は、(多分)日本の生産量より、輸出国の生産量は少ないか、また少なくとも大きな差はなかった。
 こと小麦に関しては、輸出国の生産量はケタ違いに日本より大きい。
 など現在中国の潜在的な膨大な競争力に悩まされている日本の工業界以上の難しい立場に農村は立たされるだろう。

 然し情勢は大きく変わり、しかもその持続する可能性が限りなく高い今、そのままで放って良いのだろうか。
 農水省、農業専門家、農村の人達が今の事態を農村改革のチャンスと見て、少なくとも前向きの対策を考えるべきだと思う。

 恥をかくのを承知で言えば、小麦生産に工業生産のノウハウを持つ会社の導入とか、日本人向けで且つ生産性の高い新種の開発などやることは多いと思うのだが。

参照:
 カテゴリー → 地方分権と再生


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