普通のおっさんの溜め息

戦前派から若い世代の人たちへの申し送りです。政治、社会、教育など批判だけでなく、「前向きの提案」も聞いて下さい。

少子化対策とコミュニティー

2007-12-19 07:26:28 | 少子高齢化

 昨日政府の少子化対策についての下記のような報道があった。
政府の少子化対策、医療・保育の充実提言
(読売新聞)
少子化対策検討会議 財源案には踏み込まず 
(産経新聞)
  その概要を纏めると、
・政府は18日午前、少子化対策に関する「『子どもと家族を応援する日本』重点戦略検討会議」を首相官邸で開き、最終報告書をまとめた。
・仕事と子育ての両立に向け、〈1〉金銭を支払わずに医療や保育サービスを受けられる方式を普及させる〈2〉新たな財政投入を効果的に行う――ことなどを提言した。
・政府は国と地方の少子化対策を連携させるため、近く、各自治体に、福祉、教育部局などにまたがる「少子化対策推進本部」設置を要請する。
・最終報告書では、就労か出産・子育ての「二者択一構造」を解消するため、幅広い子育て支援策が重要だと位置づけた。
・具体的には、子どもの一時預かり制度をすべての子育て家庭が利用できるようにしたり、妊婦検診への支援を充実させたりすることなどを列挙した。
・重点戦略は、子育ての余裕を生む「仕事と生活の調和」(ワーク・ライフ・バランス)の実現と、新たな社会情勢に対応する子育て支援策の再構築を「車の両輪」に掲げ必要施策を分析した。
・ワーク・ライフ・バランスは、女性の出産後の継続就業率、男性の育児休業取得率など5年、10年後の数値目標を設定。国民挙げての働き方改革で、仕事と子育ての二者択一となっている現状の打破を目指す。
・支援策の再構築では、児童手当や保育サービスなど各種施策の考え方がバラバラとして、給付と負担を含めた一体的見直しの必要性を指摘。現金給付より社会的基盤整備を重視した。

 これに付いて産経新聞は、新たな少子化 社会全体で意識改革をで、
・重点戦略の大きな柱である働き方改革「仕事と生活の調和」(ワーク・ライフ・バランス)では、労使が利害を超えて、就業率や有給休暇取得率など14項目の5年、10年後の具体的数値目標設定にこぎつけた。ただ、目標達成には強制力はなく、どこまで実現できるか不透明だ。
・ワーク・ライフ・バランスは、結婚、子育てなど人生のさまざまな段階に対応した柔軟な働き方の普及を目指す理念だが、過労死が生まれるほど長時間労働が常態化した社会風土を変えることは容易ではない。
・一方、支援策拡充に必要な支出の試算を提示したにもかかわらず、裏付けとなる財源に言及できなかったことも中途半端な印象となった。
・政府は1月に、社会保障に関する国民会議を設置し、消費税率の引き上げなど負担と給付の在り方の検討に入るが、重点戦略を踏まえた少子化対策の財源についても結論を出せるか問われる。
・17日には、経済界や労働界の代表者も参加して、「ワーク・ライフ・バランス憲章」もまとめられた。だが、働き方改革の成否のカギを握っているのは、国民1人ひとりだ
・重点戦略が締めくくりで指摘するように、自然に子育ての喜びや大切さを感じることができるようになるよう、社会全体の意識改革に取り組む必要がある。
と指摘している。

[少子化の問題点]
 少子化の問題は『子どもと家族を応援する日本』重点戦略検討会議でも討議はされたと思うが、
・女性の意識の変化→子育てより自分生活中心
専業主婦の役割軽視の風潮→雇用均等法などの働く女性の地位向上の動き→専業主婦の声が行政に反映されない
女性の義務の軽視(女性差別?)→女性の地位向上の運動で女性の義務のことは完全に無視
教育費に金がかかる→公立小中学校ではでは十分な教育が受けられない→ゆとり教育や日教組問題
・子育て時代の若い夫婦の孤立化→コミュニティーの意識の変化
・小児科、産婦人科医の減少→医療事故へのクレーム→女性の体位の低下→行き過ぎたダイエト
など数えきれないような複雑で処理の難しい多くの問題がある。

 戦前派が考える一番難しい問題は、戦争中のように政府が「産めよ殖やせよ」のキャンペーンをやるのはもっての外で、環境を整えてあとは若い夫婦の意識の変化を待つことしか出来ないことだ。

 少子化についてご興味のお有りの方は、私のブログの「少子高齢化」のカテゴリーをご覧になって頂くとして、今日は少子化問題を関連する昨日のテレビの報道を紹介に留めて置く。

NHKの福祉ネットワーク「子を育てる 親を育てる」
 川崎市に里親歴32年、預かった子どもの数およそ100人、さらに、実の親のケアや近所のママたちの育児の支えあいの場としても自宅を開放しているユニークな里親夫婦がいる。西川公明・三枝子夫妻。「拡大家族」ともいえるにぎやかなこの家で、預かった子どもやその実親、近所の親たちがともに「育っていく」。西川家に集う人々の姿から「子育てがしにくい」といわれる現代に求められているものは何か、そのヒントを探っていく。(以上番組の紹介文)
 その中では、
・西川さんが預かった子とその親との間が疎遠にならないような配慮
・居心地の良い開放された西川さんの家に自由に集まってくる多くの子、近所の子、西川さんの預かっている子、西川さんの孫たちの奔放な遊びや入浴
・子供達とともに親達も来て子供の世話
・子供達のお下がりを持って来るなど親達同志の交流
・親達の相談に乗る西川さん
などが描かれている。
 正にこれが望ましい理想のコミュニティーだ。
 親の中には自己中心的な人も中にいて嫌な思いをしたこともあるだろうに32年間も里親を続け、これだけのコミュニティーを作るなど私などとても出来ないことで、頭が下がる思いだ。

毎日放送の「中学校の校舎を使って塾を開く」
 有名な杉並区立和田中学校の校長の藤原さんが、地域の人達、塾と協力して安い学費で塾を開く話だ。
印象に残ったのは、
・藤原さんの考え方は伸びる子でその意志のある人は更に伸ばす機会を安い学費で与える考え方、
・それを支える地域の人達が、帰校時の生徒の安全確保のために、地域の人達や消防団などに協力を依頼するなどの藤原さんをサポートする姿勢、
・本来なら敵対関係にあってもおかしくない中学校と塾の教師の交流、
など筑紫哲也さんの名を冠を頂くニュース番組で普段は敬遠しているのだが、示唆に富んだ報道だった。

参照:
 カテゴリー → 少子高齢化

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