普通のおっさんの溜め息

戦前派から若い世代の人たちへの申し送りです。政治、社会、教育など批判だけでなく、「前向きの提案」も聞いて下さい。

入国時指紋採取とマスコミ

2007-12-04 10:24:25 | 情報、マスコミ

  昨日の英字新聞輪読会で次のような「指紋採取は反外国人感情を表す見せ掛けだ」(Fingerprinting a facade for anti-foreigner feeling)と言う 資料に出会ったので概略を紹介する。

・政府は空港での日本人以外の人の指紋採取と写真撮影を開始した。政府はこれは日本におけるテロ攻撃を阻止するためだと言っている。
・このシステムは米国のやり方を真似しさらにそれを押し進めたものだ。単なる旅行者だけでなく、日本の外国人居住者は外交官などの少数の例外の人達と、朝鮮、中国の特別永住者を除いては、この制度に従わなくてはならない。

・多くの人達はこのシステムを、それでテロを防ぐことにならず外国人の監視を強めるために使おうとしていると非難している。
 
指紋採取でテロを完全に防ぐことは出来なくても防止の一つの手段だ。
 日本人のだれもが善良な外国人の監視を強めるなど思ってもいない。
 然し指紋採取が不良外国人の犯罪の防止に役立つことは明らかだ。

・日本の政府は外国人居住者が少ないことを希望してきた歴史があり、彼らは外国人の管理をもっと強化する必要があると思っていると、国際人権団体の川上さんが言っている。
 私は日本が社会格差の出来る弊害を防ぐために優秀な人だけ入国させてきた政策は少なくとも人口減少が始まる今日までは、間違っていなかったと思っている。

・皮肉にも大きなテロ攻撃は今までオウム真理教と日本赤軍と言う日本人の団体が起こした。
 
それが外国人の指紋採取の反対とどのような関係があるのか。

政府は米国主導のイラク戦を支持しているために日本がテロのターゲットになった
 
これは指摘の通りだ。私の持論だが、日本が戦争好きな米国とどのような関係を保つべきかは今後の日本の課題だ。

・これらのシステムはテロリストの偽造パスポートの使用を防ぐ為のものだとしている。少なくともこれは鳩山法務大臣が、最近言ったことだ。彼は外国人が如何にたやすく日本に入国する事が出来たかについて突拍子もない逸話さえ持ち出した。「私の友達の友達がアル・カイダだ。彼は変装と偽造パスポートを使って何度も日本に入国してきた。

・鳩山さん後日(発言を)撤回した。然し彼は日本が外国人の余りにも開放され過ぎていると信じている高級官僚の一人にすぎない。彼は多くの外国人労働者のため犯罪の増加に繋がったと言っている。然し統計は外国人による犯罪は減少していることを示している。
 彼は自分の話を撤回していない。その内容についと言葉足らずの所があったと認めただけだ。むしろ彼の情報提供を無視した関係官庁を批判している。
 統計はまた日本における犯罪の増加の一因として外国人犯罪の増加が寄与していることを示しているのも事実だ。
                                   

・日本はかって指紋採取制度を持っていたが、朝鮮、中国の居住者の反対で中止になった。
・然しこの法律は昨年ごく少数の反対者がいたが通過した。

・日本はより多くの外国人を必要としている。高齢化に伴いより多くの人達が退職し、働く人がが少なくなるだろう。政府は世界の金融センターの位置を保持しようとしている。日本は外国人を歓迎しているシンガポールなどの国などの挑戦に逢っているのだ。                
                                                (ロス・アンゼルス・タイムズの(記事)編集)
 この記事はシンガポールが社会主義政党の一党独裁の国家であり、ごみの投げ捨てにも罰金を課するような、国民の生活まで入り込んだ所まで管理する強力な警察組織を持っているとには言及していない。

[マスコミの報道姿勢]
偏ったアル・カイダ発言の報道
 この記事の中で私が一番驚きかつ恥ずかしく思ったのが、鳩山さんの「アル・カイダ」発言がどのような経緯で出てきたのか知らなかったことだ。
 何故ならマスコミが彼の失言?を大々的に取り上げたが、私は彼の言うことは少し突飛ではあるが最もなところもあり、大騒ぎするほどの問題でないと思って、殆ど関心がなかったからだ。
 私はこの報道をテレビで嫌と言うほど見させられ、ブログ上では政府の御用新聞と言われている読売新聞でも見たかが、彼の発言の経緯を取り上げていた記憶にない。
 その発言の経緯を米国のロス・アンゼルス・タイムズの記事で始めて知るとは、日本人として恥ずかしい限りだ。
 この記事を読んだ輪読会の会員のなかからも、日本のマスコミがこの件についてどんな報道をしていたかと言う怒りも呆れたともつかぬ発言が噴出した。

 確かに、その報道からは外国人記者クラブの講演(これは報道された)、記者から指紋採取の質問があった、それに対して鳩山さんが「今までのシステムでは偽造パスポートでの入国が多かった、その実例として、友達の友達がアル・カイダの例を挙げた」と言う筋が通った話になる。
 私の見聞きする範囲でその経緯について報道されなかった唯一考えられる理由は、こう言う一連の報道をすれば、「アル・カイダ発言」のインパクトが殆ど無くなること、そしてそれは政府関係者批判を生き甲斐にしているマスコミにとって都合の悪かったことだ、と言うことしか考えられない。

朝日系新聞の報道姿勢
 ロス・アンゼルス・タイムズの記事を編集、転載した内容は、私が途中で挟んだ意見のように、日本を批判したいばかりの意図が見え見えの内容の殆ど無いものだと思う。
 そのような記事を何故制度がスタートして1年もたった今頃、アル・カイダ発言の報道が飽きられた今頃「Student Times」に乗せたかは、その発行元が「Japan Times」で、朝日新聞の系列会社であることから、何となく判るような気がするとコメントするだけだ。

[私の指紋押捺に付いての意見]
 私がもとブラジルに約7カ月滞在したときは、指紋を取られた上で、登録証明のようなものを渡されたが、何とも思わなかった。
 国にはそれぞれの事情があり、その国に入った以上は「郷にはいれば郷に従う」のが当然と思っているからだ。
 もし日本でも国内事情が変わって国民全体に指紋押捺を義務づけられても、国が独裁政治体制で無い限り構わないと思う。
 何故なら指紋を取られて都合の悪いのは、犯罪者だけと思うからだ。
 人権論者はそう言う私を人権意識がないと言うのだろうが---。


参照:
 カテゴリー → ジャーナリズム


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