南大沢昆虫便り

八王子市南大沢より、昆虫に関する情報をお届けします。
昆虫の専門家ではないので、間違い等ありましたらご指摘ください。

コムラサキ越冬幼虫 2024

2024-01-29 11:44:56 | チョウ

毎年冬になるとヤナギの木でコムラサキの越冬幼虫を探してしまう。

この冬も、何カ所かヤナギの幹で探したが、見つからない。

いたよという情報をもらい、その木で探すと、10mmくらいと比較的大きいのが幹の隙間にいた。




画面中央ですが、横からの光で見にくい。

太陽光を遮ってフラッシュで撮影してみた。




更に拡大して撮影してみる。




ヤナギの葉が出て来る3月下旬までは、このまま越冬体制だ。

以前の活動開始の記事 → クリック





アサギマダラ 卵 幼虫 寄生

2023-10-26 21:19:44 | チョウ

一気に秋らしくなって、朝晩の寒暖差が大きい季節となってきた。

少し前ですが、10月11日にアサギマダラの卵をキジョランの葉の裏で見つけた。





大きさは1.5-2.0mmほどである。

2個並んでいるのもあった。



もう一つあった。

撮影している時には気が付かなかったのだが、帰宅後PCで拡大すると、何やら小さな寄生蜂のようなのが卵の上にいた。




これは、ちょっと嫌な予感である。

この卵がいつ産み付けられたのかわからないが、しばらく様子を見てみよう。


次の日12日から3日間は変化なし。

その後ちょっと見に行ってなくて、22日に行くと2齢と思われる幼虫がいて、葉の裏を円形にかじっているところだった。




他のを見て行くと、やや黒くなった卵があった。




これが寄生蜂がいた卵かどうかはわからないが、若干まずいことになったのかもしれない。

さらに次の日に見に行くと、円形にかじった中を食べた形跡はあるが、幼虫がいない。




良く見ると、糸でぶら下がった黒いものがある。

拡大すると幼虫のかたちをしている。




やはり寄生されたからなのだろうか?

でも、幼虫になって、脱皮もして2齢になったのに???

他の卵はどうなったかと見ると、すべて黒くなってきている。



左側は頭の部分だけ黒いので大丈夫かとも思ったが、26日にはこんな色になってしまった。




全体が黒くなっているが、ここから何が出て来るのか、しばらく様子を見ることにしようと思う。



クロコノマチョウ 幼虫 2023

2023-10-07 11:49:26 | チョウ

先日、エノコログサにいたカメムシを何種か載せたが、今度もエノコログサでは初めて見る虫です。

クロコノマチョウの幼虫は、ススキにいるのを何度も撮っているが、エノコログサにいるのは初めて見た。

今月の初めに、結構いろいろな草が混ざってグチャグチャした中で、見つけにくかったが終齢幼虫の大きなのが葉裏にいたので葉先を持ち上げて撮影した。




もういつサナギになってもいいくらいの大きさ。

久しぶりに顔も撮影してみた。





その後行ってみても見つからないが、どこかで蛹になっているのかもしれない。



スミナガシ 幼虫

2023-09-18 22:19:45 | チョウ

9月半ばを過ぎたのに、まだ猛暑である。

もう少し過ごしやすくなってもらいたい。

蝶のスミナガシは数年前まではこの地でも確認されているのだが、最近は出会えていない。 

以前のスミナガシの記事。→ クリック

幼虫はかなり前に日野市で撮影したが、南大沢ではお目にかかっていない。

アワブキの木にいたという情報をもらって、行ってみるとすぐに見つかった。

この木は、アオバセセリの幼虫が見つかるのでチェックしていたのだが、まさかこの時期にスミナガシの幼虫がいるとは思わなかった。






何ともユニークな形である。




無事にサナギになってくれるだろうか? と、思っていたら、翌日には全く影も形もなくなってしまった。

どうしたのか?

鳥に食べられたか、誰かが持ち帰ったのだろうか?


大きなアゲハの幼虫がオオカマキリに食べられたのを見たばかりなので、そんなこともあるかもしれない。

それにしても残念なことである。




ヒオドシチョウの肢

2023-07-05 18:26:41 | チョウ

先月のことだが、自転車で公園に行き、さあ撮影しようかと自転車を降りたら、後部に載せた黒いザックに鮮やかな色のヒオドシチョウがいた。





ヒオドシチョウは成虫で越冬するので、春にはかなり擦れたのがいるがこれはきれいだ。
羽化して間もないのかもしれない。

90mmマクロで近づいて撮影。(若干トリミングしてあります。)




やがて翅を閉じた。




この色では、地面の落ち葉にとまると全く見つけにくい。

肢を見ると片側2本しか見えず、4本脚だ。

昆虫は6本脚なのに、タテハチョウの仲間などには4本脚が多い。

前肢2本はかなり小さく、胸のあたりに隠してあり、支えたり歩いたりには使えないようだ。



ヒメキマダラセセリ? 2023

2023-05-08 13:37:44 | チョウ

前回のアオサナエを池の縁で撮っている時、目の前にセセリチョウが飛んできて、吸水を始めた。





以前、チョウをよく撮っていたのだが、最近は甲虫が多くチョウはあまり撮っていない。

さて何せセリだろう?

ぐるぐると回り始めた。





そして翅の表も見せず一瞬で飛び去ってしまった。

さすがセセリチョウは素早い。

翅表を見ていないのでわかりにくいが、たぶんヒメキマダラセセリだと思う。

今までこの「南大沢昆虫便り」では載せていなかった。

2004年に「南大沢季節便り」に載せたのだが、もう20年近く前であった。


当時から比べるとチョウの数が減った様に思うが、昆虫全般かもしれない。

以前ブットレア(フサフジウツギ)に花が咲くと、ヒョウモンチョウなどたくさんのチョウが集まったのだが、最近は全く来ない。

この辺りでは、環境の急激な悪化とは思えないが、どうしてしまったのだろう。




コミスジ幼虫

2022-11-17 18:52:29 | チョウ

調べてみると、このブログではコミスジの幼虫の記事を載せたことがなかった。

この「南大沢昆虫便り」を始める前には、昆虫も「南大沢季節便り」に載せていたのだが、2009年に記事があった。→ クリック

今回、久しぶりに幼虫の写真を撮った。

10月下旬にクズにいた幼虫。





葉の枯れた部分に紛れていますね。

左が頭です。

次の日、顔を撮ってみた。




1週間後、更に枯れた葉にまぎれていた。




別の場所のハギにいたのを教えてもらった。



午後の陽を浴びてハギの茎を歩いていた。

そしてやがて丸まって動かなくなった。



これも擬態して隠れているつもりなのか?

動いているところから見ていたのでわかるが、最初から見つけることは難しそうだ。


これから冬に向かうと、枯れた葉と共に地面に落ちて幼虫越冬するらしい。

そして春にまたあの独特の飛び方で現れるのだろう。





ミスジチョウ幼虫のその後

2022-07-23 17:18:47 | チョウ

今年の2月に初めて見たミスジチョウの幼虫の記事をこのブログに載せたが、その後も観察を続けていたので、だいぶ時間がたってしまったがまとめてみた。

アサギマダラの成長観察と共に、こちらも楽しみに時々のぞいていた。

初めて見た2月15日の幼虫がこちら。



これを教えてもらった時は、最初どういう形なのか良くわからなかった。


その後何度か見に行っていたが、4月8日にさらに奇妙な形の終齢幼虫となった。




4月21日には少し動いて葉の上の方にいた。





そして翌日4月22日には元の葉に戻った。




4月25日に、いよいよサナギになりそう。




翌日の4月26日にサナギになった。




ここまでくれば、後は羽化を待つばかり。

4月30日、すっかり初夏の装いでまわりは緑が増えて、かえって白っぽい枯葉とサナギが目立つようにも見える。



5月12日、少し色が変化してきたので、羽化も近いのか?




5月14日、昨夜の雨で水滴がついているが、若干黒い部分が増えたか?




翌日の5月15日には、さらに黒く変化し、明日にでも羽化しそう。




ところが、どうしたわけかその後何日も羽化せず、ついに6日ほどたってしまった5月20日もこの状態。




何かに寄生されてしまったのだろうか。
それにしても腹に穴が開いているということもないのだが。
たぶん、黒くなってからこれだけ経過してしまってはだめかもしれない。

この日はアサギマダラが羽化した日なので、同時に羽化したら最高だったのだが。
いずれにしろもう少し様子は見に来よう。

ところが5月22日になると何ということか!!!





サナギがなくなっていた。

羽化したのなら殻は残るはずだが、鳥にでも食べられてしまったのだろうか?

残念な結果だったが、冬から初夏まで長い間楽しませてもらった。

これを見つけてくれたKさんに、あらためて感謝です。



アカボシゴマダラ

2022-07-19 12:38:44 | チョウ

長池公園の遊歩道で、久しぶりにアカボシゴマダラが飛んでいるのを見た。

低く飛び道端に降りた。


黄色い口吻を伸ばし何かを吸っている。

表面は乾いていそうだが。




頻繁に飛んでは降りるを繰り返し、足元に来た。





飛び回るのを繰り返していたが、少し落ち着いたところで、望遠ズームで拡大して撮影。


やはり口吻を伸ばしている。



飛翔も撮ってみる。



いい感じで撮れたが、ややピンボケ。





今度はもう少し近くへ飛んで来て、ピントも少し良くなった。




アカボシゴマダラは特定外来生物に指定されていて、もともとこの近辺にはいなかった蝶である。

199年代に神奈川県で人為的に放されたようで、今では関東一円に広がってしまっている。

ただし、何年か前には家を出ると飛んでいるのがアカボシゴマダラで、近所を一周すると一番多く目にするチョウだった。

今では、その時より相当少ない。

同じように、この辺りではゴマダラチョウや、オオムラサキも滅多に目にしなくなり、冬に越冬中の幼虫を細々と見るだけになってしまった。

全体的に蝶が少なく、以前ブットレア(フサフジウツギ)の花には、いろいろな蝶が集まってきたのが、今ではいつ見ても蝶はいない状態である。

どうなってしまったのだろう。



今日の機材はOLYMPUS OM-D E-M1 MarkⅢ、M.ZUIKO DIGITAL ED40-150mm F2.8 PRO、MC-20です。
飛翔はプロキャプチャモードです。





アサギマダラの幼虫から羽化までの観察

2022-05-31 18:32:03 | チョウ

高尾あたりではキジョランが多く、そこではアサギマダラが沢山羽化する。

ここ南大沢ではキジョランをあまり見かけないのだが、一カ所だけある。

毎年アサギマダラが産卵に来る。

ここ数年小さな幼虫を複数見かけるのだが、大きくなるにつれだんだん数を減らし、サナギになる前にいなくなってしまう。

野鳥か何かに食べられてしまうのだろうか?

いつも羽化まで見ることができない。


昨年の11月下旬に、5mm程の小さな初齢幼虫がいくつも見つかった。




12月の中旬には、2齢幼虫だろうか小さな角が出てやや大きくなった。





そのまま越冬なのだろうか、あまり大きくならず、ほとんど同じ大きさのままだった。

4月1日に見ると3齢幼虫だろうか以前より大きくなっていた。




そして4月19日についに終齢幼虫となった。





そして4月26日にいよいよ前蛹となった。

もう一息で蛹になるのだが、今年はどうだろう。




そして4月28日に緑色のきれいなサナギとなる。





さあ、これから羽化まで葉の裏で無事過ごせるのだろうか?

時々見に行っていたが、約3週間後の5月19日夕方に色が変わり翅が黒く見え始めた。




これはいよいよだ。

翌朝羽化すると思い、5月20日8時に行ってみたら、すでに観察している人がいた。

サナギは真っ黒になっていた。




そのうち、さらに数名が見に来て5名でまだかまだかと待つが一向に変化なし。

羽化を楽しみに成長を見に来ていた人を、まだ数名知っているので、かなりの人が観察していたようだ。

9時になっても変化がなく、用事のある方が帰って3名で見ていると9時16分にサナギの上の方の一部に割れが出来た。





下の方が割れるとあっという間に羽化してしまうようなので、見守っているのだが、なかなか動きがなく、9時35分に頭の方が割れだした。



そして1分後にはサナギの透明の殻から半分以上出た。




するっと全身が出たら体の向きを変えて殻につかまった。




更に2分半経過すると、身体の水分を送って翅もだいぶ伸びた。




頭が出始めてから約11分。

ここまでくれば大丈夫、後は羽ばたけるまで待つしかない。

他をぐるっと回って12時過ぎに寄ってみると、同じ形でまだ飛立っていなかった。




透明のサナギの殻が見えるが、この中からこれだけの大きさになるのが出て来るのだからすごい。

その後、飛び立つまで見れなかったが、翌日は透明の殻だけ残っていたので無事飛んだのでしょう。

幼虫のうちは動き回るので、ここの写真は同一個体とは限らないが、前蛹になったあとはすべて同じ個体です。

今年は、初めて羽化まで見ることができて本当に良かったです。





ゼフィルスが出てきた (アカシジミ)

2022-05-20 16:49:35 | チョウ

この5月は、これまで雨の日が異常に多い月となっているが、下旬ともなるとゼフィルスが出て来るようになった。

南大沢は平地性のゼフィルス6種類は何とか見られるが、かなり減少傾向である。

今日、キミノガマズミにアカシジミが数頭来ていた。




以前はここにカミキリやハナムグリやハチたちが無数にいたのだが、静かなものだ。

アカシジミは、出たばかりなので翅もきれいだ。






何年前の事だろう、夕方になると、ここの上空で無数のアカシジミが乱舞していたことがあったが、あれはもう見られないのだろうか?






クロヒカゲ 幼虫

2022-04-17 17:21:17 | チョウ
どうも今年はカエデの花に来るカミキリ類が少ない。

しかし、手すりの上の虫達は急に増えてきた。

今日もいろいろといたが、大きな白っぽい幼虫がじっとしていた。




ジャノメチョウの仲間の幼虫のようだが何だろう?

顔を撮らせてもらった。




どうやらクロヒカゲのようだ。

サナギになりたくて歩き回っているのだろうが、ここでは丸見えだよ。

疲れてじっとしているのかな?

手を出さずこのままとしておいた。



最近撮影した昆虫以外のサクラ、ヤマガラ、アナグマなどは南大沢季節便りに載せましたので、是非ご覧ください。




ルリタテハ

2022-03-16 20:46:16 | チョウ

急に暖かくなって、コブシ、ハクモクレン、早咲きのサクラと一気に咲き始めた。

そしてチョウも見かけるようになってきた。

地面に降りて翅を広げようとしている、越冬から目覚めたばかりのようなルリタテハがいた。




ところがそこは遊歩道なので、散歩の家族連れや、犬を連れた人や大勢が通りかかり、数mに近づくとさすがに飛立つ。





ゆっくり翅を開いていられないないのだが、すぐに戻って来るを繰り返している。

やがて、遊歩道から少し離れた安全な場所を見つけたようだ。




しかしやはり地面がいいのか、戻ってきては飛び立つを繰り返していた。

あと一週間もすると、一気に昆虫が出てきそうだ。



これを見つけるのはすごい!!

2022-02-24 21:26:16 | チョウ

以前から見たいと思っていたが、なかなか見つけられなかったのにやっと出会えた。と言っても自力ではないのだが。

冬枯れの中、カエデも葉を落としているが、かろうじて残っているのが時々ある。
そんなのを見ると、じっと見てしまうがいない。

先日イラガの繭を教えてもらった時、Kさんにもうひとつ教えてもらった。




これと言われてもよくわからない。

少し近づいてみる。




これでもよくわからない。
実はこれが探していた幼虫です。
丸い中にいますが、これがどういう形をしているものなのか??




別の角度から見るともう少し見えてくる。




これが、頭を下にしてカエデの枯葉の裏で越冬中のミスジチョウの幼虫です。
上から見るとこんな感じです。




枯葉が落ちないように事前に糸で補強をするとのことです。



その後も自分でカエデを見て回っているのですが、全く見つけられません。
だいたい、ミスジチョウの成虫もこの近辺では見たことがなく、以前高尾や山梨に行った時に撮影しただけである。
こんなチョウです。



幼虫も見つけたいし、南大沢で成虫も撮影したいと思っているのですが、かなりハードルが高そう。

いつもお世話になっているKさんは、いろいろな擬態を見つけるのが本当にすごい。


追記) 昆虫とは直接関係はないのですが、いつも写真はAdobe Photoshop Elementsで仕上げて載せているのだが、長年うまくいかないでいたことがあった。 
それが今回の写真で使った〇での囲み加工。
ほかのアプリでやってもいいのだが、Photoshop Elementsでできなかったのがちょっとしたことで解決した。これでスッキリした。



オオムラサキ幼虫

2021-12-19 17:03:49 | チョウ

最近は、紅葉や夕焼け、それに野鳥の写真などを撮っていて、昆虫写真は少なかった。

紅葉や野鳥は「南大沢季節便り」に下のような写真を載せてありますので、よろしかったらご覧ください。→クリック





さて昆虫ですが、この時期毎年行っているのが、落ち葉の下の越冬幼虫探し。

エノキの下の落ち葉をめくると、オオムラサキ、ゴマダラチョウ、アカボシゴマダラの越冬幼虫がいる。
昨シーズンは新型コロナの関係で調査しなかったが、2年ぶりに数名の仲間で実施した。
こんな感じの雑木林の中である。





最初の場所では、2頭。
下がオオムラサキ、上がアカボシゴマダラで、色がちょっと違うのと背中の突起が違う。





次のところでは、オオムラサキの幼虫が3頭だった。






もう一カ所では見つからなかった。

今年は例年よりたいへん少なく、たったの5頭である。

だんだん少なくなってきて、何年か前にはゴマダラチョウの幼虫も含めて沢山見つかったものだが。

何が原因なのだろう?

ガビチョウが沢山いるので、越冬中に食べられてしまうのがあるかもしれない。

樹液の出る木も少なくなってきて、そもそも成虫の姿がほとんど見られない。

今後も注視して行きたい。