裏日記「B面」

工房しはんが日々、ふと感じたり、しみじみとふけったり、ぴんとひらめいたり、つくづくと考えたりしてること。

死んだらどうなるか?問題・7

2022年02月28日 08時29分24秒 | 死んだらどうなるか?問題

原子の中身はスッカスカ(甲子園球場もの中抜け空間の中央に、パチンコ玉いっこ)、と理解してもらえたでしょうか。
この「ほとんどなにもない」中空のシャボン玉のような素材が、百個集まろうが、一千億個集まろうが、そのまた一千億倍集まろうが、それによって構築されたユニットの密度が上がるわけではないこともわかります。
その上に、原子や原子核自体もエネルギーを持ち、熱によって振動をして、周囲の原子同士でぶつかり合っているわけで、それによって組み上げられた物質の密度は、ますますスカスカのすっからかん、みたいなことになっています。
ちなみに、この密度は上げることもできます。
頭上の太陽などがそうなのですが、スカスカの水素原子があまりにもおびただしく集まってできています。
その巨大質量のために、太陽は自重によって内側に潰れつつあるのです。
すると天体の中心部の高密度は極まり、水素原子核同士が押し潰し合って、核融合を起こします。
その結果、水素原子はくっつき合って、(多少複雑なプロセスを踏みますが)ヘリウム原子核になります。
その際に放出された熱が、太陽の外側にまで猛烈に染み出し、わが地球をも温めてくれているわけです。
ちなみに、もっともっと超巨大質量の天体は、半端ない自重でやがて重力崩壊を起こして超高密度に収縮し、「特異点」という一点に丸め込まれて「ブラックホール」になります。
ところで、太陽の中心部で核融合反応が起こると、ニュートリノという素粒子も盛大に放出されます。
地球上に光速で降り注ぐ、質量があるんだかないんだかわからないこのオバケ素粒子(梶田先生が質量を検出してノーベル賞をもらいました)は、人間のからだ1平方センチあたりに、毎秒数百億個も突き刺さっています。
が、ニュートリノには電荷がないので、人間の体内の原子核(+)にも電子(−)にも引っ掛からず、そのまますり抜けていきます。
中身の詰まっていない甲子園球場内(人間の体内がこの密度)に、けし粒を何個か投げ入れてみても、中央のパチンコ玉にはなかなか当たらない、という確率の問題です。
だったら、とデパートくらいの巨大な水槽をつくって水を満たし、その中にニュートリノを突っ込ませて検出してやろう、としたのが小柴先生で、彼もこのカミオカンデ計画で実際にニュートリノのシッポをつかみ、ノーベル賞をもらいました。
話はどんどんずれますが、なにが言いたいのかというと、これほどまでにわれわれ人間の肉体内には中身が詰まっていない、ということなのでした。
ではなぜ、われわれは自身にみっしりとした実体感を得られているのか?そこにものがあると触覚できるているのか?という問題になります。
これは、われわれが電磁気力のかたまりであって、それが相互作用するからに他ならないのです。
両手に一本ずつ握った磁石の同極同士を近づけると、反発し合って、その間になにか柔かい物体があるように感触した経験があるでしょう?
物質の触感とは、要するにあれなのです。
中身がスカスカのまぼろしがそこにあり、そいつが電磁気力を放っているために、同じく電磁気力を放つ指で接すると、まるでそこになにかが実在しているように感じてしまう、というのが触覚の正体です。
そういうふうに感じ取れるように、ご先祖さまが神経を配置してくれたのです。
つまりは、まぼろしを具体的な実体として解釈(誤認識と言っていい)できるように、ぼくらは進化の過程で、触覚という「電磁気力検知器」の機能をつくり上げ、洗練させたのでした。
いやいやいや・・・ちょとまちいな、あるて、ちゃんとそこにあるて、だって見えてるやん・・・と思うでしょ?
その視覚も、まぼろしを見させられているのかもしれませんよ。

つづく

東京都練馬区・陶芸教室/森魚工房 in 大泉学園

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