心療内科 新(あらた)クリニックのブログ

最新の精神医学に関するトピックスやクリニックの情報などを紹介します

ADHD適正流通管理システムの本格稼働

2020年04月29日 | 発達障害
ADHD治療薬のうち、コンサータとビバンセ(2019年12月新発売)について、厚生労働省の意向を受け、これらの薬剤が処方される患者さんに関しては、今後はADHD適正流通管理システムへの登録が義務付けられることになりました。登録はオンラインで行います。

今回、両薬剤が登録制となった背景のひとつには、2018年1月にコンサータの不正処方があったためです。


ただし、登録されるのは氏名のイニシャルと生年月日、性別だけですので、個人が特定される心配はありません。

現在、当院でもコンサータを内服中の患者さんについては、同意書を頂き、登録を進めております。登録が完了すると、患者さんごとに「患者カード」が発行され、ADHD適正流通管理システム事務局よりクリニック宛に患者カードが郵送されてきます。その後は受診の際に、必ず患者カードをご提示いただく必要があります。

ただ、一つ問題点としては、登録後、患者カードがクリニックに届くまでに3~4週間を要することです。初めてお薬が処方される患者さんに関しては、初回の処方時には例外的に患者カードなしで処方することができますが、2回目以降の処方は、患者カードがクリニックに届くのをお待ちいただくほかありません😕

上記をご理解の上、ご協力の程、よろしくお願い申し上げます。

(院長 森)

普段の運動が新型コロナウイルスの重篤な合併症のリスクを減らし得る

2020年04月19日 | ブログ
医学雑誌Redox Biologyの3月号より、「普段から運動を行っていると、新型コロナウイルスに罹患したとしても、その主な死因の急性呼吸窮迫症候群(ARDS;acute respiratory distress syndrome)になりにくくなるかもしれない」との研究結果が報告されました。

骨格筋やその他の組織/臓器で多く作られたEcSOD (細胞外スーパーオキシドジスムターゼ)が肺に移行し、ARDSを生じにくくしたり重症化しにくくすることが期待でき、そのため普段の運動でEcSODを増やしておくことは新型コロナウイルスに伴うARDSの予防になり、また、EcSODの補充はその治療法になりうると述べられています。

また、本ブログでも以前から取り上げているように、日頃の運動はうつ病の治療や予防にも効果があるため、メンタルヘルスの向上とコロナ対策の両方に、3密を避けた屋外での運動は強く推奨されます。

ぜひこれを機に、普段から適度な運動を日常生活に取り入れましょう!

(院長 森)

第5回長崎トラウマ関連症状勉強会

2020年04月11日 | 専門外来
4月11日(土)の14時~17時に、ZOOMを用いたリモート講演形式にて、第5回長崎トラウマ関連症状勉強会が開催されました。講師は第2回に続き、竹内 伸先生(崎尾英子 子ども 心のクリニック)にお願いいたしました。

竹内先生は児童精神科医で、日本EMDR学会認定EMDRコンサルタント・EMDR研究所認定ファシリテーターの資格をお持ちで、日本におけるトラウマ治療のエキスパートのお一人です。

勉強会には県内外から約40名の精神科医師および臨床心理士の先生方が参加されました。今回は講義形式で「EMDRと解離」の演題のもと、3時間のご講演を賜りました。トラウマ治療に際して「(解離に)出会わないことはまずない 」と竹内先生からご指摘があり、解離をいかにうまく扱うかがトラウマ治療の成否を握るといっても過言ではありません。

3時間の講義でしたが、あっと言う間のひと時でした。トラウマ治療にEMDRを導入するにあたって、どのように解離を治療するかなど、具体的に詳しくご教示頂き、大変実りある有意義な勉強会となりました。

今後も本勉強会を継続的に開催し、自身の研鑽とともに、長崎でのトラウマ治療を発展、普及させていきたいと思っております。

(院長 森)


新型コロナウイルス対応_こころの健康を維持するために

2020年04月11日 | ブログ
 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、福岡を含めた7都府県に対して緊急事態宣言がなされました。長崎においても感染症対応をみなさん実施されていると思います。目で見ることができず、新しい病気でまだわからないことも多いウイルスへ対応する中で不安や恐れを抱くのはとても自然なことです。
本日はこころの健康を保つための情報を紹介したいと思います。

●参考となるもの
①「感染症流行期にこころの健康を保つために」
日本赤十字社のホームページ上で公開されているもの。感染症対応を行っていく中でこころの健康を保つためのヒントとなるサポートガイドが作成されています。

②「感染症対策下における子どもの安心安全を高めるために」
一般社団法人 日本臨床心理士会災害支援プロジェクトチーム
一般社団法人 日本公認心理師協会災害支援委員会
 公益社団法人 セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン
上記3団体共同で発表されたメッセージ

みなさんの安心した生活のお手伝いにつながれば幸いです。
どうぞみなさんお大事にお過ごしください。

(副院長 野畑宏之)



臨床心理士が新たに1名、入職いたしました

2020年04月01日 | 専門外来
4月1日より臨床心理士が新たに1名、入職いたしました。PTSDなどのトラウマ関連症状のケアや児童・思春期領域をはじめ、精神障害全般に精通いたしております。

これまで多くの患者さんに当院のカウンセリングをご希望いただき、待機期間が長くなってしまっており、大変ご不便をおかけしておりましたが、今後は少しでも待機期間を短くできればと思っております。

また、今後もさらにスタッフ皆で研鑽を積み、当院における心理療法および心理検査をますます充実させていきたいと存じます。