心療内科 新(あらた)クリニックのブログ

最新の精神医学に関するトピックスやクリニックの情報などを紹介します

酒害について

2012年08月25日 | ブログ

飲酒は、「睡眠を良くする」、「気分を良くする」と考えている人が多いと思いますが、実はこれは間違いで、飲酒は睡眠障害やうつ病を悪化させる要因となります。アルコール依存症患者は自殺の危険性が60倍~120倍も高まり、自殺者の15%~56%を占めるとも報告されています。また、アルコールの問題を抱えている患者さんは、お酒の薬理作用により、衝動的に自殺を完遂してしまう割合が高いことも分かっています。

よって、気分が落ち込んでいる人を誘って飲みにいって慰めることは、逆効果になる可能性があります。また、寝酒は逆に睡眠を悪くするため(眠りが浅くなり、睡眠の質が悪くなる)、お酒に頼らず専門医に相談し、治療を受けてください。

適正な飲酒量は、一日あたり缶ビール500ml 1本または日本酒1合弱と言われています。これ以上飲むと健康や社会生活に悪影響を及ぼす可能性があります。できれば週に1~2回は休肝日ももうけ、楽しく健康にお酒を飲めるといいですね