当院の臨床心理士が9月29日に東京で行われた対人関係療法の研修会(実践応用編)に参加してきました(講師;水島 広子先生)。今後も研鑽を積み、当院における心理療法をさらに充実させていきたいと思っております。
9月12日に長崎商業高校で、“アサーション”について講演をしてきました。アサーションとは、「 自分も相手も大切にしながら、自分の意見や考え、気持ちを率直に、正直に、その場にふさわしく表現する 」という意味です。そして、アサーションが実現されていることを「アサーティブ」といいます。
自己表現には、「非主張的自己表現」、「攻撃的自己表現」、「アサーティブな自己表現」の3つのタイプがあります。非主張的自己表現では「私はOKではない、あなたはOK」、攻撃的自己表現では「私はOK,あなたはOKではない」、アサーティブな自己表現では「私もOK、あなたもOK」の状態となります。つまり、自分の意見をきちんと表現できないと不快で欲求不満な状態となり、落ち込んだり、キレたりする原因になります。逆に自己表現が攻撃的だと、思い通りになるため一時的には自己満足が得られても、周囲から敬遠され孤立ししたり、内心後味が悪く、後悔したりすることになります。そしてこの中間が、「自分のことをまず考えるが、他者への配慮も忘れない」アサーティブな自己表現です。
自分の気持ちをきちんと伝えられていない人は、アサーティブではない状態と考えられます。アサーションをトレーニングすることでアサーティブな自己表現が可能となり、よりよい人間関係の構築が可能となります。なお、うつ病の認知行動療法の中にも、アサーション・トレーニングが組み込まれています。詳しくは、書籍「改定版 アサーション・トレーニング さわやかな〈自己表現〉のために. 平木典子 著(金子書房)」をご参照ください。