徒然地獄編集日記OVER DRIVE

起こることはすべて起こる。/ただし、かならずしも発生順に起こるとは限らない。(ダグラス・アダムス『ほとんど無害』)

俺がお前でお前が俺で/天皇杯準々決勝・山形戦

2010-12-27 03:06:15 | SHIMIZU S-Pulse/清水エスパルス06~10
土曜、三週間ぶりのアウスタで天皇杯準々決勝・山形戦
静岡駅からシャトルバスに乗ったのだけれども(時間帯もあったのかもしれないけれども)見回せばほとんどがモンテサポ。強風で時化る駿河湾に目をやり、海岸を抜けた後、澄んだ空気に映える富士山が見えた瞬間に携帯で写真を撮り始める初老サポたち(若者も)。「いや、スタジアムからでも撮れますよ。てかスタジアムから撮った方が綺麗だから!」と言おうとも思ったが止めておいた。
相手がいくら呑気で穏やかな人たちとはいえ、負けるわけにはいかないゲームなのである。
いくら呑気で穏やかな人たちとはいえ、奴らは清水が負けることを願っているのである(被害妄想)。

今季リーグ戦ではホームもアウエイも3-0で勝利している山形相手。しかもアウスタ開催で清水にとっては完全にホーム状態…ではあったが、三週間のブレイクがあったということもあり、しっかり準備し、対策を講じてきた山形にも期するものがあった模様。特に前半は概ね清水ペースでゲームが進んでいたとは思うが、問題はペースを握ることではなくて間隙を突いていくことなのだから、目先の清水のポゼッションはあまり意味がない。という内容で延長、PKまでもつれ込む。
それにしても田代の先制点の後にそれほど間を置かず同点弾をエディが決めたのは大きい。
11月以降、清水を出汁に使ったマスコミの意図的な移籍報道が続いている。しかも他クラブも状況からお構いなしに揺さぶってくる(これを遺恨発生と呼ぶ)。
それを含めてフットボールであり、それを含めてゲームであるのは確かなのだけれども、あまりにも情報が多すぎると単にスタジアムへ行ってゲームを目の前にしても集中できない自分もいる。
これはもう、ゴールか、結果でしか解消できない。
だからエディのゴールは単に追い付いたということ以上の意味がある。

PKでは声を枯らせて祈るように観た。イチの順番では去年のエコパの光景が甦ったが。
トーナメントは結果がすべてである。山形は連敗中の相手に対してエディの同点ゴールまでは9分9厘プラン通りの素晴らしいゲームをしたと思うが、どんな内容でも勝たなければ意味がない。清水はどんな内容でも勝てばいいのである。
このチームはまだ続く。次は中3日、29日にエコパで準決勝・ガンバ戦。
この日の山形がそうだったように、勇気を持って今月4日に「完敗」したガンバに挑んで欲しい。

ゲーム終了後、テルとイチの「エスパルス栄誉賞」の授与セレモニーが行われた。
いまだにテルとイチのいないエスパルスはイメージできないけどね。



今朝は改めて兵働のニュースが報知に掲載された。本人は記事内容を否定したそうだが、事態はまだ流動的だろう。他のプレーヤーの動向も含めて、天皇杯の結果も動向に大きく影響する可能性は、まだ、ある。
このゲームを観て(ちょっとだけ)確信した。

しかし、早くて29日まで、遅くとも一週間後には、この愛すべきチームは解散する。
アングラ情報ともいえる不可思議な報道が繰り返されるプレーヤーも含め、公式に発表されたイチ、テル、アオ、フローデ、西部らプレーヤーはそれぞれの道を歩む。
しかし彼らのプレーヤー人生はまだまだ続くわけだが、健太を中心にして6年間で作り上げたこのチームで彼らが一緒にプレーすることは、おそらく、もう二度とない。このチームでゲームができるのは、あと、多くても2つ。
だからこそ、このチームが「自分のチーム」であることを証明して欲しい。そして、このチームが「自分のチーム」であった証しを遺して欲しい。
PKを決めた兵働が咆哮して、岩下がエンブレムを掴んでゴール裏にアピールした時は感動したんだからさ。おそらくあの時、彼らは言葉にならない何かを表現していたと思う。
そして、あの姿はオレ、オレたちなんだから。「俺がお前でお前が俺で」という…。

こういう状況になると、やはりサポも「プレーヤー」であることを改めて実感する。
こういうサポの陶酔や妄想を嫌う人もいるのはわかるが、仕方が無いじゃない。
サポは「移籍のできないプレーヤー」なんだから。
どうしたって結局サポはチームやクラブを映す鏡なんだ。
だからもうそろそろ仲良しサークルごっこなんてやってないで、もっと声出せよ、と思う。
「自分のチーム」ならば。



Ne'er looked back, never feared, never cried

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