徒然地獄編集日記OVER DRIVE

起こることはすべて起こる。/ただし、かならずしも発生順に起こるとは限らない。(ダグラス・アダムス『ほとんど無害』)

競争はまだ続く/ルヴァン・カップ グループ予選 横浜Fマリノス戦

2021-05-20 20:19:00 | SHIMIZU S-Pulse/清水エスパルス

5月の戦いぶりにもやる気持ちはわかるのだが、今シーズンは上位を狙うシーズンというよりもあくまでも残留、そして本気のチーム作りのためのシーズンであることは間違いがない。史上に残る大量失点クラブを立て直すにはそれぐらいの覚悟は当然だと思うのだ。昨夜のルヴァン・カップ横浜Fマリノス戦の戦いぶりもそれはそれでショッキングな内容だったわけだが、どう見たってメンバーはサブと復帰組のそれで、ベストで臨んだとは誰も思わないだろう。チーム作りというのは選手層を厚くすることでもあるのだから、リーグとカップのシーズンを総力戦で戦いながら所属プレーヤー全体のクオリティを高めていく。そのためにはプレーヤー間の競争が当然必要で、だからこそ何が何でもカップのグループ予選を突破してゲーム(経験)を増やす必要があった。それはリーグ戦出場の当落線上にいるプレーヤーにとっては死活問題であるはずだ。どんな形であろうとも、どんな惨めな結果であろうとも次のステージに進めたのは喜ばしいことなのだ。

いやそれにしては君らそれで本当に大丈夫かと思わざるを得ない内容ではあった。シーズン前の清水の補強にインパクトはチーム内に本気の競争を求めているところにある。その意味では昨夜のゲームは出場した何人かのメンバーには内容も結果も厳しいものになった。脱落してしまうプレーヤーもいるのではないかと思ってしまう。しかしそれは今シーズンの清水が目指していることだろう。チーム内の激しい競争を望んでいるのだから、勝ち残るしかないのだ。

とはいえ、ではリーグでの横浜FC戦、名古屋戦のメンバーは磐石かといえばそれも怪しい。ボールを支配しつつも攻めあぐねた横浜FC戦、序盤からゲームを決めに来た相手に文字通りなす術もなく敗れた名古屋戦。共通しているのはプレースピードの意識の欠如だ。プレッシャーのない局面ではいくらでもパス交換はできるだろう。ペナルティーエリアの手前あたりまでは。しかし緩んだスピードで攻め込んで、ゴール前で急にギアを上げてシュートまで決めるほどのクオリティがあるプレーヤーが何人いるだろうか。

全盛期のジェフのように考えながら全力で走り切れるチームが観られる日は来るのだろうか。今はまだ考えながら走ること自体に四苦八苦しているような印象を受ける。それを克服するのは時間が必要なのだし、やはりゲーム(経験)しかないのだ。生き残るためには勝ち残るしかないのだ。

何と言われようと今は仙台さんありがとうとしか言えない。

何も悪くない。我々はまだ何も得ていないのだから。



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