およそ4億7000万年前、現在のスウェーデン中部は古代の浅い海に覆われ、
プランクトンのような微生物が生息していました。
でも、この穏やかな環境はじきに一変することに…
今回、発表されたのは、
過去数十億年で太陽系に起きたなかでも最大級の事件、
4億7000万年前に起きた小惑星帯での天体衝突と、地球への小惑星衝突についてです。
衝突の破片は地球にもやって来ていた
衝突が起きたのは火星と木星の間の小惑星帯。
直径200キロもの小惑星が粉々に砕け、破片は宇宙空間に飛び散っていきました。
そして、なかには地球に向かって飛んで行った破片もあったんですねー
そして破片は、
地球や火星といった岩石惑星がある太陽に近いエリア“内部太陽系”に入ると、
一部が再び集まって固まり、“ラブルパイル小惑星”と呼ばれる小惑星になったそうです。
“ラブルパイル”とは、「破片の塊」を意味する天体の一種で、
この岩石の集まりは、他とは違う特徴があました。
それは、自身の周りを周回する小さな天体を従えていたこと。
ペアになった2つの天体は1200万年の旅の末、
古代スウェーデンの海に落下し、鮮明な2つのクレーターを残すことになります。
正確に言うと、
クレーターが2つある、っとはっきり分かったのはわずか数年前のこと。
それまで、小さいほうのクレーターは発見されていませんでした。
宇宙からのダブルショック
地球と衝突する可能性のある小惑星のうち、
実は約15%が2つ1組になっています。
にもかかわらず、ペアになったクレーターが、
地球上で確認されるのは稀なことなんですねー
年代がしっかりと特定できて、
近距離にはっきりと2つあると分かるクレーターを見つけるのが、
いかに困難なことかが分かりますね。
4億5800万年前にできた2つのクレーター“ロックネ”と“モリンゲン”は、
現在、スウェーデンの森と農場の中にあります。
大きい方のクレーター“ロックネ”は、
“ラブルパイル小惑星”が地球に衝突して形成され、直径は約7.5キロ。
そこから16キロの地点にある“モリンゲン”は、
直径が700メートルで、小さい方の小惑星の衝突で形成されています。
クレーターを作った2つの小惑星が、どのくらいの大きさだったかは、
専門家にも正確には分かっていません。
でも、大きい方は少なくとも直径600メートル、
小さい方は少なくとも直径150メートルはあったと推定されています。
そして“ラブルパイル小惑星”による大きい方のクレーターは、
高密度なひと塊の天体が衝突したときのものとは少し違っているそうです。
衝突したエリアへの影響は、ライフル銃よりも散弾銃の発射に似ていて、
広く薄く散らばりつつ、それでもなお1つのクレーターになっているんですねー
小惑星帯の衝突と地球の関連性
小惑星の衝突は、
海中にいたプランクトンのような生物たちにとっても災難なことでした。
でも、これらの生物の化石を手がかりにクレーターの年代が特定できました。
ただ、この2つのクレーターと、
4億7000万年前に小惑星帯で起こった大事件が関連していると、
どのように判断したのでしょうか?
まず、この2つ1組のクレーターを地球上に残した小惑星は、
Lコンドライトという特定の種類の岩石でできていました。
カンラン石を多く含み、鉄が比較的少ない岩石です。
地球上には年代の近いクレーターが広く分布していて、
どれも同じタイプの小惑星によって形成されています。
そして、年代が近く性質も似通ったクレーターは、
通常のペースで天体が落下したにしては数が多すぎて、説明がつかないんですねー
さらに、スウェーデン、中国、ロシアで、
化石化した隕石が100個以上見つかっています。
これら保存状態の良い細かな破片は、
同じ時期に地球に落下したもので、1つを除いてすべてLコンドライトでした。
そして、どの破片にも約4億7000万年前に衝突していた痕跡が見られ、
地球に降り注ぐ前に、共通の出来事を経験しているようでした。
こうした状態を説明するには、
宇宙での何らかの作用によって母天体が破壊され、
破片が太陽系にまき散ったと考えるしかありません。
極めて壊滅的な出来事に加え、
木星の重力との関係で、破片が地球に向かいやすい位置に、
その天体があったことも研究から分かっているんですねー
この衝突に由来する多くの物質が、非常に短時間で地球に到着できたそうです。
でも、全ての破片が内部太陽系に飛ばされたわけではなく、
この衝突で生まれた破片の一部は今も小惑星帯にとどまっていて、
ゲフィオン族と呼ばれています。
この衝突に関しては、興味深い点がたくさんあります。
なかでも、「この出来事が地球にどんな影響をもたらしたのか?」は、
興味がありますよね。
ひょっとすると、地球の生物にも関係があったのかもしれませんね。
こちらの記事もどうぞ ⇒ 地球に衝突した小惑星が、大陸移動のきっかけになった?
プランクトンのような微生物が生息していました。
でも、この穏やかな環境はじきに一変することに…
今回、発表されたのは、
過去数十億年で太陽系に起きたなかでも最大級の事件、
4億7000万年前に起きた小惑星帯での天体衝突と、地球への小惑星衝突についてです。
衝突の破片は地球にもやって来ていた
衝突が起きたのは火星と木星の間の小惑星帯。
直径200キロもの小惑星が粉々に砕け、破片は宇宙空間に飛び散っていきました。
そして、なかには地球に向かって飛んで行った破片もあったんですねー
そして破片は、
地球や火星といった岩石惑星がある太陽に近いエリア“内部太陽系”に入ると、
一部が再び集まって固まり、“ラブルパイル小惑星”と呼ばれる小惑星になったそうです。
“ラブルパイル”とは、「破片の塊」を意味する天体の一種で、
この岩石の集まりは、他とは違う特徴があました。
それは、自身の周りを周回する小さな天体を従えていたこと。
ペアになった2つの天体は1200万年の旅の末、
古代スウェーデンの海に落下し、鮮明な2つのクレーターを残すことになります。
正確に言うと、
クレーターが2つある、っとはっきり分かったのはわずか数年前のこと。
それまで、小さいほうのクレーターは発見されていませんでした。
小惑星帯で衝突後、1200万年かけて地球までたどりつき、 4億5800万年前の古代の海に衝突する2つの小惑星。 これにより、スウェーデンのロックネ付近に2つのクレーターが生まれた。 |
宇宙からのダブルショック
地球と衝突する可能性のある小惑星のうち、
実は約15%が2つ1組になっています。
にもかかわらず、ペアになったクレーターが、
地球上で確認されるのは稀なことなんですねー
年代がしっかりと特定できて、
近距離にはっきりと2つあると分かるクレーターを見つけるのが、
いかに困難なことかが分かりますね。
4億5800万年前にできた2つのクレーター“ロックネ”と“モリンゲン”は、
現在、スウェーデンの森と農場の中にあります。
大きい方のクレーター“ロックネ”は、
“ラブルパイル小惑星”が地球に衝突して形成され、直径は約7.5キロ。
そこから16キロの地点にある“モリンゲン”は、
直径が700メートルで、小さい方の小惑星の衝突で形成されています。
火星にある双子のクレーター。 2つの天体が、ほぼ同時に落下してできたと考えられる。 |
クレーターを作った2つの小惑星が、どのくらいの大きさだったかは、
専門家にも正確には分かっていません。
でも、大きい方は少なくとも直径600メートル、
小さい方は少なくとも直径150メートルはあったと推定されています。
そして“ラブルパイル小惑星”による大きい方のクレーターは、
高密度なひと塊の天体が衝突したときのものとは少し違っているそうです。
衝突したエリアへの影響は、ライフル銃よりも散弾銃の発射に似ていて、
広く薄く散らばりつつ、それでもなお1つのクレーターになっているんですねー
小惑星帯の衝突と地球の関連性
小惑星の衝突は、
海中にいたプランクトンのような生物たちにとっても災難なことでした。
でも、これらの生物の化石を手がかりにクレーターの年代が特定できました。
ただ、この2つのクレーターと、
4億7000万年前に小惑星帯で起こった大事件が関連していると、
どのように判断したのでしょうか?
まず、この2つ1組のクレーターを地球上に残した小惑星は、
Lコンドライトという特定の種類の岩石でできていました。
カンラン石を多く含み、鉄が比較的少ない岩石です。
地球上には年代の近いクレーターが広く分布していて、
どれも同じタイプの小惑星によって形成されています。
そして、年代が近く性質も似通ったクレーターは、
通常のペースで天体が落下したにしては数が多すぎて、説明がつかないんですねー
さらに、スウェーデン、中国、ロシアで、
化石化した隕石が100個以上見つかっています。
これら保存状態の良い細かな破片は、
同じ時期に地球に落下したもので、1つを除いてすべてLコンドライトでした。
そして、どの破片にも約4億7000万年前に衝突していた痕跡が見られ、
地球に降り注ぐ前に、共通の出来事を経験しているようでした。
天体同士の衝突で小惑星が生まれるようす。 |
こうした状態を説明するには、
宇宙での何らかの作用によって母天体が破壊され、
破片が太陽系にまき散ったと考えるしかありません。
極めて壊滅的な出来事に加え、
木星の重力との関係で、破片が地球に向かいやすい位置に、
その天体があったことも研究から分かっているんですねー
この衝突に由来する多くの物質が、非常に短時間で地球に到着できたそうです。
でも、全ての破片が内部太陽系に飛ばされたわけではなく、
この衝突で生まれた破片の一部は今も小惑星帯にとどまっていて、
ゲフィオン族と呼ばれています。
この衝突に関しては、興味深い点がたくさんあります。
なかでも、「この出来事が地球にどんな影響をもたらしたのか?」は、
興味がありますよね。
ひょっとすると、地球の生物にも関係があったのかもしれませんね。
こちらの記事もどうぞ ⇒ 地球に衝突した小惑星が、大陸移動のきっかけになった?
でも、いったい幾つの隕石が落ちたんだろ…