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モバライダー mobarider

超大質量ブラックホールが作ってきた3組の巨大な空洞

2015年06月26日 | 宇宙 space
銀河中心の超大質量ブラックホールが、
5000万年にわたって起こしてきた爆発的な噴出。

これによって、周囲の高温ガスに3組の巨大な空洞が作られた様子を、
NASAのX線天文衛星“チャンドラ”が明らかにしたんですねー
銀河NGC 5813。
X線(紫)と可視光線観測のデータを合成したもの。
黄色の矢印の部分が、銀河を取り巻くガスに空いた空洞。

“チャンドラ”が観測したのは、
おとめ座の方向1億500万光年の距離に位置する銀河群に、
属する銀河NGC 5813。

すると、銀河NGC 5813の中心にある、
超大質量ブラックホールが起こしてきた爆発的噴出の歴史が、
分かってきたんですねー


ブラックホールが作った空洞

銀河中心のブラックホールのすぐ近くからは、
強力な高速の双極ジェットが噴出。

この双極ジェットの衝撃波によって、
銀河内に広がる数百万度もの高温ガスが外に押し出され、
ガスに空洞のペアが作られます。

そして“チャンドラ”による最新の観測で、
この銀河に3組目となる空洞のペアが見つかることになります。

つまりブラックホールから、
これまでに3回も、爆発的な噴出が起こったことになるんですねー

さらに詳しく調べると、
ブラックホールに最も近く一番新しい1組の空洞を作るのに必要なエネルギー量は、
古い2組の空洞を作ったエネルギーよりも小さいことが分かります。

でも、3組のエネルギー生成率はほぼ同じで、
最も内側の空洞を作ったブラックホールからの噴出は、
まだ続いていることを表していました。

また、空洞の端(衝撃波面)が少しぼやけているのは、
高温ガスの乱流によるものと考えられています。

この仮定に基づくと、
ガスのランダムな運動速度は時速約25万8000キロになり、
理論モデルの予測や他の銀河群、銀河団に存在する高温ガスのX線観測に、
基づいた計算と一致したそうです。


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