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モバライダー mobarider

爆発的に星を生み出すスターバースト銀河、昔も今も変わらずに存在した! 

2016年02月13日 | 宇宙 space
爆発的な星形成活動(スターバースト)を行っているスターバースト銀河。

このスターバーストは、
銀河の進化に重要な役割を果たしていると考えられている現象です。

そして、今回のアルマ望遠鏡などによる観測では、
昔(遠方)のスターバースト銀河と、現在(近傍)のスターバースト銀河の環境が、
似ていることが分かってきたんですねー


爆発的な星形成

天の川銀河から近い…
つまり、比較的最近の宇宙に存在するスターバースト銀河では、
ガスが星へと変換される効率が高いことが知られています。

なので、通常の銀河での星形成とは違ったメカニズムが働いている可能性があります。

また従来の研究から、銀河における星形成は、
90億年前に最も盛んだったことも知られています。

でも、近傍のスターバースト銀河と同様の効率的な星形成が、
昔の宇宙でも起こっていたかどうかなど、
爆発的な星形成が引き起こされる物理的メカニズムは、
完全には明らかになっていません。
銀河同士が衝突し爆発的な星形成が起こっている銀河“Zw II 96”。


過去の宇宙でも起こっていた

今回の研究で用いられたのは、
南米チリのアタカマ高地にある“アルマ望遠鏡”と、
フランスのビュール高原にある“ビュール高原電波干渉計”。

これらを用い、星形成活動の盛んな遠くにある7つの銀河を観測。
銀河から放射される一酸化炭素分子ガスの電波をとらえています。

さらに、その一部はハワイの“すばる望遠鏡”に搭載された、
ファイバー多天体分光器“FMOS”を用いて近赤外領域で観測。

正確な赤方偏移の値や星形成率、金属量を測るのに用いられる、
水素原子や窒素原子、酸素原子それぞれから出る輝線を得ています。

  アルマ望遠鏡で得られた、銀河“PACS-867”における一酸化炭素ガスの分布図(左)。
  星形成が行われている外へも分子ガスのかたまりが分布している。
  ハッブル宇宙望遠鏡で撮影された“PACS-867”(中央)。
  銀河の合体で大きくかき乱された構造物中に存在する若い星からの紫外線を示す。
  青の高等線は左画像のガス分子の位置で、ダストに包まれ新しい星が作られている構造と重なる。
  赤外線天文衛星“スピッツァー”で得られた“PACS-867”の赤外線画像(3.6μm)(右)。
  ダストに包まれた星と分子ガスとの関連を示す。

データを解析したところ、今回観測した遠方のスターバースト銀河では、
一酸化炭素分子ガスの量は、すでに減少していたものの高い星形成率を保っていたこと。

そして、期待されるほど早いガス量の減少はないものの、
近くのスターバーストと似た状況を示していることが分かりました。

つまり昔の宇宙でも、
現在と似た環境下で爆発的な星形成が起こっていた、
可能性が示されたんですねー

今後、遠方のスターバースト銀河の観測が、
“アルマ望遠鏡”を用いた電波観測と、
“すばる望遠鏡”の“FMOS”を用いた近赤外線観測の両面から進められれば…

過去の宇宙で爆発的な星形成が起こっていた環境が、
より詳細に明らかになり、過去から現在に至るまでの銀河の進化に迫れるかもしれませんね。


こちらの記事もどうぞ ⇒ 銀河から放出される大量の星の材料


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1 コメント

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スタバ(^◇^) (にゃんちゃ)
2016-02-14 09:07:37
銀河の進化について実に興味深い
お話しを相変わらず有難うございます、
モバライダーさん!

バイク乗っていらっしゃる?
ニャンは深雪の中をガンガン
乗り回していたときがありましたが
今は体力が無いから・・・
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