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モバライダー mobarider

40億年前の小天体爆撃の痕跡

2013年05月22日 | 宇宙 space
月には約40億年前に、次々と飛来した小天体により刻まれたとされる、
クレーターや盆地が残っています。

太陽系の誕生から間もない頃、“後期重爆撃期”と呼ばれる時代があり、
集中的な衝突が続いた時期がありました。

こうした集中的な衝突は、木星や土星のような巨大ガス惑星の軌道が移動して、それらの重力の影響で軌道が変わった小天体の一群が、太陽系の内側に飛び込んできたものと考えられています。

この重爆撃期については、1960~1970年代にアポロ計画で持ち帰られた月の石が多くを語っていて、
今回NASAの月科学研究所などにより、小惑星ベスタ由来の隕石からも、同時期に高速で衝突を受けた痕跡が見つかったんですねー

衝突の跡が残る月の裏側(左)、小惑星ベスタ(右)


ベスタ由来の隕石に含まれる、アルゴン同位体の分析から、太陽系内部とともに重爆撃を受けたことが判明しています。

ベスタは、火星軌道と木星軌道にはさまれた小惑星帯の中で2番目に重い大型天体で、
直径は約530キロもあります。

初期の小惑星帯を再現したシミュレーションでも、
ベスタを襲った衝突物は、月に高速でぶつかることができる軌道を持つことが分かりました。

今回の研究の成果で、“後期重爆撃期”がいつ始まったのか? どのくらいの間続いたのか? について新しい発見があるかもしれません。

また、重爆撃は太陽系の内側だけでなく、
小惑星帯自体も襲ったイベントだったことも今回分かったんですねー


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