こんにちは。園長の田中啓昭です。
前回のvol.13では主に内装工事についてお伝えしました。
今回のvol.14では外装工事や外観についてお伝えしたいと思います。
では、早速ですが、2階屋上の遊具設置についてご紹介しましょう。
もともと2階の屋上は写真のように防水塗装もされていないただの空きスペースでした。まったく手入れもされていず、雑草が生えていたりしたので、もったいないスペースだな、と常々思っていました。
取り壊しをしようかと思ったプールを、発想の転換で遊び場へと変えたように、このスペースも子どもたちにとって有益なスペースに変えることができないだろうかと考えました。
もくれん保育園の園庭は園舎とエスポアールそして民家に囲まれていて、子どもたちが楽しく遊んでいる姿や雰囲気は近隣に住んでいても感じ取ることが難しい状況でした。
そこで、「保育園なのに、子どもたちが生き生きと活動している雰囲気を伝えられないだろうか」と考えたのが、この2階屋上の空きスペースの有効活用です。そして考え出した答えが遊具の設置なのです。
園庭が狭く、遊具を置くことができないので、まさに一石二鳥といえる解決策です。
しかし、ただ単に遊具を設置するだけではコンクリートで囲まれているこの場所は子どもたちにとても不適切な場所となり、逆に危険が多すぎます。
そこで、まずは水漏れをしないように荒れ放題の屋上床を防水加工しました。
そして、設置予定の遊具や子どもたちの人数なども勘案し、屋上の加重も計算し、配置バランスや遊具の選考をしました。
また、この屋上は一部避難経路になっているので、その部分は通路を遮断しないように経路を確保しないといけないので、そのあたりも十分に検討し、遊具の配置も検討しました。
まずは防水加工が終わった屋上にデンマーク コンパン社の遊具が運び込まれました。
この遊具の設置も子どもが安全に遊べるように、コンパン社が配置を図面化し数センチ単位にまで遊具の向きなどにもこだわり、設置されました。
そして遊具が設置されると床にはクッション材が敷き詰められました。安全対策はこれだけではありません。
コンクリートの角にはコーナーガードを張り巡らし、柵には子どもが登れないように高さを増し、柵と柵の間には子どもがすり抜けることができないように柵の数を増やす対策をとりました。
そうすることで、ようやく子どもたちが安全に遊ぶことができるスペースへと変身したのです。
子どもたちもルールを守り、楽しく遊べているようで、もくれん保育園に新たな機能が付加され、それが有効に活用されていることがうれしく思います。
子どもたちが楽しく遊んでいる様子や、個々の遊具の紹介はコチラのブログをご覧ください⇒「新たなあそび場♪」
次に、以前紹介したステンドグラスの紹介です。
もともとは写真のようなドーム型のプラスチック素材のものが取り付けられていて、それなりのデザインを醸し出してはいましたが、老朽化により変色、褪色が著しく、何かこちらにアクセントになるものを入れ込めないかと考えていました。
そこで、vol.12でご紹介したように建築士と相談し、ステンドグラスをはめ込むことに決定しました。
ステンドグラスは、滋賀県在住のステンドグラス作家さんに依頼し、デザインをしていただきました。
モチーフなどを用いずに、流線的な図案を採用し、3つのステンドグラスが各々に関連し合っているようなデザインを採用しました。
そして、真ん中にはカラフルな虹をイメージさせるデザインを用いることで、明るい雰囲気づくりに貢献しています。
また、今回は一般的にステンドグラスは透明なガラスを用いることが多いのですが、あえて不透明なガラスを採用しました。
そうすることで、一般的なステンドグラスとは少し違ったニュアンスのものが出来上がったように思います。
取り付けは作家さん自らが行われました。
ステンドグラスはガラスですので、万が一子どもや職員が誤って割ってしまうことも想定し、ガラスが飛散しないようにステンドグラスの両面をポリカボネードで挟み込み、安全対策も怠らずに行いました。
これで園児だけでなく、エスポアール等をご利用の際に園の前を通行される方にも危険が及ぶことがなくなります。
最後に外観について紹介します。
まずは正門です。
正門は電気錠がありましたが、朝夕の登降園が頻繁の際にはその都度のインターホン対応が難しいので、電気錠の電源を切るという対応をしていましたが、門が開きっぱなしの時間があるということがずっと気がかりになっていました。
そこで、これまでの警備会社との契約をバージョンアップし、イコカなどの非接触媒体のカードをリーダーにかざすことで電気錠が解錠されるような仕組みや防犯カメラなど、セキュリティ面をこの度、強化し対応することにしました。
そして、デザインとしては、外壁がシンプルなので、モザイクタイルを施しアクセントを加え、スライド式に変更した正門にはパンチングを施したロゴマークを配置し、シンプルながらも少しこだわりをもった都会的な趣の正門が完成しました。
外回りについては、無機質だったブロックだけの外壁をジョリパット化粧を施し、シンプルながらも温かみのある色調に仕上げました。
そして最後に外壁です。
これまでは写真の様に、クラックや褪色が著しく、地域の景観を損ねている状況でした。
そこにvol.10で紹介したような都会的でシンプルな配色を施し、地域になじみつつもさりげなく自己主張しているような配色を目指しました。
そして、出来上がった外観はこのような感じです。
とても前のもくれん保育園とは似ても似つかない様な佇まいで、多数の保護者や地域の方々からも「ええ色になったね」「とてもきれいになりましたね」「まるで新築ですね」などと、お褒めいただけ、嬉しく感じます。
外壁の配色に気を付けたのは、「地域社会に溶け込む」ということです。
これは人と人との関わりにも共通しているのですが、自己主張が強すぎると、人間関係もうまくいきません。
しかし、ある程度の自己主張は人が唯一無二の存在として生きていくためには必要なものです。
その相反する二つの要素がその都度の組織や団体といった属するところの関係性において絶妙なバランスを保ってこそ、良好な関係が成り立つものであると思うのです。
そういった意味では、今回の修繕工事においては「地域社会に溶け込みつつも、もくれん保育園としての存在感を醸し出す」という命題が達成できたのではないかと思います。
これでハードの面では、平均点以上のものがある程度担保されたように思います。
次は、保育園としての真価が問われるソフト、つまり中身についてこだわりを持ち、もくれん保育園のミッションを追求し、そのスタイルを確立していかなければなりません。
その道は平坦ではないかも知れませんが、これからも職員たちと共に力を合わせてまい進していきたいと思います。
最後になりましたが、昨年の8月から約8か月に渡り、大規模修繕工事を温かく見守ってくださった保護者の皆様、地域の皆様に深く感謝いたします。
これで一旦、「もくれん保育園大改造プロジェクト」は閉幕しますが、まだ少し追加の工事が残っていますし、これからももくれん保育園はソフトの面だけでなくハードの面でも進化していきますので、その進化の様子を時を見てお伝えできればと思っています。
では、また次回、更新するまで楽しみにお待ちください。