NPO法人美濃の森造隊だより

人と森林との最適な関係を探るため、岐阜県恵那市を中心に人工林の間伐をしながら森造りを行なうグループの活動報告です。

森造りと林業 (8月17日)

2019年08月24日 | 間伐
今日も林道沿いの森で間伐作業をしました。


この辺りの森のスギ木の背丈は30m近くあります。
しかし、その背丈に似合う太さに成長出来ていません
もう少し早く間伐していれば太く迫力のある材に成長していたでしょう。




林道に倒した材はいつ車が通るか判らないので、手早く片付けます。


この日は風が無く、蒸し暑さがひとしおでした。
それでも、昼食で一休みした後にも少しばかり間伐作業を続けました。

森で木を切るのは肉体的につらい作業です。
それでも我々は無償で間伐作業を続けています。
なぜなら、この作業には他で味わえない大きな魅力があるからです。
それは、運動能力や体力や耐性といった自分の体の制約を強く感じながら、樹木や虫や鳥や動物、風や光や岩や土との濃密な接触を通じて、自分自身も含めたあらゆる生命の輝きや美しさを感じる事が出来るからです。
それと同時に、自然に対する新たな発見や認識が芽生えるからです。
また、光と風が入り込むようになった人工林が何十年後かには命溢れる美しい森に変わる予感が信じられ、森という広大で圧倒的な存在感の空間を自分の手でデザインする魅力も心を引き付けます。
林業経営が厳しく人々の関心も薄いが故に、我々がこんな自由と喜びを味わう事が出来ている現在の森を取り巻く皮肉な環境には、感謝したいと思います。

しかし、こんな環境を揺るがせかねない心配な動きがあります。
それは、「林業の成長産業化」の掛け声のもとに導入された「森林環境税」と「森林経営管理制度」です。
今後これらが我々の活動にどんな影響を与えるのか注意深く見つめて行きたいと思います。

この制度変更や今の林業の現状に関する農文協の主張を、参考までにあげておきます。
「下草刈り不要の森づくり 山に木を残す持続型森林経営」

アマガエルが椿の葉の陰で強すぎる日差しから逃れていました。
うっかり踏みつぶしたりしないよう気を付けなければ。
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酷暑 (8月3日)

2019年08月13日 | 間伐
酷暑の夏がやって来ました。
昨年のように40℃越えではなくても、35℃近くになれば長梅雨で暑さに慣れていない体には応えます。
今日はそんな暑さの中で、活動の基本に戻って間伐作業を行いました。
森の入り口から上流に向かって、林道沿いの森での作業です。

間伐材を林道に倒すので、斜面を上って間伐する班と、林道を走る車の監視と倒れた材の玉切り処理班に分けました。
斜面での作業は足腰にかなりの負担がかかります。




しかし、林道上での玉切りや材の移動も大変でした。
作業を始めるとたちまち汗だくになり、気力、体力があっという間に消耗して行きます。
暑さの体への影響は思った以上に大きいようです。
1時間半程で作業を終了しました。
これ以上は続けられません。

キャンプサイトに戻って昼食です。
今日初めてクロモジ茶も作ってみました。
さわやかな香りと味でした。


昼食の後は皆でチェンソーのメンテナンスを行なったみたいです。
なぜならその間、私は一人でツリーハウスに張ったハンモックで1時間程昼寝をしていたからです。
夢うつつで話し声やチェンソーのエンジン音が聞こえていた気がします。
なんだか私一人だけが、とても疲れたようです。
体調管理のし直しです。

護岸と堰堤に囲まれた川は、いつもはおとなしく流れています。
しかし、少しの雨でも周りの雨を集めて増水し、牙をむき出しにします。
そんな川の護岸の裏側に穴が開いていました。


増水時に堰堤を流れ落ちる水が、川底を深く掘るためです。
こんな穴が護岸のあちこちに見つかります。
こうして森は時間と労力を費やし作り上げた人の営みを素知らぬ顔で流し去り、本来の姿を取り戻して行くのですね。
自分が姿を消した未来の森は、どんな姿でしょう。
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