NPO法人美濃の森造隊だより

人と森林との最適な関係を探るため、岐阜県恵那市を中心に人工林の間伐をしながら森造りを行なうグループの活動報告です。

ポータブルウインチ(PCW5000)登場 (12月24日)

2011年12月27日 | 間伐
23日の午後クリスマスプレゼントが届きました。
首を長くして待っていたポータブルウインチPCW5000です。
アメリカから輸入して運送費や消費税の詳細がまだわかりませんが、約28万円ほどかかりそうです。
苦労していた集材に活躍してくれると期待しての、美濃の森造隊では始めての高額な買い物です。
そして、早速24日の森とくらし隊との共同作業に使ってみました。
ネットで使い方を見て予想はしていましたが、セットも使い方も簡単で、牽引力も十分あり、元が25cmの6m材も上手く誘導すれば直引きで引き出せました。

ワイヤーではなくロープを使用しますので、材まで繰り返しフックを運ぶ作業が格段に楽です。
ただし、途中で岩角にロープがこすれない様な取り扱いにはちょっとした注意が必要です。

写真正面の木のできるだけ高い位置に滑車を掛け、写真右端の木の根元にウインチを固定して引っ張っています。

一番の問題は、力を掛けるとウインチが浮き上がって傾き、手で支えていないと燃料が途切れてエンジンが止まってしまうことです。
一人でエンジンを支えロープを引っ張るのはなかなか難しいので、エンジンを地面から浮き上がらないようにするか、浮き上がっても傾かないようにする工夫が必要ですね。
それと、直引きをするなら障害物の除去は前もってしておいたほうがいいようです。

それでも、全く初めて作業する作業員が4時間ほど作業してこれだけ集材出来ました。
少し工夫を加え、作業に習熟すれば、間伐材の集材を本格的に行うことが出来そうです。
これで懸案だった間伐材の利用が進みます。

我々のような小規模な間伐作業に使える機材は、残念ながら日本では見つからず今回アメリカから輸入しました。
ウィンチはホンダのエンジンに減速ギアを組み合わせただけの簡単な仕組みです。
日本の技術を使えば簡単に出来そうな品物です。
なぜこれが日本に無かったのでしょう。
日本人の想像力の劣化と思考停止状態は、予想以上に進んでいるのかもしれません。


昼休みは火を囲んでおしゃべりをし、中村さんが焼いて来てくれたクッキーをいただきました。
今回は熊と月でした。

作業を終えた3時頃には急に雪が降り出し、追い立てられるように山から下りる事になりました。
その時途中の林道のあちこちは、たちまち雪で白くなり始めていました。

そして次の日、周りの山々は雪で覆われました。


南天の実も雪化粧。


ホワイトクリスマスです。


あんなに熱かったはずの夏は、どこに消えたのでしょうか。
もうすぐ今年1年が終わろうとしているのが信じられません。
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森の再生 (12月17日)

2011年12月22日 | 間伐
本日はすっかり恒例となった「森とくらし隊」間伐講習及び共同作業です。
寒さが厳しく、現場に着くと真っ先に焚き火の準備にかかりました。
炎の温もりが無くては冬の屋外は過ごせません。
参加者に焚き火初心者がいる場合は、必ず焚き火の仕方を学んでもらいます。
焚き火も冬場の間伐技術の一つです。
基本は、乾いた出来るだけ細い枝を十分に集めるまで火を付けない事と、炎ではなく燠で暖を取る事と、小さくて安定した燃焼を維持する事の3つです。

今回は収穫祭に来てくれた安田さんが初めて間伐体験で参加しました。
森とくらし隊のメンバーは横井さんと間伐作業に入りましたので、安田さんの指導は私が受け持ちました。
簡単に人工林の間伐の意味を説明し、チェンソーの安全な取り扱いを教え、直ぐに伐倒作業を体験してもらいました。




一番難しかったのは、受け口の水平面と斜め面を直線で交わらせることのようでした。
これから経験を積んで、安全に楽しく間伐作業を続けてもらいたいものですが、どうでしょう。

林床では殆ど見かけませんが、足元の切り株でヒノキの実生を見つけました。


切り株がコケで覆われているので、湿度が適当に保たれ小さな窪みが種子を安定させているのでしょう。
朽ち果てようとしている切り株だけが厳しい環境に置かれた種子を守り育てている姿は、樹木という生物の密やかな生き延びようとする意志の現れのようです。
人間には気づかないだけであって、森が生き続けているのは密やかな意志あってのことかもしれません。

偶然にもこれを書いている今日は冬至でした。
1年で一番太陽高度が低く、影の長い日。
太陽の生命力が衰えきり、明日から再び勢いを取り戻して再生に向かう節目の日でした。

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焚き火を囲んで収穫祭 (12月3日)

2011年12月08日 | 自然農
ジャガイモとサトイモがイノシシに食い荒らされた今年の畑作は、その後作物の世話をする意欲を少々失ったこともあり、ほとんど収穫らしいものを得られませんでした。
一方、昨年は真っ先に掘り返された青島さんと杉岡さんが育てていたピーナッツが、今年は無傷で収穫出来ました。
イノシシはかなり気まぐれに畑を荒らしたようです。
最近恵那ではイノシシの被害が急速に増えています。
対策はほとんどが電柵と罠ですが、電柵は管理が大変で、罠で捕ったイノシシを殺すのは恐ろしいと経験者から聞きます。
大型野生動物との付き合い方がまだよく判りません。
近代化が始まる前の先人はどうしていたのでしょう。
そんな色々問題有りの畑でしたが、一応今年の畑作の締めくくりとして収穫祭は開きます。
ところが、週末になると天気が荒れるパターンは続いているようで、またまた土曜日は発達しながら北上する太平洋と日本海の二つの低気圧に挟まれて大荒れの予報。
そして当日は大荒れではないものの時々雨の空模様。
これでは参加者が少なく今年は寂しい収穫祭なのかなと覚悟していましたが、9時には水野さんと初めて参加の安田さん。
10時頃には三宅さん、続いて加藤さん、昼前には宇井さん、そして昼過ぎに天野さんとやって来て、結局総勢7人の賑やかな集まりになりました。
雨は時々強くなり、その都度霧が辺りを包み込みました。
しかし南風が暖かく、焚き火の炎で汗ばむありさま。
師走に入ったというのに、季節感が狂います。
昼食は皆が持ち寄った食材を分け合いました。
本日のメインディッシュは三宅さんが上矢作の実家前の小川で釣ったアマゴでした。






加藤さんは、自分で収穫したサトイモとダイコンを具にした味噌汁を振舞ってくれました。
キイウイもあります。


水野さんはシフォンケーキ。
私はこの畑の隣で拾った栗を焼きました。


雨の合間には山肌に雲がたなびきました。

しかし、人工林で埋め尽くされ色も形も1年中変化しない山肌には息苦しさを感じてしまいます。
周りの山々に広葉樹が復活したらどんなに心安らぐことでしょう。
早く強度間伐で人工林を広葉樹との混交林にしたいですね。



おしゃべりと焚き火で温めたり焼いたりで忙しくしているうちにあっという間に時間が過ぎ、時計の針は3時近くを指していました。
何をしたわけではないのに、いい時間を過ごせました。
きっと焚き火を囲んでのおしゃべりと雨を凌ぐ掘っ立て小屋が良かったのでしょう。
気楽に秋の庭では落ち葉焚きをし、囲炉裏や竈でいつでも身近に火を使える生活は楽しそうです。



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