NPO法人美濃の森造隊だより

人と森林との最適な関係を探るため、岐阜県恵那市を中心に人工林の間伐をしながら森造りを行なうグループの活動報告です。

木枯らしに震える(12月6日)

2009年12月07日 | 間伐
佐々良木での間伐です。
来る予定の隊員の体調が思わしくなく当日にキャンセルとなったため、山主の足立さんと、元気な中部大学3年の女子学生西田さんと私の3人での作業となりました。
足立さんには新しいメンバーを連れて行くとだけ伝えていたので、待ち合わせ場所で西田さんを引き合わせた時には本当に驚かれていたようです。
どうしてどんないきさつで危険で汚くて苦しいつまり3Kと言われている間伐に女子大生がやって来たのか理解出来ないようでした。
確かに多少は不思議です。
しかしボランティアとしての間伐は、3Kという固定観念を覆す魅力を持っているという証でもあります。
早くもっと多くの人にボランティア間伐の魅力を知ってもらいたいものです。

昨日の雨で空気が湿ったせいで朝の林内は少し霧がかかっていました。
少し息が切れる頃、途中で冬枯れの潅木にきれいな紫色の実を見つけました。




どうやら紫式部の実のようです。
何気なく触った湿った枯葉がとても柔らかいのに驚きました。
この柔らかな枯葉の感触でこれからずっと紫式部を覚えている事でしょう。
途中の暗い人工林の林床には黄葉の潅木が特に目立ちましたが、ハリブキやコシアブラではないでしょうか。

一休み後更に急斜面を登り、現場にたどり着きました。
今日は前回と違って現場の下方で作業をする事にしました。
比較的スギの中径木の多い所です。
西田さんは今日が3度目の間伐になりますが、受け口と追い口の正確な切り方とツルを残す事を再度確認しながらゆっくりとしたペースで作業を行ってもらいました。


足立さんの指導で切る位置を念入りに確認しています。


そして伐倒です。
受け口を作ります。
かなり緊張しながらの作業です。
こちらも見ているだけで力が入ってしまいます。
足場を入念に確かめて無理の無い姿勢でチェンソーを扱っている姿が堂に入っていますね。

昼休みには北風が強くおまけに小雨まで降ってきました。
風を避け、尾根道から風下の斜面を下ってとりあえず風を避けました。
キャンピングストーブを持ってくれば良かったと悔やまれます。
身体が冷え切ってしまわないように昼食は早めに切り上げ、身体を温めるのと地図では山頂近くにあるはずの林道を確認するために急斜面を登ることにしました。
木が生えていなければ怖くて上れないだろうと思える程の急斜面を所々四つんばいで登りましたが、等高線沿いに幾筋もの獣道が見つかり、わずかな足がかりですがそれを辿ると楽に登る事が出来ました。
林道には程なくたどり着きました。
距離は200m程です。
工夫をすれば林道からの集材も可能かもしれません。

こうして林内を歩き回るのも色々な発見があって楽しいものです。

午後からも間伐を続けました。
日が傾くのが早いので3時には山を下りる事にしました。
暗い林内で作業していたので目が暗さに慣れ、尾根筋を下る途中の佐々良木の山里がとりわけ明るく暖かそうに見えました。
ふと何の関連も無く、古の旅人は冬枯れの峠を越し日の傾く頃にやっと眼下に山里を見つけた時には、きっとこんな風にひなびた山里が暖かく見えたんだろうなという思いがよぎりました。


そして里まで下りて来て、今日の作業は終了しました。

この後足立さんの家に寄り、暖かな居間でおいしいコーヒーを頂き、おばあさんに西田さんの行動をまたひとしきり驚いてもらい、白菜と大根を御土産に頂きました。
西田さん、帰りの電車の中で白菜と大根と長靴や着替えの包みを置く場所に苦労しなかったですか。
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