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『パリ・ルーヴル美術館の秘密』

2004年11月11日 | 映画(は行)
『パリ・ルーヴル美術館の秘密』(原題:La Ville Louvre)
監督:ニコラ・フィリベール

パリ・ルーヴル美術館の舞台裏に潜入したドキュメンタリー映画。
製作は1990年。
日本では今年初めに公開された作品です。
ビデオ・DVDレンタルは2ヵ月ほど前から。

規模がちがうとはいえ、私も同業者のひとり。
世界最大規模を誇る美術館ってどんなふうに仕事を進めてるんだろうと興味津々。

所蔵点数は約35万点、職員は1,200人のルーヴル美術館は、
館内を見てまわるのに1週間は要ると言われています。
ちなみに、原題は“La Ville Louvre(=ルーヴル町)”。
確かにこれはひとつの町かも。
舞台裏に撮影クルーが入るのはもちろん初めてのことで、
これを許可したのは画期的だと思います。

興味のない人にはおそらく退屈きわまりない映像かも。
興味津々だった私ですら、途中で寝そうになりました。
でも、失礼ながら、私の勤める博物館との共通点も多々あって、かなり楽しめました。

たとえば、「なんや、素手でモノをさわってるやん」とか。
彫像のひしめきあう保管室内で、危うくモノを蹴飛ばしそうになりながら
それらをまたいで歩き回る学芸員。
美術品に触れるさいには細心の注意を払い、
丁重に扱うものと信じている一般の人がいらっしゃるとしたら、
「そんなん、ええの?」と驚くかも。
あ、決していつでもいい加減なわけありません。(^^;

修復作業や大型絵画の運搬・展示作業。
展示品について熱い議論を繰り広げる学芸員たち。
新しく採用された制服の試着に心を躍らせる職員たち。
ローラースケートで館内を移動する郵便スタッフ。
トレーニング室で体を鍛える人の姿や、消防訓練中の人々も見られます。

庭師や医師、調理師まで揃いに揃った美術館。
職員食堂で出される料理は、ちょっとしたものにも手がかけられていそうで、
こんな料理が職場で食べられるのは羨ましいかぎり。
おいしそうなトマトのマリネが映っていました。

うちの博物館なんてワラかしてくれます。
ある日、「カレーフェア実施中!」の看板が。
どんな種類のカレーが並んでるのかなと期待して覗いたら、
「カレーライス、カレーうどん、カレースパゲッティ」。
なんでやねん。

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