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『ミロクローゼ』

2012年12月07日 | 映画(ま行)
『ミロクローゼ』
監督:石橋義正
出演:山田孝之,マイコ,石橋杏奈,原田美枝子,鈴木清順,
   佐藤めぐみ,岩佐真悠子,武藤敬司,奥田瑛二他

テアトル梅田で2本目。
1本目に観た『声をかくす人』とは何もかもが違いすぎ。(^o^;
なんとも説明しづらい内容なのですが、
きゃりーぱみゅぱみゅ顔負けの登場人物名に原色バリバリの色彩、
なんじゃこりゃあ!の意味不明な可笑しさです。

山田孝之が一人三役に扮した3つの異色恋愛物語が交錯します。
この人、ほんとに芸達者。どんな役でもこなせるんだと改めて感心。
そして結構好きかもと改めて思いました。

金髪のメルヘンチックで少年のような風貌のオブレネリブレネリギャーは、
公園のベンチで隣り合わせになった美女、“偉大なミロクローゼ”に一目惚れ。
彼女のために働き、彼女のために家を買い、幸せな日々を送る。
しかし、いつしか彼女は彼の前から立ち去ってしまい、
街で見かけた彼女の隣には、知らないキザったらしい男。
傷心のオブレネリブレネリギャーは、心に空いた穴を鍋蓋で塞いで過ごす。

毒舌で人気のハデハデしい青春相談員、熊谷ベッソン。
純情な青年らが寄せる悩みに対し、激しい罵倒を浴びせると、
女性を引き連れてこれまたハデな車“ベッソンカー”に乗り込み、
ハイテンションなダンスを披露、問題は一気に解決へ。

片眼の浪人タモンは、花屋の店員ユリに一目惚れ。
足繁くユリのもとへかよい、恋を成就させたかに思えたが、
ある日、謎の盗賊団の襲撃に遭い、ユリが連れ去られる。
残されたタモンは何年もの間、執念でユリを探す。
やがて目の前に現れたドクター中松の力でタイムスリップ
ユリが売られたとおぼしき遊郭へとたどり着くのだが……。

“偉大なミロクローゼ”役のマイコは不思議な魅力がありますね。
透けるように色が白く、あんな髪型だと弥勒菩薩っぽい。
『山形スクリーム』(2009)にも笑いましたが、これもなかなか。
人を食ったかのような名前はオブレネリブレネリギャーだけでなく、
“偉大なミロクローゼ”の伴侶は奥田瑛二演じる「なきゃむら」さん。

原田美枝子が賭場を仕切る壷振り師でバッサリ斬りつけられたり、
ボケボケの刺青師に鈴木清順監督が扮していたりと、
こんなスゴイ人たちをこんなアホな役で起用しているところもビックリ。

タモンが遊郭に乗り込んだあとは修羅場となりますが、
鮮やかすぎる映像のおかげで血まみれでも生臭くなく、アートになり得ています。
あまりに不思議な作品なので、評価はしづらいですけれど、
山田孝之がお好きな方にはオススメしたいところ。

上映後に地上へ出たら、キレイなお姉さんがマイク片手に話す声。
ロフト前で“ベッソンカー”を展示中でした。
「熊谷ベッソンが乗っていた車です」というお姉さんのマジメな声が少し可笑しく。(^^)

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