夜な夜なシネマ

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楽しき無声映画

2006年02月19日 | 映画(番外編:小ネタいろいろ)
ホラーに徐々に慣れようと、最近はドキドキしながらも
興味を惹かれるものは借りるようにしています。
ところが、苦手と言いつつ、白黒のホラー映画は
以前から結構観ていることに気づきました。
特に無声映画は印象深いです。

もっとも衝撃的だったのは『カリガリ博士』(1919)。
ホラーの原点と言われるドイツ映画で、
カリガリ博士が「眠り男」を使って殺人をくり返します。
精神病院の患者が自分の体験を語る形で始まり、
「眠り男」を見世物にしたカーニバルの様子など、
白黒・無声であるがゆえに幻想怪奇な雰囲気が倍増。

『吸血鬼ノスフェラトゥ』(1922)もドイツ映画。
オルロック伯爵の屋敷の売却手続きをするために
彼のもとを訪れた不動産会社に勤める若者が
ドラキュラ城と噂されるこの屋敷で体験する奇々怪々な出来事。
荒野にそびえ立つ巨大な屋敷が怖いのなんのって。

無声映画といえば、数年前、東京・鴬谷にある、
「東京キネマ倶楽部」に行きました。
無声映画を弁士(ナレーター)付きで上映してくれる
日本でただひとつの常設の無声映画館です。

ダンスホールのような天井の高いフロアに
ゆったりと配置されたソファとテーブル。
前中央の大きなスクリーンで無声映画を上映、
その片脇に弁士が立ち、熱く語ってくれます。
講談でも聴いているような感じです。

映画を観ながら食事することも可能です。
料理はバイキング形式で、ちょっとお洒落な居酒屋風。
多種のサラダは見た目も綺麗でそこそこイケました。
飲み物はソフトドリンクはもちろんのこと、
カクテルなども多数用意されています。
昼寝しても許されそうな居心地のいい空間で、
無声映画を堪能しました。

東京に行く機会があれば、また寄ってみたいなと思っていたのですが、
残念ながら現在は無声映画の上映を取りやめているようです。
私が出向いたときも客の入りは悪かったですから、
きっと営業が成り立たなかったのでしょう。
今はサルサのレッスンなどを頻繁におこなっている様子。
やはりダンスフロアだったのですね。

ところで、上記の『吸血鬼ノスフェラトゥ』のオルロック伯爵役、
「マックス・シュレックが本当に吸血鬼だった」という仮定のもと、
製作されたのが『シャドウ・オブ・ヴァンパイア』(2002)。
併せて観ると不気味さが募ってビビります。
ようこんなこと、考えるわ。

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