夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『ビッグ・フィッシュ』

2004年06月11日 | 映画(は行)
『ビッグ・フィッシュ』(原題:Big Fish)
監督:ティム・バートン
出演:ユアン・マクレガー,アルバート・フィニー,ビリー・クラダップ,
   ジェシカ・ラング,ヘレナ・ボナム=カーター他

この映画に感謝。

エドワード・ブルームは愛すべき人物。
彼の話はいつでも壮大で楽しい。
巨大な魚を指輪で釣りあげたこと、
片目に誰かの死に方を映しだす魔女のこと、
靴を脱ぎ捨てた裸足の人びとが暮らす町のこと、
一緒に旅をした巨人のこと、
森ごと沈めてしまう大雨のこと。
ホラとしか思えないこんな話を次から次へとするおかげで
彼はみんなの人気者。

しかし、息子のウィルだけは、そんな父親を嫌っている。
ホラだらけで、父の本当の姿が見えないのだ。
ウィルの結婚式の席上ですら、主役を置いてけぼりにして、
ホラ話で注目をさらった父に怒りをぶつける。
その後、故郷のアラバマ州を出て、
パリで新婚生活を始めたウィルは父とは断絶、
母サンドラと電話で話す程度だった。

ある日、母からの電話で、父が病床に伏していることを知らされる。
先は長くないらしい。
妊娠中の妻とともに両親のもとへ向かうウィル。
この世を去る前に、わずかでもいいから
父に「真実」を話してほしいと願うウィルだったが……。

光に包まれた作品です。
気持ちいい涙がジワ~ンと。

「乾いて死んじゃいそうなんだ」と
服を着たままバスタブに浸るエドワード。
そんな彼をやさしい表情で見つめるサンドラは
自分も服を着たまま、エドワードのそばに身を横たえます。
なんでこんなに涙が出るの。

老いてからのエドワードをアルバート・フィニー、
サンドラをジェシカ・ラング。
ふたりとも、いい年の取り方だなぁと思います。
若き日のエドワードはユアン・マクレガー。
某誌のインタビューで、彼に決まったいきさつについて聞かれたティム・バートンが、
「アルバート・フィニーの若い頃をベン・アフレックが演じたらびっくりだろ」と
答えていたのには笑いました。そら、驚く。

ヘレナ・ボナム=カーターは、『猿の惑星』(2001)をきっかけに
ティム・バートン監督と交際を始め、現在ふたりの間には子どもも。
猿メイクの次は魔女メイクで、こんなメイクにもかかわらず惚れるとは、
やっぱりティム・バートンは好みが宇宙人系。

この映画を観られたことを幸せに思います。
セカチューより、断然こっち。

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