新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

5月21日 その2 「オーバーツーリズム」を何とかしなければ

2024-05-21 14:47:38 | コラム
率直に言って「客種」の問題ではないか:

本21日は2局ほどのニュースショーで、河口湖町の「観光客公害対策」とでも言うか、富士山の良い写真が撮れるコンビニエンスストアの道路の反対側に高さ2.5mだったかの目隠しとなる黒い幕を張る作業を報じていた。「市当局は止むに止まれず」だったかの音声も流れていたが、私は後難を怖れずに言えば「観光客誘致などに熱を上げれば、こんな事になるのだ」と、何とも言えない虚しさを感じていた。

それは、これ以前にもテレビ局が散々騒ぎ立てていた鎌倉の海岸線で、何とか言う海外でも人気が高い「アニメ」だか「漫画」だか知らないが、その場面の写真を撮ろうという不逞の輩、失礼じゃなかったインバウンド様たちが巻き起こす交通阻害と規則違反の道路横断の様子を何度も見せられた。彼等の報じ方から受けた印象はと言えば、寧ろそのアニメとやらの人気が高いことを吹聴しているかのようだった。

鎌倉の件もそうだが、河口湖町の迷惑行為もあれほどテレビが取り上げるのだから、海外にまでもSNSで拡散されてしまったようだ。だから、その連中にリポーターやらアナウンサーが現場で尋ねると「SNSで知ったから来た」という素直な答えもあった。私から見れば、これは確かにオーバーツーリズム現象だが、それを引き起こす一因となっていたのは我が国のテレビの報道であり、言うなれば「オウンゴール」ではないのかとすら感じた。

それ以外に困ったことだと言いたいのが、ズバリと言えば「我が国に来て下さるインバウンド様たち質の問題(客種)がある」のだ。限られた機会に私が見た限りでは、人種的な分布ではアメリカ/ヨーロッパ以外の地域の方々がかなり多いようなのだ。特に、他国の領海や水域に公船を絶え間なく送り込んで水の掛け合いをしている、条約や決め事にコンプライアンスの姿勢を示そうとしない国の人が多いかのようだ。

私はこういう政治的(外交的?)な事の他に、我が国を訪れて下さる方々の属する層に問題があるように思えて仕方がない。長年多くの外国とその国の人たちと接して来たから言えることで「人品骨柄卑しからず」の部類に入る人たちは非常に少ないのではないのか。それは着衣を見ていれば解るし、ある程度以上の層に属する人たちは、刺青などを見せびらかすことなどする訳がないのだ。

少なくとも、長年慣れ親しんできたアメリカでは「あのような出で立ちで外国にまで来るとは、トランプ氏の支持層のような一定以下の階層の方々では」と思わせられるのだ。そういう人たちであれば、お行儀が悪く「郷に入っては郷に従う」事はしないだろうし、外国での礼儀作法を心得ていないことがあるだろう。試合の観戦が終わった後で掃除をして自分たちのゴミを持ち帰るような我が国の観光客と、同じ振る舞いを期待するのは無理がありはしないか。

私はドイツ、オーストリア、UK、イタリア、スペイン、(実はアメリカもカナダも)タイ、韓国、中国、マカオ等には、所謂パック旅行をしたことがある。だが、我が国の観光客であの河口湖町や鎌倉での乱暴狼藉を働こうとする気配すら見せた方がおられることなど皆無だった。キチンと添乗員と現地のガイドの案内に従って規律ある行動をしておられるのが当たり前。

また、仕事で30人を超える我が国からのアメリカ視察の団体のご案内や、お買い物のお手伝いをしたことが何度もあった。だが、皆様が「外国に来てお国の恥を曝すような真似など絶対にしない」という毅然たる姿勢で行動されたので、一度たりとも苦労したことなどなかった。こうあるのが自然であり、それが先進国の国民の節度を心得た姿であると認識出来て、誇りに思ってきた。解りやすく言えば「我が国の方々の質が高い」という事。

政府の観光日本を推進しておられる方々が「予め来訪される方々の質を問うた上で入国願う」などという事が不可能である以上、客種を向上させる手段というか方法を真剣に考えても良くはないのか。敢えて言うが「機内で『日本の伝統と文化、国内で遵守して頂きたい条例や交通規則』と礼儀作法集」のような冊子を数カ国語で作成し、配布することからでも取りかかっては如何か。インバウンド様たちは「知らない規則や習慣は守れない」のだから。



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