新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

この世には異常なことが多いもの

2014-03-07 16:45:07 | コラム
牛刀のようだったそうだが:

柏市での殺人を含む異常な殺傷事件に関して、「頂門の一針」3238号で主宰者の渡部氏が「柏の連続通り魔事件の犯人は精神異常者としか思えない。」と指摘しておられたのには素直に同感である。当初「牛刀のようだった」と報じられたのを聞いて、目撃者が牛刀と識別出来たのが不思議に思えてならなかった。だが、それをこの容疑者が指摘していたのは驚きを超えた何かがある。

この種の犯罪を未然に防ぐことは至難の業だろうし、人を見て「そういうことをしそうな人物」と予め知り得るならばより一層物騒ではないか。

私を屡々物知りであるかのように言って下さる方があるのは有り難いのだが、暗闇の中であろうとなんだろうと、何かの包丁を見せられて如何なる種類のものかを言い当てることなど到底出来ないし、そもそも牛刀なるものを見た記憶すらない。故に不可解な報道かなと思っていた。しかし、あの容疑者があれほど饒舌に記者に語っていれば、疑われて当然だっただろう。あの語りを引き出したことが功績だったのかとすら考えた。

今日7日は昼食会があって14時過ぎに帰宅すると、かの佐村河内なる者の謝罪(なのらしい)会見の録画が流れていた。途中から聞いた限りでも言えることだが、あの人物には相当な悪知恵が発達した陰の指導者がいて物語を作り上げて佐村河内が佐村河内を演じていたのではと感じた。だが、仲間だったはずの新垣氏が途中から心変わりして実態を暴露してしまったので、今日の会見に至るまでの間に作戦を練り直して新たなプレーブックを作成して会見に臨んだのではと思わせてくれた。そうでなければ、佐村河内守はかなりな手練れで詐欺師あると思う。

これは日テレの番組だが、大阪で作っていたので東京にいる矢幡氏という臨床試験師(?)が新垣氏を口止めする会見だったとの感想を述べたように、私には到底正直に真相を語って謝罪する内容とは思えなかった。それどころか佐村河内は時には開き直り、あるいは質問者に逆質問するかと思えば全く自らの非を認めて謝罪するのではなくただ単に「済みません」と言うし、新垣氏と義母に対して(これ以上何かを言えば)名誉毀損で訴えるからからと威嚇してみせるなど、その筋の方々も裸足のような言辞を弄して見せた。

大体からして謝罪会見と銘打って「正直に言えば」等と切り出すこと自体が異常である。読売テレビの記者は彼は最後まで文藝春秋の記者がいくら手を上げても指名しなかったと指摘していたが、一事が万事このようにしてあれ以上の何かを隠蔽しようと試みていたと言われても反論出来なかっただろうと思わせてくれた。正直なところ、私はこの人物の存在を寡聞にして知らなかったのだが、この会見を途中から見ただけて、限りなく胡散臭く異常な人物かを十二分に知ることが出来た。

マスコミの批判をして詮なきことだが、彼等は何か視聴率なり読者を増やせそうな話題に遭遇すると、ここぞとばかりにあちこちから専門家であるとか有識者を集めてきたこれでもかとばかり報道し続ける。私はここに採り上げた二件は確かに異常な部類に入ると思っている。だが、テレビのニュースや朝のショーなどに頼っていると、世の中にはこの種の事件と何とか言う歌手兼作曲者兼プロモーターがガンにかかったこと等が、集団的自衛権がどうなっていくかや、ロシア対ウクライナ問題よりも遙かに重大な案件かの如き錯覚に陥る人が増えるだろうと考えてしまう。

私はマスコミのこの種の報道姿勢もまた異常ではないのだろうかと危惧しているのだが。