たそがれオヤジのクタクタ山ある記

主に北関東の山を方向音痴で歩いています。山行計画の参考にされても責任は負いかねます。深慮せず軽く読み流してください。

赤城山でプチ雪山周回。鳥居峠から長七郎山、小滝氷瀑、地蔵岳。

2024年02月02日 | 赤城山周辺
◎2024年1月31日(水)

鳥居峠(9:35)……小地蔵岳(10:10)……長七郎山(10:20)……小滝(10:55)……小沼(11:25)……地蔵岳(12:15)……鳥居峠(13:10)

 近場で雪山を楽しむとなると赤城山くらいのもの。赤城も下の鍋割は積雪がさほどでもなく、むしろ泥濘になったりしているようだ。これでは雪山気分にはなれそうもない。上といったら、定番は黒檜と駒ヶ岳になるが、積雪の期待はできるものの、正直のところ両山ともに飽きた。地蔵岳とて同じようなものだが、小滝の氷瀑を見たいところもあるので、迷うことなく、鳥居峠から長七郎山、小滝、小沼、地蔵岳というコースにした。たいしたコースではない。標高差も歩行時間も高が知れている。雪の中を歩ければそれでいい。何せ今季初の雪山歩きだ。
 上武国道からうっすらと見える赤城山にはかすかに雪が見える程度。果たして南面道路に入ると、車道上に雪はなく、あるのは路肩だけ。凍結箇所がいくつかあったものの、四駆に切り替えることもなく鳥居峠に着いてしまった。車は一台もない。ここまで、あちこちの駐車場を眺めながら来たが、どこも閑散としていた。後で知ったが、大沼のワカサギ釣りがようやく今日の31日に解禁になったようで、これからは駐車場も賑わうだろう。

(鳥居峠から覚満淵)


 9時35分出発。今日の足はスパイク長靴。先日の雪のない日光では大失敗だったが、雪があるから問題はないだろう。インソールと靴下にも、前回に比べて気を遣った。これで足を痛めたら、雪山での長靴はヤメにする。

(ここから登る)


(明瞭なトレース。晴れていてラッキーだった)


(地蔵岳)


(ここから横道に)


 しっかり踏み固められたトレースがあった。これでは迷いようもない。積雪はそれなりにあっても少ないようで、階段の一部は見えている。右に地蔵岳を見て、小沼分岐。ここは長七郎方面に向かうが、すぐに、左斜面に数人分ほどの足跡が見えた。去年の5月にこの辺を歩いた際、小地蔵からショートカットしようとして、踏み跡があったので、それを下ると、ここに出たような気がする。予定外だったが、小地蔵経由で長七郎に行くことにする。
 今日は厚着をしていた。上は長袖ヒートテックの上にウール100のシャツ、フリース、薄目のダウン。風もなく、気温も上がりつつある。汗ばんできたので、さすがにダウンは脱いだ。下半身とて同じで、汗でヒートテックにズボンの裏布が張り付いている。ヒートテックを脱ぎたいくらいだが、いくら山中でも、これはできない。山中便意解消は平気なのだが。

(ポツンと石祠)


(小地蔵)


(正面に長七郎)


 小地蔵へのヤブの雪は深くなかった。せいぜい20センチ程度のもの。踏み抜きもせずに石祠を経て小地蔵に到着。今さら感慨はない。四年前一月の積雪時期に鳥居峠から市境線を直登して小地蔵に来たし、前述のように昨年も来ている。写真だけ撮ってしっかりしたトレースを本道に下る。

(向こうから下って来た。普通はここから小地蔵を往復する)


(足尾の盟主様が見えた)


(雪庇もどき)


(長七郎山は間もなく)


(長七郎山山頂。青空と白い雪の組み合わせは最高だ)


(地蔵岳)


(富士山。見えづらいので、写真に書き込んだ)


(荒山と奥に浅間山。荒山の急な右肩を二回ほど歩いた。最近では去年の7月の登りだった。その前は雪に埋もれながらの下りだった。右下のコブは通称・前浅間山。なんで浅間かと思っていたが、ここから見る限りはうなずける)


(同じポーズの写真だが、これは賽の河原から)


 本道に出ると、親子らしき二人連れが鳥居峠の方から登って来るのが見えた。今日のハイカーとして初めて見かける。おそらく抜かれるだろうなと思ったが、それはなく、長七郎山に到着。山頂には別の二人連れが休んでいた。ここの山頂は広く、展望も良い。間近の地蔵岳はともかく、荒山越しに浅間山。目を凝らすと富士山。石に腰かけて地図を出そうとしたら、地図は忘れていた。車の中。慣れた山とはいっても、地図を忘れるのは山登り、ことに雪山では致命的。晴れているからいいものの、まして、歩き慣れた場所だからいいかで済ませればいいが、方向音痴ゆえ、勘がうまく働くかどうか心配になった。

(オトギの森方面は二方向にあるが、小滝は右の方だろう。数年前に小滝見物の意識もなく左に行ってみた。ラッセルもどきをして後悔した)


(しっかりしたトレース。下っている。戻るのは地味につらいかも)


(小滝の氷瀑が見えた。かつて、ここから直接下ろうとしてすごすごと戻ったことがある)


 写真を撮っている間に、さっきの親子が登って来てさっさと下って行った。遠慮しながらゆっくり下ったが、接近する。気づいてくれない。こういうのは困るんだよね。別にトレースのない脇を通って追い越してもいいが、これ見よがしの歩きははばかれる。ようやく、娘さんに気づいてもらって先行させてもらったが、すぐに小沼への下り分岐だった。地図を確かめたいが、それができない。オトギの森方面でよかったはず。いずれはここに戻ることになる。
 後ろに親子がついて来る気配はあったが、どこに行くか聞いたわけでもない。トレースはあちこちにあるが、小滝は粕川沿いだから、谷のある方に歩くと、右に沢筋が見えた。これでいいようだ。しかし、トレースがばっちりというのはどういうことだろう。かつては、小滝見物に行くのにテープ頼りで乏しいトレースを追ったのに。
 ここは下りだ。緩くはあるが、氷瀑見物の後にここを登り返すのは嫌だなと思っていると、滝見を終えた単独氏がやはり険しい顔をして上がって来た。数十分後にはオレもああだろうな。だが、ラストの地蔵岳登りに比べたら楽な方だろう。

(ここは凍結している。ここを過ぎてからの下りの方が、つかむ木も乏しくヤバそうだった。写真を撮る余裕はなかった)


 小滝への道は所々で地面が露出している。その分凍結していて、気を抜いて下っていると、谷側に転落することになる。真下に氷瀑が見えた。いつもよりも小さいようだ。見物客7、8人の姿も見えた。

(小滝の氷瀑)


(大分落ちている)


(中では水が流れている)


(改めて。来年までの別れかな)


 下りきって眼前にすると、氷瀑そのものは、見上げると迫った圧迫感があるが、小ぶりになっている分、威圧感がない。下部を見ると、かなり氷が落ちている。以前、来た時には感じなかったものだ。眺めていると、先ほどの親子がやって来た。やはり小滝見物だったか。ミニダックスがいた。アレっと思った。もしかして、よく山行記事で拝見するゆうやけさんでも来ているのだろうか。ワンコの近くに二人組がいた。いずれかがゆうやけさんかな。確証はない。犬連れ山行はよく見かける。過去にも記したが、ゆうやけさんとは一度お会いし、すれ違った際に、一言、二言交えた挨拶は交わしている。顔は記憶から消えている。

(戻る)


(次は小沼へ)


 さほどに長居はせず、というのも日陰になって寒かったからだが、見物は切り上げる。戻りはやはりノロノロ歩き。顔の汗を拭いている間に三人組に抜かれた。それはそれでほっとしたが、この三人、途中で休んでいて、抜かざるを得なくなり、逆に後ろを気にしながらの登りになってしまった。自分には面白くないパターンで小沼分岐に帰着。まぁ、抜かれずに済んでほっとしたが、身体に負担がかかった。

(小沼)


(鳥居は小沼の氷上から撮っている。去年のシロヤシオ見物では、神社の後ろを歩いている)


(これを見て、小沼から上がる。ふと思ったが、大沼のワカサギ釣りで、先客が開けた穴に雪がかぶって見えずに落ち込んだらどういうことになるのだろう。そんな事故もなかったのだろうか)


 小沼に到着。以前のこの時期に真ん中を通って渉ったことがあるが、暖冬のことを考慮すると、果たして問題なく渉れるか信用できかねるところがある。女性二人組が氷上の端を歩いていた。自分も真ん中には行かず、端を歩いた。氷に付いたたくさんの亀裂のような線と、中の水の音だろうか、不気味な音が聞こえたので少し歩いただけで終えた。

(少しばかりの車道歩き。前を歩くお二人は、小沼歩き以来、おしゃべりがたえない気配。話題が豊富な方がうらやましい。皮肉でも何でもない。むしろ、女性の複数連れが黙々と歩いていたら、こちらの気持ちが悪くなるかも)


(この状態のままで行ければいいなと思ったが、やがて階段が切れると、カーブが多くなる。それを嫌ってか、直登しているらしい足跡もあった。数年前なら、自分もやったろう)


(このあたりから立ち止まり休憩が多くなる)


(山頂はすぐに見えているのに、息切れが続く)


(この景色を見ただけでも地蔵岳に登った価値はある。一攫千金の風景だろう)


(電波塔群を眺めていると)


(小滝にいた屈強そうな方々とワンコに抜かれてしまった)


 地蔵岳に向かう。女性二人組も地蔵岳のようだ。つい追い越して先行してしまった。お二人はおしゃべりに忙しい気配だ。ここは階段が続いていて、楽といえば楽かもしれないが、自分にはきつい。決して長靴のせいではない。長靴そのものは順調だ。足の痛みもない。身体が思惑どおりに動いてくれないだけのことで、何度も立ち休みを繰り返し、電波塔群が間近になると、突っ立っている時間の方が長いくらいになった。ここで後続の気配を感じた。さっきの女性陣と思ったら、ワンコを連れた男性二人組。小滝にいた人たちだ。あっさり抜かれ、やっこらせで山頂に到着。

(山頂から)


(黒檜)


(前後したが地蔵岳山頂)


 山頂では二人連れが食事中。確かにそんな時間帯だ。食欲なし。しばらく景色を楽しんだ。上越方面の山々は真っ白で、さながら、関東を囲む長い壁のようにも見える。オレにはどれが何山なのかわかるはずもなく、だれかに教えてもらったところで、例えば、黒檜から同じ絶景を眺めたところで、山の名前は思い出せまい。せいぜい、日光、足尾方面の山しか特定できない。その黒檜が正面にでかく居座っている。右肩越しに日光白根が見えている。足元の大沼は水面が視界の1/3ほど出ていて、これじゃワカサギも無理だなとその時は思った。解禁日であることを知ったのは帰ってからのネットでのニュースだった。

(連れのワンコをアップで無断で撮った。人物じゃないからいいだろう)


 石に座って、ぼんやりと周囲を眺めていた。遅れて登って来た女性二人が、追い抜かれた男性二人からいろいろと話を指さしながら聞いている。こちらに話の内容は聞こえはしない。ワンコはうろうろしている。やはり、ゆうやけさんじゃないだろうか。夜に知ったが、ヤマップにゆうやけさんが地蔵岳に行かれていた記事が載っていた。つい、コメントをしてしまった。オレは、どうも、自分から積極的に他人に話しかけるのは苦手で、この時も、普通のスタイルで「ゆうやけさんですか?」と聞けばいいだけのことなのに、それがためらわれた。
 なんでまた、ゆうやけさんにこだわるのか。一度お会いしたことがあるということもあるが、それよりも連れ歩くワンコに事情がある。名前はnanacoとのこと。ウチでも同じミニダックスを飼っていた。ゆうやけさんの記事写真に出るnanacoにそっくりなのだ(人間から見れば、動物はみんなそんなものだろうが)。もう五年ほど前になるが、20歳を目前にして、いつものように寝たままに起きることがなかった。晩年は耳もかなり遠くなっていたし、寝ていることが多かった。あんなに好きだった散歩も嫌がった。老衰だろう。次女が小さい頃、よく足利や桐生の山にいっしょに連れ歩いたものだ。だから、ミニダックスであるワンコと山歩きをするゆうやけさんの記事には親近感を持っていた。もっとも、うちのミニダックスは、飼いだした時はミニダックスということだったが、3歳頃から、なぜかミニが取れ、ただのダックフントになってしまったが。マメシバとて同じかもしれない。

(谷川岳のほうであることはわかっている。どれが何山なのかは、ほとんどは登っていてもわかりもしない)


(いつの間にか雲が多くなっていた。腹も満たした)


(下る)


 ゆうやけさん達は長居もせずに下山して行った。ようやく空腹を感じて大福と菓子パンを食べた。その間、風が出てきた。汗ばんだ身体も寒くなり、ダウンを着込んだ。見上げると、薄いながらも雲が出てきている。そろそろ下るか。大沼に下る道は知ってはいるが悪路だ。やめておこう。下りでこけるのも嫌だ。整備された、登って来た道を下ることにした。その前に、惜しむようにまた写真撮りを済ます。
 八丁峠に出る。ここから車道歩きでもいいが、それでは味気ない。大洞方面に向かう道に入る。いずれこの車道にぶつかるはず。地図がないから確信は持てない。ただ、今の時期で大胡に向かう通れる県道はここだけかと思う。大洞まで行って覚満淵経由で戻るのももどかしい。今の覚満淵に行ったところで、見られるのはカモだけだろうし、鳥居峠まで登るのもいやらしい。

(ここから車道に出た。車道区間は案外に短かった)


(鳥居峠は右。ここは陽があたらないのか凍結している)


(帰着。地蔵岳への登りで苦しんだのに、歩き足りない気分になっていた)


 余韻を残した雪道だったが、間もなく終了。県道のカーブが接近していた。ここで車道に出る。今回の歩きで、雪が深かったのはここだろうか。わずか10mもないながらも、30センチ以上はあった。あとは車道を歩いて、右に分岐して鳥居峠。地図なしで何とか戻れた。13時10分。
 鳥居峠には車が数台。人の姿もあるし、長七郎山と小滝にでも行ったのか、登山靴スタイルだ。出発時に東側の桐生方面を見たら霞がかかって、しっかりと見えなかった。改めて見に行くと相変わらずの空模様だが、赤城の空はまた青空に戻っている。

 3時間半歩きながらも、今季初の雪歩きとしては楽しめた。以前は、展望もきかない雪降る中をワカンを履いてまでもズボズボで楽しんだものだが、今はそんな苦行は敬遠したい。今の自分にはこれで十分。長靴でも正解だったし。
 てなことを記しながらも、帰路の運転では、前を走る車もあって、カーブの都度にブレーキ、クラッチを断続的に踏む両脚が痛くなってどうしようもなく、両腿が攣った。大鳥居の手前の路肩に車を寄せ、芍薬甘草湯に頼る始末だった。当人は長靴で快適なようなことを強気で思ってはいても、やはり、足のどこかに負担はかかっているのかもしれない。現に、足の甲の部分の隙間はサポーターをしても埋められなかった。なんでここまで長靴にこだわるのか。さしたる理由はない。単に、スパッツを付けるのが億劫で面倒なだけのことなのだ。長靴だったらその必要もない。

(今回の歩き)

この地図は電子地形図25000(国土地理院)を加工して使用しています(令和元年手続改正により申請適用外)

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